遊び心を感じさせる多様な作品が新鮮
『カスヤの森 現代美術館』では開館30周年を記念し、李禹煥氏の企画展が開催されている。長年にわたって国際的に高い評価を得ている李禹煥氏は、近年では『グッゲンハイム美術館』(2011年)やヴェルサイユ宮殿(2014年)、『ポンピドゥー・センター・メッス』(2019年)などで次々と個展を開催してきた。国内では2022年に『国立新美術館』と『兵庫県立美術館』で50年以上にわたる活動を包括的に振り返る回顧展が実施され、注目を集めるとともに改めてその評価を揺るぎないものとした。
美術館の担当者は、「現在世界的に注目され、活躍されている李禹煥氏の展覧会です。今回の企画展では、日本とフランスにアトリエを構え、国内外での大規模な展覧会の準備や作品制作に多忙な日々を過ごす束の間、展覧会のスケジュールから離れ自由なひと時を使い、思いつくままに制作された作品が中心です。本展のタイトル『合間の遊作』にあるように、普段の展覧会では見ることのできない遊び心を感じさせる多様な作品で構成されています」と、見どころを語ってくれた。
李禹煥氏の新たな一面をうかがい知ることができる機会となりそうだ。
企画展に合わせた常設展示室の新作立体作品にも注目
2009年に展示室を開設して以降、李禹煥氏の作品の常設展示を行っている『カスヤの森美術館』だが、企画展として個展を開催するのは今回が初。開催に合わせて常設展示室には新作立体作品も展示されるので、企画展と合わせて必見だ。
開催概要
「開館30周年 李禹煥 合間の遊作」
開催期間:2024年11月23日(土・祝)~2025年2月23日(日・祝)
開催時間:10:00~17:30(入館は閉館30分前まで)
休館日:月・火・水・12月23日(月)~1月3日(金)
会場:カスヤの森現代美術館(神奈川県横須賀市平作7-12-13)
アクセス:JR横須賀線衣笠駅から徒歩15分
入場料:一般800円、大学生・高校生・中学生600円・小学生400円
【問い合わせ先】
カスヤの森現代美術館☏ 046-852-3030
公式HP https://www.museum-haus-kasuya.com/
取材・文=前田真紀 画像提供=カスヤの森現代美術館