実際に使用されていた仕事部屋を再現
『三鷹の森ジブリ美術館』の映像展示室「土星座」で上映されている中川李枝子・作、山脇百合子・絵の童話『いやいやえん』の中のひとつの話から生まれた『くじらとり』。絵本『たからさがし』をもとにした『たからさがし』。2本とも宮﨑駿監督に「どうしてもアニメーションにしてみたい」と思わせた作品だったという。
広報担当の小林さんは「宮﨑駿監督がアニメーション化を熱望した『くじらとり』『たからさがし』。この作品の絵を生み出した山脇さんの仕事部屋を展示室に再現しました。仕事机の周りは、長い画業人生を物語る愛用品や、膨大な蔵書など、彼女の感性と人柄を映し出す『ごちゃごちゃ』とした大切な物で満ちています。部屋の細部を見つめることで、子供たちへの愛情あふれる世界を作り上げてきた創作の姿勢、そのあたたかな秘密にそっと近づくことができるでしょう」と見どころを語る。
膨大な仕事から人となりと絵の魅力に触れる
館内の展示室第2室では、仕事として描かれた絵のみならず、子供たちのために描いた絵や、自身の趣味で取り組んだ作品、心を込めて書いたお便りなど、人柄の感じられるたくさんの絵が並ぶ。
また、「やりかけコレクション」と題された、さまざまな手芸作品なども見どころになっている。
そして展示室にとどまらず、1階北側廊下の「年代別ヒストリー」や2階ギャラリーの書籍閲覧コーナーなど、館内のあちらこちらで山脇百合子の膨大な仕事が紹介されるのにも注目したい。この展覧会のための制作期間は約1年。展示される書籍の数は約2000冊、取り上げた仕事数は約685作に及ぶという。チャーミングな画風で多くの人々に愛された山脇百合子の作品に対する熱量や魅力的な人柄にふれる、またとない機会になりそうだ。
開催概要
「『山脇百合子の仕事部屋』展~ごちゃごちゃから見えるもの~」
開催期間:2025年11月19日(水)~2027年5月(予定)
開館時間:10:00~18:00※『三鷹の森ジブリ美術館』は日時指定予約制。
休館日:火・12月27日(金)~2026年1月2日(金)
会場:三鷹の森ジブリ美術館(東京都三鷹市下連雀1-1-83)
アクセス:JR中央線三鷹駅から徒歩15分
入場料:一般1000円、中学・高校生700円、小学生400円、幼児(4歳以上)100円
※チケットは事前にローチケWebサイトにて購入を。
【問い合わせ先】
ごあんないダイヤル☏0570-055777
公式HP https://www.ghibli-museum.jp/
取材・文=前田真紀 画像提供=三鷹の森ジブリ美術館





