江戸第三の祭りとして名を馳せた
天暦5年(951)創建の赤坂氷川神社。江戸時代には8代将軍徳川吉宗の厚い崇敬を受け、享保15年(1730)に吉宗公の命で現在の場所に社殿を建立した。当時の祭りは山車が中心で、13本の山車が神社の宮神輿2基を警護する形をとって巡行していた。その巡行は豪華絢爛を極め、江戸の人々の間では、「天下祭」と呼ばれる日枝神社の山王祭や神田神社の神田祭に次ぐ“江戸第三の祭り”として認識されていた。
明治維新以降、社会情勢の変化とともに祭礼の形も変化した。山車は徐々に表舞台から姿を消し、2基あった宮神輿も1基は譲渡、1基は東京大空襲の際に焼失し、宮神輿と江戸型山車が巡行することはなくなった。しかしながら、残存していた8本の山車を復活させようという動きが平成に入って起こり、2007年には約80年ぶりに山車巡行が実現。さらに2016年に宮神輿の復元新調が完了し、約100年ぶりに宮神輿と江戸型山車の連合巡行が行われることとなった。
江戸の祭礼をよみがえらせた華麗な歴史絵巻
赤坂氷川祭は「宮神輿」「町会神輿の連合渡御」「江戸型山車」の3つの柱を3年周期で実施。2026年は宮神輿がメインの年であり、9月13日(日)の神幸祭では宮神輿と2本の江戸型山車の連合巡行を予定している。「かつての宮神輿は人が担げないほど重く、牛が曳いていました。宮神輿を復元新調する際に人が担げるぐらいの大きさにしましたが、それでも都内有数の重さを誇っています」と教えてくれたのは赤坂氷川神社の宮司・惠川義孝さん。約80名が力を合わせて神輿を担ぐが、担ぎ手は3分ともたないほどの重さだという。数百名が交代しながら大きな宮神輿が赤坂の街を練り歩く(宮出しは8時30分、宮入りは18時ごろ)。
また、かつて祭りの主役だった江戸型山車にも注目。江戸城内で将軍が上覧する際、江戸城門をくぐるために人形を載せた枠組みが昇降するからくりを備えているのが特徴だ。「赤坂エリアは坂や電線のある場所も多いため、常に人形が上がっているわけではありません。一ツ木通りの入り口から赤坂通りまでの区間は隊列もフルパターンですし、人形も上がっているので見どころです」と惠川さん。東京23区内で今でも江戸型山車が見られるのは実に珍しい。
ほかにも11日(金)には、夜の赤坂の街をライトアップされた山車と町会神輿が巡行する「宵宮巡行」が行われる。商店街では「赤坂秋まつり」(9月11・12日)も同時開催され、地元飲食店による出店やステージイベントなど街を挙げて盛り上げる。さらに、期間中には境内で盆踊り大会や赤坂を代表する名店が集まる「赤坂名店街」、雅楽や歌の奉納も。「境内は東京大空襲の被害も受けず、江戸の情景が今も残っています。赤坂氷川祭でも都心で江戸の絵巻を繰り広げますので、ぜひ江戸らしさを感じていただければ」と惠川さん。往時のにぎわいを思い浮かべながら、宮神輿と江戸型山車の連合巡行を見学しよう。
開催概要
「赤坂氷川祭」
開催期間:2026年9月11日(金)~13日(日)
開催時間:宵宮巡行は11日(金)18:00~21:00、神幸祭は13日(日)の8:00~19:00
会場:赤坂氷川神社(東京都港区赤坂6-10-12)
アクセス:地下鉄千代田線赤坂駅、日比谷線・大江戸線六本木一丁目駅から徒歩8分
【問い合わせ先】
赤坂氷川神社☎03-3583-1935
URL:https://www.akasakahikawa.or.jp/hikawasai-r08/
取材・文=香取麻衣子 ※写真は主催者提供






