貴重な戦争資料から見えてくる横浜の人々の姿

横山清治氏が横浜の空襲被害を描いた「戦災画譜」 昭和20年(1945) 『横浜都市発展記念館』蔵。
横山清治氏が横浜の空襲被害を描いた「戦災画譜」 昭和20年(1945) 『横浜都市発展記念館』蔵。

横浜市民が受けた戦争の影響や空襲被害の実相とはいかなるものだったのか。資料や証言記録を通して紹介し、戦後占領期も継続した戦争被害の実態について、子供たちの被害に焦点を当てて紹介する本展。

広報担当者は「2025年は戦後80年の節目の年にあたります。当時横浜に多く存在した戦争孤児や『GIベビー(戦後、進駐軍兵士と日本人女性のあいだに生まれた子供)』の子供たちに焦点を当て、彼らを保護した施設の資料や、当事者から提供を受けた資料から紹介します。戦争が一般の市民にもたらす惨禍について、改めて考えるきっかけとなれば幸いです」と見どころを語る。

戦後を生きた一人一人の姿や証言を通して、戦争が人に与える影響の大きさが改めて浮かび上がる。

「GIベビー」を保護した聖母愛児園の子どもたち 昭和20年代 『横浜都市発展記念館』蔵。
「GIベビー」を保護した聖母愛児園の子どもたち 昭和20年代 『横浜都市発展記念館』蔵。
横山清治氏が横浜の空襲被害を描いた「戦災画譜」 昭和20年(1945)『横浜都市発展記念館』蔵。
横山清治氏が横浜の空襲被害を描いた「戦災画譜」 昭和20年(1945)『横浜都市発展記念館』蔵。

関連記念講演会や関連展示も開催

関連記念講演会「当事者が語る『GIベビー』の記憶」

9月15日(月・祝)14時~15時30分、「GIベビー」として育った青木ロバァト氏を迎え、特別展担当者との対談形式での講演会「当事者が語る『GIベビー』の記憶」が『ヨコハマ情報文化センター』6階『情文ホール』で開催。定員先着200名、参加費1000円。申し込みは『横浜都市発展記念館』イベント申し込みページより。

関連展示「動画公開 当事者が語る戦争被害」

7月19日(土)~9月28日(日)、特別展に関する当事者の証言映像記録「動画公開 当事者が語る戦争被害」が『横浜都市発展記念館』1階ギャラリーにて開催。入場無料。

開催概要

特別展「戦後80年 戦争の記憶 戦中・戦後を生きた横浜の人びと」

開催期間:2025年7月19日(土)~9月28日(日)
開催時間:9:30~17:00(入館は~16:30)
休館日:月(祝の場合は開館、翌平日休)
会場:横浜都市発展記念館(神奈川県横浜市中区日本大通12)
アクセス:横浜高速鉄道みなとみらい線日本大通り駅すぐ、JR・地下鉄関内駅から徒歩10分
入場料:一般800円、市内65歳以上・小中学生400円
※毎週土曜は小・中学生、高校生無料。

【問い合わせ先】
横浜都市発展記念館☏045-663-2424
公式HP http://www.tohatsu.city.yokohama.jp/feature.html

 

取材・文=前田真紀 画像提供=横浜都市発展記念館