大正中期の名画「アマリリス」など、初公開を含む約180点を展示
明治17年(1884)に岡山県で生まれ、「夢二式」と称される叙情的な美人画によって人気を博した竹久夢二。グラフィックデザイナーの草分けとしても活躍し、本や雑誌の装丁、衣服や雑貨などのデザインを手がけ、少女たちの心を鷲づかみにしてきた。
今回は、長年行方不明だったものの、近年の調査により発見された大正中期の名画『アマリリス』を中心に、滞米中に描かれた貴重な油彩画『西海岸の裸婦』、そして夢二を看取った友人に遺したスケッチ帖や素描など、初公開資料を含む約180点の作品を紹介。彼の人となりに迫っていく。
今のカワイイ文化につながる夢二ワールドに浸ることができる機会となりそうだ。
夢二と時代の空気を共有した邸宅空間でその世界に浸る
本展の会場となる『東京都庭園美術館』本館は、昭和8年(1933)に朝香宮家の自邸として建設された。実際の生活空間に施された多彩な装飾も見どころだ。夢二と時代の空気を共有するその会場で、当時の「暮らしの中の美」をリアルに感じることができる。
思わずジャケ買いしたくなる! 話題のグッズも
キュートなデザインの図録は、単体と箱入り(レターブック付き)の2種類。カワイイ文化の生みの親ともいえる夢二の魅力を存分に表現しようと、こだわって制作された品だ。パッケージのみならず、内容も監修者の岡部昌幸氏(帝京大学名誉教授/群馬県立近代美術館特別館長)による総論をはじめ、学芸員の解説など読み応えもばっちり。箱は「桜草」、「若草」、「青い小径」、「猫」の4種類あり、選ぶのも楽しい。
また、夢二が描いたデザインを施したショコラなど、コラボレーションアイテムも見逃せない。
開催概要
「生誕140年 YUMEJI展 大正浪漫と新しい世界」
開催期間:2024年6月1日(土)~8月25日(日)
開催時間:10:00~18:00(入館は~17:30)
休館日:月・8月13日(火)
会場:東京都庭園美術館(本館+新館)(東京都港区白金台5-21-9)
アクセス:JR・私鉄・地下鉄目黒駅から徒歩7分、 地下鉄南北線・三田線白金台駅から徒歩6分
入場料:一般1400円、大学生(専修・各種専門学校含む)1120円、中・高校生・65歳以上700円
※小学生以下および都内在住・在学中学生は無料。
※障害者手帳をお持ちの人とその介護者2名は無料。
【問い合わせ先】
ハローダイヤル050-5541-8600
公式HP https://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/240601-0825_yumeji/
取材・文=前田真紀 画像提供=東京庭園美術館