会田誠の公開制作×岡田裕子のインスタレーション対話劇

岡田裕子《井戸端で、その女たちは》2025。展示風景:「神戸六甲ミーツ・アート2025 beyond」撮影=高嶋清俊。(C)OKADA Hiroko Courtesy of Mizuma Art Gallery。
岡田裕子《井戸端で、その女たちは》2025。展示風景:「神戸六甲ミーツ・アート2025 beyond」撮影=高嶋清俊。(C)OKADA Hiroko Courtesy of Mizuma Art Gallery。

常識にとらわれない対比や痛烈な批評性を提示する作風で、幅広い世代から圧倒的な支持を得ている会田誠氏。一方、映像、写真、絵画、インスタレーション、パフォーマンスなど、多様な表現を用いて、自らの実体験を通したリアリティのある視点で現代社会へのメッセージ性の高い作品を制作し続ける岡田裕子氏。夫妻でもある彼らの、初となる2人展だ。

展覧会担当者は、「会田誠は展示会場で巨大な《混浴図》を公開制作し、多様な存在が共存する壮大な世界を描き出します。間近で制作過程を見ることができる貴重な機会です。一方、岡田裕子は、歴史に埋もれかけた女性アーティストたちに思いを馳せたインスタレーション《井戸端で、その女たちは》を美術館の室内と庭園で展開します。自らが書き上げた台本を元に展開される対話劇が秀逸です」と見どころを語る。

2つの作品世界が交錯して生まれるユニークな空間へ

会田誠《混浴図》(部分・制作中)2025~ キャンバス、アクリル絵具。(C)AIDA Makoto Courtesy of Mizuma Art Gallery。
会田誠《混浴図》(部分・制作中)2025~ キャンバス、アクリル絵具。(C)AIDA Makoto Courtesy of Mizuma Art Gallery。

本展では、開催される日の開館時間ほぼすべてを通して公開制作を行うという会田氏。《混浴図》と題された大作絵画では「ちらちらと雪が降り湯煙が漂う、架空の超巨大な混浴露天温泉に、男女のみならず年齢、民族、時代、有名/無名、実在/非実在、善/悪‥‥などなど、さまざまな属性の人間と、さらに『人間にあらざる者』までもが、いっしょに入浴している絵」(会田誠)が描かれる。

一方、岡田氏によるインスタレーション作品《井戸端で、その女たちは》は、時代にかき消されてしまったと思しき物故女性アーティストがテーマ。井戸が配されたすぐそばのテーブルで人生を語り合っている女性たち。その声に、シンクロナイズしたかのようにテーブルランプが瞬く。女たちの声を岡田裕子氏自身が演じ、彼女たちの対話劇を繰り広げる。

刻々と完成に向けて制作される絵と、女性たちの過去と向き合うインスタレーション。それぞれの世界観を共鳴させた、無二の空間を堪能したい。

開催概要

「2人展 会田誠・岡田裕子」

開催期間:2026年5月30日(土)~2026年8月16日(日)
開催時間:10:00~17:30(入館は閉館30分前まで)
休館日:月・火・水
会場:カスヤの森現代美術館(神奈川県横須賀市平作7-12-13)
アクセス:JR横須賀線衣笠駅から徒歩15分
入場料:一般1000円、大学生・高校生・中学生600円・小学生400円

【問い合わせ先】
カスヤの森現代美術館☏046-852-3030
公式HP:https://www.museum-haus-kasuya.com/

 

取材・文=前田真紀 画像提供=カスヤの森現代美術館