再評価の機運が高まるリトアニアの国民的芸術家に迫る
ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス(1875~1911)は、絵画と音楽というふたつの領域で才能を示し、35歳の若さで亡くなるまでに300点以上もの作品を手がけた。
本展では、『国立M. K. チュルリョーニス美術館(カウナス)』が所蔵する主要な絵画やグラフィック作品、約80点を紹介。音楽形式を取り入れた連作や、自身の手になる楽譜、展示室に流れる旋律をとおして、優れた作曲家でもあった画家のみずみずしく、繊細な感性を体感できる構成になっている。
広報担当者は「日本ではめったに見られない厳選した作品およそ80点を紹介します。人間の精神世界や宇宙の神秘を描いた幻想的な作品の数々のうち、今回、謎に包まれた最大の代表作《レックス(王)》が日本で初めて展示されます。また、本展会場では彼の音楽も流し、優れた作曲家でもあった画家の繊細な感性を眼と耳で体感いただけます」と見どころを語る。
作曲家ならではの音楽構造を取り入れた作品の数々
チュルリョーニスが絵画制作に取り組んだ期間は約6年間。長くはなかったその間に、ソナタ形式の絵画連作などに見られるような音楽様式を導入し、作曲家ならではの独特なアプローチで絵画と音楽の融合を試みたことで評価を確固たるものとした。
「フーガ」や「ソナタ」連作といった作品群は、連作という絵画形式によって、空間芸術である絵画に時間の流れを導入。これらの作品では伝統的な遠近法にもとづく統一的空間が放棄され、画面は水平に分節された複数の独立した層からなっている。重層的な空間を形成した作品は、ポリフォニー(多声音楽)的な響きの印象を生んでいる。
さらに、展覧会の世界を耳から楽しめるプレイリスト「#SoundFirstČiurlionis」がYouTube Musicで公開。このプレイリストは、チュルリョーニスの曾孫でピアニストのロカス・ズボヴァス氏が本展のために選曲したもの。合わせて聴くことでチュルリョーニスの世界により深くふれられるはずだ。
開催概要
「チュルリョーニス展 内なる星図」
開催期間:2026年3月28日(土)~6月14日(日)
開催時間:9:30~17:30(金・土は~20:00。入館は閉館30分前まで)
休館日:月(ただし3月30日・5月4日は開館)、5月7日(木)
会場:国立西洋美術館 企画展示室B2F(東京都台東区上野公園7-7)
アクセス:JR上野駅から徒歩1分、京成電鉄京成上野駅下車 徒歩7分、地下鉄銀座線・日比谷線上野駅から徒歩8分
観覧料:一般2200円、大学生1300円、高校生1000円、小・中学生無料
※障害者手帳をお持ちの人とその介護者1名は無料。
【問い合わせ先】
ハローダイヤル☏050-5541-8600
展示会特設サイト https://2026ciurlionis.nmwa.go.jp/
取材・文=前田真紀 ※画像提供は主催者






