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profile:湯沢祐介(ゆざわ ゆうすけ)
1980年東京都生まれ。
月に500匹以上のペット撮影を手がける。
七色の声を使い分けてわんちゃんの気を引き、猫じゃらしで猫を操りながら撮影するペトグラファー。
その巧みな猫じゃらしさばきから「猫じゃらしの魔術師」の異名を持つ。
写真教室講師、原稿執筆、テレビ出演、レンタルフォト撮影など多岐にわたる活動をしている。著書多数。

昭和レトロな心地よさ

若林駅から徒歩1分の好立地にある『ことたりぬ』さん。

一見すると何のお店なのかわかりません。

看板を見るとしっかりと「喫茶と雑貨」と書いてありました。

 

さて一体どんなお店でどんな看板猫さんがいるのでしょうか?

ワクワクしながら入店します。

店内に入るとすぐに棚があり本などが並べられています。奥には洋服も置いてあるようです。

建物自体もそうですが内装も昭和レトロな雰囲気で心地良い。
暖色系の照明も相まってとても落ち着く空間です。

さらに壁側にはびっしりと本が並べられ窓際にはカウンターテーブルも見られます。

こちらがそのカウンター席。

ここに座って本を読みながら珈琲を飲む。そんなゆったりとした時間を過ごしたくなります。

テーブルにある陶器などの置物が気になって見ていると
「それ売り物なんですよ」と教えてくれたのが店主の弦間さん。
他にもテーブルや椅子なども欲しい人がいれば売るのだとか。
売れたらまた仕入れて補充するため、店のインテリアやレイアウトはその時によって変わるそうです。

さて看板猫はと尋ねるとまだお店には降りてきてなく、建物のどこかにいるとの事。
取材に来たのは15時半頃。普段は夕方以降に出てくる事が多いらしいのでまだ時間が早かったようです。

猫が出てくるまでにお店の事を伺うとオープンしたのは7,8年前。
正確には覚えていないらしく多分2014年との事。

営業時間は15時からだが、15時の時点ではシャッターが半分しか開いておらず、「15時ぐらいから」開けているそうです。

う〜ん、いい感じにゆるいですね(笑)

看板猫クロちゃんとアオちゃん

店主の弦間さんは過去にステンドグラス職人、デザイナー、広告業、警備員(過去を辿ればまだまだあるそうです)と様々な職に就いていてその時々で必要な知識や技術は独学で学んできたのだとか。初めての事にもまずはやってみるスタイルでここまできたそうです。そんな事を当たり前のように話してくれますが、なかなか出来る事ではないなと感心してしまいます。

そもそもこのお店も仕事仲間たちの「シェアオフィスが欲しい」の一言をきっかけ。

弦間さんが資金調達や物件探しを行なっていたが、いざ条件が揃った時には皆いなくなっていたのだとか。そこで自由が好きで何事にも臆さない弦間さんがお店でもやろうと始めたのです。

いやぁすごいなぁと感心しきりで話を聞いてると、

いつの間にか看板猫のクロちゃんが降りてきてくれました。

こちらのクロちゃんは3才。

ある程度人慣れしているがちょっとビビりな性格で、機嫌によっては触らせてくれることもあるようです。お店に降りてくるのはお腹が空いたか涼みに来るかのどちらかだそうで、この時は涼みにきた可能性が高いとの事。

初めは私の足元にスリスリしてくれたが、カメラを持つとやや警戒をするクロちゃん。
近付くことは出来なそうなので自分を野良猫撮影モードに切り替えます。

やはり警戒されてます。

下手に動くと逃げてしまいそうなので一旦撮影を断念。

そこで弦間さんがおやつのかつお節を出してくれました。

美味しそうに食べてますね。

仲良くなるために私もかつお節をあげます。

ここでようやくこちらによってきてくれました。

 

食べ終わるとそそくさと移動し、

棚の陰からこちらの様子を伺っています。

この感じ猫っぽくててかわいいですね。

そして弦間さんに連れられてもう1匹の看板猫のアオちゃん(3才)も登場。

クロちゃんよりも警戒心が強く、かつお節を食べながらもこちらの様子を伺っています。

アオちゃんにもかつお節を手渡ししたかったけど無理でした。
ふたたび野良猫撮影モードにて撮影。

クロちゃんとアオちゃんは名古屋からやって来た保護猫。
生後数ヶ月の時に保護された2匹を友人から譲り受け、今はここで幸せに暮らしています。

『ことたりぬ』さんは猫に縁があるらしく、店のすぐ前の道で行き倒れていた老猫を保護した事をきっかけに過去3匹ほどの猫を迎え入れたそうです。

店内には歴代看板猫の写真も。
店内には歴代看板猫の写真も。

そんな話を聞いているといつの間にかいなくなっていた4代目看板猫のクロちゃんとアオちゃん。

最後に弦間さんが自慢のコーヒーを試飲させてくれました。

洒落たグラスで試飲。冷蔵庫で寝かせたこだわりの珈琲は絶品です。
洒落たグラスで試飲。冷蔵庫で寝かせたこだわりの珈琲は絶品です。

過去に下北沢の喫茶店『トロワ・シャンブル』で働いていた弦間さん。
そこでの経験をもとに熟成豆をネルドリップで淹れ、さらに一晩寝かせるこだわりぶり。
私が試飲したのはホット用の珈琲。アイス珈琲はとても濃くて氷が溶けないと濃くて飲めないと言うお客さんもいるほどだとか。

気になりますね。
次はアイス珈琲を飲みに来よう!
お店では様々な種類の珈琲が用意されていて、ホットもアイスも600円から楽しむ事が出来ますよ。

と言う事でクロちゃんとアオちゃんがいる『ことたりぬ』。
昔ながらの喫茶店の手間をかけた珈琲を味わいたい方は是非行ってみてください。
運悪く看板猫たちに会えなくても、弦間さんの良い人柄と美味しい珈琲を堪能できますよ。

住所:東京都世田谷区若林5-6-11/営業時間:15:00-20:00(変更の場合あり)/定休日:木/アクセス:東急電鉄世田谷線若林駅より徒歩45秒

写真・文=湯沢祐介

今回訪れた看板猫のいるお店は千葉県船橋市にある『伊東屋』。京成船橋駅から歩いて3分ほどにあるお花屋さんです。創業は昭和10年(1935)という老舗花屋にいる看板猫はどんな子なのかと期待に胸を膨らませて歩いているとすぐにお店に到着。
看板猫のいるお店を探して、今回訪れたのは強羅駅から徒歩数十秒に位置するおみやげ屋さん。ここにも看板猫がいるらしいのだが、果たして姿を見せてくれるのでしょうか。 取材当時はまだまだ寒い2月下旬。午前中に別の撮影を済ませてからの取材だったので着いたのは13時過ぎ。平日ということもあって駅前でも人影はまばら。と言うよりもほとんど人がいないと言ってもいい状態です。