和歌や仏画のなかに記された文字に着目
本展では、「美術のなかの文字」に焦点を当てる。「よめない」と敬遠されがちな書そのものの作品からあえて離れ、画家の署名・印章(落款)や所蔵を意味する鑑蔵印、自筆・他筆によって加えられた詩文や和歌の賛(さん)、文房具や器物に記された詩歌や吉祥の文字などに注目。作品の中に記された文字がどのような役割を担い、またどんな意味が込められているのか? 手ほどきを受けるがごとく展示をたどっていくと、その世界の奥深さに開眼しそうだ。
平安時代中期に流行した景色のなかの和歌も登場
平安時代中期には、描かれた名所や景物に合わせて和歌を詠み、それを絵の中に書き込むことが流行したという。そうした伝統をふまえた、絵と和歌の二重奏ともよばれる作品が、鎌倉時代の絵巻や近世の屏風絵のなかにみられる。本展では鎌倉時代の絵巻「鏡山図」を筆頭に、類品4幅(「草花図」、「紅梅図」、「海浜図」)が登場。同時に公開されるのは初めてとなる。
また、仏画に書き込まれる文字にも肉薄。そこには経典からの引用や、多数の尊像を見分けるための名札などがあり、種子とよばれる梵字が用いられることもある。江戸時代には経文を書き連ねて仏菩薩や五百羅漢などをあらわすことも行われ、細かい文字で描かれた観音像や龍などをつぶさに眺めることができる。作品の中に記された文字を読み解くおもしろさにふれられるはずだ。
関連イベント
スライドレクチャーが開催
6月12日(金)・26日(金)各日11時30分~、担当学芸員がスライドを使って展示解説を行う「スライドレクチャー」を館内講堂で開催。参加費無料(ただし要入館料)、定員100名。申し込みはHPから。
開催概要
企画展「はじめての古美術鑑賞 美術のなかの文字」
開催期間:2026年5月30日(土)~7月12日(日)
開催時間:10:00~17:00(入館は閉館30分前まで)
休館日:月
会場:根津美術館(東京都東京都港区南青山6-5-1)
アクセス:地下鉄表参道駅から徒歩8分
入場料:オンライン日時指定予約:一般1400円、学生600円、中学生以下無料
※身体障害者手帳などの手帳をお持ちの方及びその付添いの方は200円引き。
当日券(一般1600円、学生800円)も販売。ただし予約優先
【問い合わせ先】
根津美術館☏ 03-3400-2536
公式HP https://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibitions/upcoming/
取材・文=前田真紀 画像提供=根津美術館






