大名に温泉を献上した儀式を再現
江戸時代後期、湯河原の温泉は非常に効能がいいと評判になり、温泉を樽詰めにして神輿に乗せ大名家や御用邸に献上していた。その献湯神輿の出発の際、道中の安全祈願として神輿に温泉をかけてお祓いをした。その儀式を再現し、温泉の恵みに感謝しながら神輿が温泉街を練り歩くのが「湯かけまつり」だ。
当日は19時30分に神輿パレードがスタート。角樽を組み上げて作られた神輿が町立湯河原美術館を出発し、万葉公園入口広場を経て、泉公園までの約1kmの道のりを練り歩く。「沿道には約1000個の湯樽が置かれ、中には湯河原温泉の源泉が入っています。量でいうと約60トンにものぼります」と教えてくれたのは湯河原温泉観光協会の久能木さん。沿道の観客が湯樽に並々と注がれた温泉を湯桶ですくって、神輿めがけて勢いよく浴びせかける。
沿道の観客もびしょ濡れ必至!
担ぎ手はもちろん、あちこちから浴びせられる湯に沿道の観客もびしょ濡れだ。それでも担ぎ手も観客も満面の笑みを浮かべ、歓声をあげて盛り上がる。「人さまにお湯をかけちゃう、他にはない祭り。ぜひ濡れる覚悟でお越しください。湯河原の温泉を感じてもらえれば」と久能木さんはにっこり。
途中神輿が立ち寄る万葉公園入口広場では、「御箸(みはし)まつり」を同時開催。温泉街の旅館で使った割り箸を供養すると同時にお客さんへの感謝の気持ちを込めて行われるもので、一年間に使用した割り箸を焚き上げ、その周りを神輿が練り歩く。さらに大階段付近は「お湯かぶりエリア」に設定され、大量の湯が集中的に降り注ぐスポット。お湯かぶりを満喫したい強者はぜひ。徳川時代に起源をもつ伝統の「湯かけまつり」を現地で体感しよう。
開催概要
「湯かけまつり」
開催日:2026年5月23日(土) ※少雨決行
開催時間:19:30~21:00
会場:湯河原温泉(神奈川県足柄下郡湯河原町)
アクセス: JR東海道線湯河原駅からバス10分の「落合橋」下車
【問い合わせ先】
湯河原温泉観光協会☎0465-64-1234
URL:https://www.yugawara.or.jp/event/972/
取材・文=香取麻衣子 ※写真は主催者提供






