新宿はいかにして世界最大級のターミナル駅となったのか

初代新宿駅舎模型 昭和39年(1964)作成 『新宿歴史博物館』所蔵。
初代新宿駅舎模型 昭和39年(1964)作成 『新宿歴史博物館』所蔵。

日本初の鉄道は国によって建設された。明治5年(1872)10月に新橋~横浜間が開業した後、民間による鉄道建設が認められ、明治18年(1885)3月には私鉄・日本鉄道の品川線品川~赤羽間が開通した。その中間駅として開業したのが、新宿停車場だった。当時は甲州街道と青梅街道が分岐する追分の、さらに西側の小さな一停車場でしかなかった。

明治22年(1889)4月には私鉄・甲武鉄道の新宿~立川間で開通。新宿駅は日本鉄道と甲武鉄道が共同利用する接続駅になった。以来、多数の路線が乗り入れることとなった新宿駅は2025年3月で開業から140年を迎えるまでに、世界最大級のターミナル駅へと飛躍的な発展を遂げた。

展覧会担当の藤村さんは「本展示の見どころは、新宿駅に乗り入れている鉄道各社さまにもご協力いただき、さまざまな資料を展示しながら、過去の新宿駅から現在の新宿駅、そしてこれから変わりゆく未来の新宿駅の姿について一度にご覧いただける点にあります。新宿地域の発展にも大きな影響を与えている新宿駅の歴史を、ぜひこの機会に知っていただけたら」と語る。

現在、60年ぶりの大改築が行われている最中の新宿駅。140年の歴史をたどるとともに、新宿駅の未来の姿にも思いを馳せたい。

行先板(府中競馬正門前-新宿)『京王資料館』所蔵。
行先板(府中競馬正門前-新宿)『京王資料館』所蔵。
西武ニュース 桜だより 昭和24年(1949) 西武鉄道株式会社所蔵。
西武ニュース 桜だより 昭和24年(1949) 西武鉄道株式会社所蔵。

関連イベントも開催

ギャラリートーク

10月25日(土)・11月8日(土)・22日(土)・12月6日(土)の各日13時~、担当学芸員による展示解説が『新宿歴史博物館』B1企画展示室で開催される。参加費無料。予約不要。

駅長トーク「新宿駅140年の思い出とこれから」

JR東日本新宿駅の田中茂駅長が、新宿駅140年の思い出とこれからの新宿駅を語る。
11月29日(土)14~16時、『新宿歴史博物館』2階講堂にて。定員90名(多数の場合抽選)、参加費無料。申し込みは往復はがき、または公式HPから(11月5日〈水〉必着)。

開催概要

特別展「新宿駅開業140周年記念 Shinjuku grand terminal」

開催期間:2025年10月12日(日)~12月14日(日)
開催時間:9:30~17:30(入館は17:00まで)
休館日:10月14日(火)・27日(月)・11月10日(月)・25日(火)・12月8日(月)
会場:新宿歴史博物館 B1企画展示室(東京都新宿区四谷三栄町12-16)
アクセス:JR・地下鉄四谷駅から徒歩10分、地下鉄丸ノ内線四谷三丁目駅から徒歩8分、地下鉄新宿線曙橋駅から徒歩8分
入場料:一般300円(常設展とのセット券500円)、中学生以下無料

【問い合わせ先】
新宿歴史博物館☏03-3359-2131
公式HP https://www.regasu-shinjuku.or.jp/rekihaku/news/110816/

 

取材・文=前田真紀 画像提供=新宿歴史博物館