歌川広重作品のベストアングルを探せ!

東海道五拾三次之内 日本橋 朝之景 歌川広重筆 江戸時代・天保4~6年(1833~35)頃 横大判錦絵 1期:9月29日(火)~10月25日(日) 『東京国立博物館』蔵
東海道五拾三次之内 日本橋 朝之景 歌川広重筆 江戸時代・天保4~6年(1833~35)頃 横大判錦絵 1期:9月29日(火)~10月25日(日) 『東京国立博物館』蔵

旧蔵者の内山晋氏(1893~1980)は歌川広重を中心とした浮世絵コレクションを築いた蒐集家。美人画や役者絵よりも名所絵を好み、なかでも静寂で抒情的な広重の作品に惹かれ、蒐集した人物だ。また、日本浮世絵協会の設立にかかわるなど、浮世絵研究の発展にも大きく貢献した。

研究員の土屋貴裕さんは「当館では、歌川広重を中心とする浮世絵コレクションを築いた内山晋氏旧蔵の浮世絵1025点を受贈しました。この貴重なコレクションの中から、広重の代表作である『東海道五拾三次』(1期)、『木曽海道六拾九次』(2期)、『名所江戸百景』(3期)の三大シリーズ全点を、3期に分けて紹介する大変貴重な機会です。広重がとらえた『江戸のベストアングル』を、ぜひご堪能ください」と見どころを語る。

広重の目に江戸の風景や人々はどのように映っていたのか、ユニークな構図や描写からその視点を追体験してみたい。

木曽海道六拾九次之内 洗馬 歌川広重筆 江戸時代・天保7~8年(1836~37)頃 2期:10月27日(火)~11月23日(月・祝) 『東京国立博物館』蔵
木曽海道六拾九次之内 洗馬 歌川広重筆 江戸時代・天保7~8年(1836~37)頃 2期:10月27日(火)~11月23日(月・祝) 『東京国立博物館』蔵

200年前の江戸をより体感できる超高精細映像のコーナーも登場

名所江戸百景 高輪うしまち 歌川広重筆 江戸時代・安政4年(1857)4月 大判錦絵 3期:11月25日(水)~12月20日(日) 『東京国立博物館』蔵
名所江戸百景 高輪うしまち 歌川広重筆 江戸時代・安政4年(1857)4月 大判錦絵 3期:11月25日(水)~12月20日(日) 『東京国立博物館』蔵

保存状態がよいことでも知られる内山晋コレクション。その名コレクションを通して、江戸の風景が鮮明に蘇る。

1期「『東海道五拾三次』と江戸名所」では江戸・日本橋から京へ向かう旅の情景を描き、広重が生涯にわたって取り組んだ江戸の名所の数々と合わせて紹介。2期「『木曽海道六拾九次』と諸国名所・花鳥画」は広重と渓斎英泉(1791~1848)が合作で手掛けた70 枚揃のシリーズ。起伏に富む木曽街道の風景を、旅人や土地の人びとの姿とともに、表情豊かに描き出した。切手としても親しまれた「月に雁」など、花鳥画の代表作と合わせて楽しむことができる。3期では晩年の代表作「名所江戸百景」が登場。独自の視点で縦横に書き尽くしたシリーズは斬新な画面が人気を集め、百景に留まらず120点が刊行された。それらシリーズ全点が一堂に公開される。前売りチケットでは3期合わせたお得なチケットも販売される。

会場には超高精細映像のコーナーが設置され、広重作品の色彩の美しさを、大型モニターを通して体感できる仕掛けも。広重がとらえた「江戸のベストアングル」が眼前に広がる無二の体験を味わおう。

名所江戸百景 大はしあたけの夕立 歌川広重筆 江戸時代・安政4年(1857)9月 大判錦絵 3期:11月25日(水)~12月20日(日) 『東京国立博物館』蔵
名所江戸百景 大はしあたけの夕立 歌川広重筆 江戸時代・安政4年(1857)9月 大判錦絵 3期:11月25日(水)~12月20日(日) 『東京国立博物館』蔵

開催概要

特別展 内山晋コレクション受贈記念「歌川広重 江戸のベストアングル」

開催期間:2026年9月29日(火)~12月20日(日)
1期:9月29日(火)~10月25日(日)
2期:10月27日(火)~11月23日(月・祝)
3期:11月25日(水)~12月20日(日)
開催時間:9:30~17:00(入館は~16:30)
※毎週金・土、10月11日(日)・11月1日(日)・2日(月)・22日(日)は~20:00(入館は~19:30)
休館日:月(ただし10月12日・11月2日・23日は開館)、10月13日(火)、11月24日(火)、12月15日(火)
会場:東京国立博物館 本館A室(東京都台東区上野公園13-9)
アクセス:JR上野駅から徒歩10分、JR山手線・京浜東北線鶯谷駅から徒歩10分、地下鉄銀座線・日比谷線上野駅から徒歩15分
入場料:一般1500円、大学生500円
※高校生以下、障がい者とその介護者1名は無料。

【問い合わせ先】
ハローダイヤル☏050-5541-8600
公式HP:https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=2759

 

取材・文=前田真紀 画像提供=東京国立博物館