イタリアデザインの粋がそこに

エットレ・ソットサス《モービル》1957~58年(デザイン)1959年(製作)、製作:ポルトロノーヴァ、石橋財団『アーティゾン美術館』。(C)Erede Ettore Sottsass。
エットレ・ソットサス《モービル》1957~58年(デザイン)1959年(製作)、製作:ポルトロノーヴァ、石橋財団『アーティゾン美術館』。(C)Erede Ettore Sottsass。

1917年にオーストリアで生まれ、1929年に建築家の父の仕事の関係でイタリア・トリノに移り住んだソットサス。ミラノを拠点にデザイナー・建築家としての本格的なキャリアを開始し、名作デザインを次々と生み出した。1980年代には自身が発起人となって国際的なデザイナー集団「メンフィス」を結成、大胆な色彩と形態によるデザインの数々でセンセーションを巻き起こした。

そんなソットサスの作品を近年重点的に収集してきた石橋財団が、所蔵する100点を一挙に公開する本展。展示されるのは、家具、セラミック、機器類、ガラス器、写真、ドローイングなど多岐にわたる。

ユニークな形態と斬新な色づかいのキャビネットをはじめ、高さ3mにも達する陶器を積み上げた柱状のオブジェや、大胆な構造と繊細な美しさが共存するガラス器など、ソットサスの唯一無二の創意を存分に堪能することができる。

エットレ・ソットサス《トーテムのためのドローイング》1964年、石橋財団『アーティゾン美術館』。(C)Erede Ettore Sottsass。
エットレ・ソットサス《トーテムのためのドローイング》1964年、石橋財団『アーティゾン美術館』。(C)Erede Ettore Sottsass。

ソットサスと交流のあった倉俣史朗らの作品も登場

エットレ・ソットサス《マラバール》1982年(デザイン/製作)、製作:メンフィス・ミラノ、ビトッシ、石橋財団『アーティゾン美術館』。(C)Erede Ettore Sottsass。
エットレ・ソットサス《マラバール》1982年(デザイン/製作)、製作:メンフィス・ミラノ、ビトッシ、石橋財団『アーティゾン美術館』。(C)Erede Ettore Sottsass。

合理性や機能性を追求するのではなく、人間のより本質的な感性を揺さぶろうとし続けたエットレ・ソットサス。

ソットサス率いる「メンフィス」のデザインは、日本のデザイン界にも大きなインパクトを与えた。倉俣史朗や立石大河亞など多くの日本のデザイナーやアーティストたちと交流し、たびたび訪日して日本の文化にも親しんできた。本展ではソットサスの初期から晩年にいたる100点以上の作品とともに、倉俣やミケーレ・デ・ルッキといった盟友たちの作品も併せて紹介。交友歴を含めたソットサスの創作の軌跡が紹介される。

従来のモダンデザインのあり方に囚われない自由な創作の姿勢が現れた作品から、ソットサスのデザインの全体像を振り返り、真価を問い直す試みとなっている。

エットレ・ソットサス《アルコル》1983年(デザイン/製作)、製作:メンフィス・ミラノ、トソ・ヴェトリ・ダルテ、石橋財団アーティゾン美術館。(C)Erede Ettore Sottsass。
エットレ・ソットサス《アルコル》1983年(デザイン/製作)、製作:メンフィス・ミラノ、トソ・ヴェトリ・ダルテ、石橋財団アーティゾン美術館。(C)Erede Ettore Sottsass。

関連プログラム土曜講座も開催

各月一回土曜日14:00~15:30、『アーティゾン美術館』3階レクチャールームにて、関連プログラム土曜講座が開催される。各定員80名。事前申し込み制、先着順。詳細はWEB(www.artizon.museum/program/)にて。

第1回「時代の道標、エットレ・ソットサスの人生とデザイン(仮)」

日時:2026年7月18日(土)14:00~15:30
講師:女子美術大学客員教授・佐藤和子氏

申し込み受付は、6月23日(火)11:00より。

第2回「オブジェからの旅―1970年代のエットレ・ソットサス(仮)」

日時:2026年8月22日(土)14:00~15:30
講師:青山学院大学准教授・池野絢子氏

申し込み受付は、7月21(火)11:00より。

第3回「エットレ・ソットサスの“魔法”と“デザイン”(仮)」

日時:2026年9月5日(土)14:00~15:30
講師:本展担当学芸員・杉本渚氏

申し込み受付は、7月21(火)11:00より。

開催概要

「エットレ・ソットサス―魔法がはじまるとき、デザインは生まれる」

開催期間:2026年6月23日(火)~10月4日(日)
開催時間:10:00~18:00(金は~20:00。入館は閉館30分前まで)
休館日:月(7月20日・9月21日を除く)・7月21日・9月24日
会場:アーティゾン美術館6階展示室(東京都中央区京橋1-7-2)
アクセス:JR東京駅から徒歩5分、地下鉄銀座線京橋駅から徒歩5分、地下鉄日本橋駅から徒歩5分
入場料:WEB予約チケット1200円、窓口販売チケット1500円、学生無料(要WEB予約)※中学生以下はWEB予約不要。
※日時指定予約制(予約枠に空きがあれば、美術館窓口で購入可)。
※同時開催の「瀧口修造 書くことと描くこと」も観覧可能。

【問い合わせ先】
ハローダイヤル☏050-5541-8600
公式HP:https://www.artizon.museum/

 

取材・文=前田真紀 画像提供=アーティゾン美術館