魚と酒 まる孝

魚マスターの舵取りに身をゆだね、ほろ酔う

卵巣なども付くアンコウ刺し1080円、自家製鯨ベーコン1026円。地酒は常時約10種。

店主の石井孝児さんは、両親が寿司屋で幼少期から魚を見て育ったというのだから、魚への目利きは折り紙付き。「新鮮な魚、珍しい魚を味わってほしい。常連客はそれを期待し、メニューも見ずに『今日は何がある?』って聞いてくれます」。春はアンコウを刺し身で出す日もあれば、ワカメしゃぶしゃぶというレアメニューも。かつお出汁でしゃぶしゃぶして頬張れば鮮烈な海の香りが広がり、地酒が進んで仕方なし。すみません、「阿部勘熱燗」おかわりで!

「深海ザメなど珍しい魚が入る日も」と店主。
落ち着いた雰囲気。
ワカメしゃぶしゃぶ1620円はワカメがやわらかい春ならではの旬品。

『魚と酒 まる孝』店舗詳細

住所:東京都三鷹市下連雀3-23-17 石井コーポ1F/営業時間:17:30~ 23:00LO/定休日:日/アクセス:JR中央線三鷹駅から徒歩3分

ひねもす

ホームから見える燗酒のオアシス

お刺し身に続く純米酒リヨンには、「十旭日(じゅうじあさひ)」を加水してお燗に。1合972円。

「燗酒に合わせることだけを考えて」献立を考える店主・雨宮謙二さん。「料理に合わせて経験と好みで」銘柄と温度を探る明日香さん。ならば、二人にすべてを委ねようではないか。和食のみならず、タイのハーブ・バイマックル入り卵焼き、純米酒を使った南仏料理も登場。それぞれに、燗で甘酸っぱさが広がるうす濁りや、肉の脂をさらりと撫でる純米原酒が供される。作家ものや骨董の酒器も楽しみで、燗酒のごとく心身も、ふわっ。

燗番前は特等席。
おまかせ4品1980円の前菜、いちごの白和えとタイ風卵焼きには、五人娘「しぼったまんま」を。

『ひねもす』店舗詳細

住所:東京都武蔵野市中町1-21-10 奥野ビル1F/営業時間:18:00~ 23:00LO(土・日・祝は17:00~ 22:00LO)/定休日:不定/アクセス:JR中央線三鷹駅から徒歩2分

三鷹のやまちゃん 本店

店主の気合と人情味が渦巻く

目力みなぎるやまちゃん。

「なんやここ、怪しいな」と引かれ、八丁(三鷹駅北口にある袋小路の横丁。両パンダもここにある。)の『千鳥』に通っていた店主・山本研二さん。徳島の仕出し屋に生まれ、自衛隊の料理班、ジャマイカの日本料理店などを経て、その路地に着地した。「世界へ羽ばたくぞ」と“本店”を掲げ、72時間連続営業や流しそうめん大会など奇想天外なイベントを連打する一方、スダチ、地酒、家族の名をつけたメニューに故郷への愛を表現している。常連の年齢幅は広く「全席シルバーシートのときもあるよ」。

三鷹名物チキン南蛮550円、カズ子の味噌でカブを食べる!350円、ユズハイボール450円。
鶏肉ユッケ550円、おでん450円、山ハイボール600円。

『三鷹のやまちゃん 本店』店舗詳細

住所:東京都武蔵野市中町1-19-11/営業時間:17:00~翌1:30LO/定休日:不定/アクセス:JR中央線三鷹駅から徒歩5分

万歳パンダ+孫ぱんだDX

八丁に異なるキャラの“パンダ”2店

「〇〇さん、どうぞ」と、名前を覚えて呼ぶモモちゃん。料理は毎晩約20種揃う。(万歳パンダ)

「家庭料理を日本のワインで」と、華やかな笑顔のモモちゃんこと屋良弓枝さんが迎えてくれる『万歳パンダ』。割烹着にソムリエバッジを着けてテキパキと働く姿は界隈の看板で、ふわっと胸中を包み込む、しなやかな接客が魅惑的。斜め前に開店した『孫ぱんだDX』は、夜が更けるほど盛り上がる。店長・アッさんのニヒルな雰囲気が、狭小店内を弾ませたり、和ませたり。真逆のオーラを発するこの姉妹店、料理の相互出前もできるのだ。

