◆散歩コース◆
体力度:★☆☆
難易度:★☆☆
- 登山シーズン 1月~6月、9月~12月
- 最高地点 204m(砲台山)
- 歩行開始地点 16m(京急長沢駅)
- 歩行時間 2時間34分
- 歩行距離 約7km
京急長沢駅
ロータリー側から団地内を抜けて長沢殿山公園を右折。その先が登山口になる。
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三浦富士登山口
登山口から階段を上がり平和の母子像を右に見て森の中へ。展望はほとんどない。山頂手前に急坂。
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三浦富士
山頂から下れば平坦な道に。20分ほどで見晴台。武山へ行く分岐で右手の砲台山方向へ進む。
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砲台山
砲台山から来た道を戻って、分岐から武山へ。武山には展望台があり、上がれば360度の大パノラマ。
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武山
近くの武山不動院に寄ってから下山。途中の「ハイキングコース津久井浜方面」の標識を見て駅へ。
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ゴール
津久井浜駅
アクセス:
[行き]京急本線品川駅から京急長沢駅へ。
[帰り]京急本線津久井浜駅から品川駅へ。片道約1時間
JR横須賀線を使う場合は、横須賀駅から京浜急行バス三浦海岸、三崎口方面のバスで竹川バス停下車。武山へは約40分。砲台山、三浦富士と逆に巡るコースになる。
三浦富士は、三浦半島のほぼ南端にある。三浦富士という山名は通称で、本当の名は富士山。ただし「ふじさん」ではなく「ふじやま」と呼ぶ。本家に遠慮したのかもしれない。
ここ何年か行われていないようだが、毎年、7月8日の山開きにこの富士山山頂では「お焚き上げ」という護摩焚きの行事を行っていた。この周辺に住む富士講の人たちが中心となって行われていたようである。高齢化や富士講自体の衰退などによって行事もなかなか行われないのだろう。
三浦富士が昔から漁民にとっての大漁祈願、海上の安全を祈願した場所だったということだ。
その神聖な低山に登ってみる。
京急長沢駅から団地の中を抜けて行くと、長沢殿前公園が右手に。この先に登山口がある。石段を上がって行くと、森の中へ。少し展望が開け、東京湾の先に房総半島が見えてくる。天候にもよるが、半島にある双耳峰の富山が識別できるほどの視界である。
浅間神社が祀られる、三浦富士の山頂へ
展望のまるでない森の中を30分ほど歩き、急な階段を上がると富士山山頂。本家に比べたら、あまりにも楽ちんな富士山登頂である。
山頂には石の祠がいくつか。浅間神社奥宮の石碑もそばに立っていた。ちょっぴりありがたい山に登った気分になる。
山頂からの展望はまた格別なもので、標高はたったの180mほどだが、相模湾や三浦半島の突端の眺めがいい。右手に目を向けると富士山も見える。おそらく富士山から本家の富士山も眺めることができることから、ここに浅間神社奥宮も祀ったのだろう。
山頂から少し行くと、また見晴台。今度は近くの金田湾と三浦半島の眺望がいい。この先で砲台山へと向かう。砲台山も本当の山名ではなく、大塚山が本来の山名。昭和の初期に海軍が高角砲を2基ここに設置したので山名が変わったようだ。砲台跡の近くには、今は海軍ではなく海上保安庁のパラボラアンテナが立っている。
この三浦半島は、まさに軍事半島ともいえるところで、観音崎周辺には、いまだに東京を守るために明治時代から建設されてきた東京湾要塞の遺構の一部など軍事遺跡が多く残っている。
砲台山から武たけ山やまへ。ここにはひときわ高い展望台があり、東京湾方面も見える360度の大展望。歩きだして2時間足らずで3カ所の展望所あり。なんて効率のいいコースなんだろうと満足至極。
最後は近くの武山不動院に立ち寄ってから下山にかかった。キャベツ畑の向こうに歩いてきた三山の全景が見えた。手軽に海、三浦半島、富士山展望ができるコースだ。
山歩きメモ
三浦富士に行くには三浦富士登山口の先まで行き、津久井小学校を回って上がるコースもある。そちらのほうは舗装路歩きが多くなる。武山からは、竹川バス停方面へ下りるコースもあり、30分ほどでバス停。JR横須賀駅に出ることも可能。
アドバイス
コースには危険箇所はない。武山のツツジは例年、4月中旬から5月いっぱいが見頃。1200本のツツジが展望台周辺に咲き誇る。麓には観光農園があり、イチゴ狩りなどができる。
武山不動院
不動明王が本尊の三浦半島の一番札所
1397年、奈良東大寺の僧が武山の麓に泊まり、不動明王を彫刻したのが現在の本尊という。その後、1683年に修験僧の讃与見随(さんよげんずい)が、武山に堂を建立して不動明王を移したといわれる。三浦半島霊場の1番札所でもある。
砲台山
日本海軍の砲台の砲座跡が残る遺跡
大塚山には昭和の初期に海軍が造った砲台の砲座跡が残る。正式名称は武山高角砲台。すり鉢状の中に高角砲が据えられた。側面には穴があり、弾薬の格納庫だったらしい。1945年当時には口径12.7cmの高角砲が2基。
取材・文=清野編集工房
『散歩の達人 日帰り山さんぽ』より