肉じゃが600円は「旭洋酒」のクサカベンヌ、鰯の梅煮500円は「奥出雲葡萄園」のロゼ、サバトマト煮550円は「酒井ワイナリー」のバーダップワインと合わせて。グラス850円~。(万歳パンダ)
元スナックを改装した店内は着席もできる1階、座敷席の2階がある。(孫ぱんだDX)
日替わりの肴(この日はホタルイカ、お浸し、おでん)+好きなお酒の「孫にょんセット」1000円と、おまかせやきとり3本セット500円。(孫ぱんだDX)

『万歳パンダ』『孫ぱんだDX』店舗詳細

住所:東京都武蔵野市中町1-19-11/営業時間:17:00~23:00LO(フード)・23:30LO(ドリンク)/定休日:日・祝(2020年4月まで金・土のみ営業)/アクセス:JR中央線三鷹駅から徒歩5分
住所:東京都武蔵野市中町1-19-11/営業時間:17:00~翌0:30LO/定休日:無/アクセス:JR中央線三鷹駅から徒歩5分

婆娑羅

酒飲みの気持ちに寄り添い37年

「大澤さん(右)に学ぶことばかり」とスタッフの城戸尚子さん。

大きなコの字の中で、この道40年になる店主・大澤伸雄さんと若者スタッフが、個々の持ち場を淡々とこなす。その風景を眺めるともなしに、囲むお客が酒をちびちび。基本、放っておいてくれるので、静かに憩うには最適なのだ。肴はいたってシンプル。だが、手間隙をかけるのは大前提で、お通しの出汁、自家製ポン酢は飲み干せてしまう。「お客さんが店の雰囲気を醸してくれる」と、大澤さん。流れる音楽も渋い、ご当地大御所だ。

ぬか漬け450円、絶品しめさば700円、なみなみと注がれた芋焼酎オリジナルブレンドロック。
もつの味噌煮込み550円、芋焼酎オリジナルブレンドお湯割り500円。
縄暖簾が目印。

『婆娑羅』店舗詳細

住所:東京都武蔵野市中町1-3-1 桜井ビル1F/営業時間:17:00~ 22:30LO/定休日:日・祝/アクセス:JR中央線三鷹駅から徒歩2分

誠一郎本舗

凍らせるジョッキと安さが自慢

からあげ420円、焼きギョーザ320円、生ビール470円。

「ギョーザと唐揚げの店です」と明記した名刺。なぜ両方?の質問に、店主・井上修さんは、「この2つ、嫌いな人いないでしょ」。一見頑固そうな顔を緩ませた。唐揚げは、若鶏モモ肉の皮や脂肪を徹底的に掃除して、ふわっと柔らかい唐揚げに。仕上げにゴマ油を振る上品な餃子は、三鷹産キャベツを使うことも。開業時、吟味して選んだ生はモルツ。「脂をスッと切る感じが良かった」という。ジョッキは凍らせる派で、専用冷凍庫で出番待ち。

井上さんは、祭り好き。

『誠一郎本舗』店舗詳細

住所:東京都三鷹市下連雀4-6-15谷合マンション1F/営業時間:11:30~13:00ごろ・18:00~22:30LO(土日はランチ休)/定休日:月/アクセス:JR中央線三鷹駅から徒歩15分

焼鳥 山もと

味わい深〜いビールに寄り添う焼き鳥

ビールは志賀高原其の十780円。焼き鳥はコース(7本1380円)がおすすめ。

まるで寿司屋の握りのように、客の食べる呼吸を見ながら、一つひとつ焼き鳥が目の前に差し出される。熱々をいただくと、肉汁がこぼれんばかりに口に広がった。土佐の備長炭で焼き上げられた肉厚な大山鶏は、端正な旨味があり脂もおいしい。「焼き上がったらすぐに!食べてほしい」と店主の山本洪太さんは穏やかに笑った。合わせたいビールは、グビグビと喉越しを楽しむだけではなく、じっくりと味わって飲みたくなる銘柄が中心。志賀高原ビールや湘南ビールなど、焼き鳥の旨味と脂にしっかり寄り添う6タップを揃えている。

自慢の親子丼980円。
日本酒にも詳しい店主の山本さん。焼き鳥に合う自家熟成酒も多数。

『焼鳥 山もと』店舗詳細

住所:東京都武蔵野市中町1-19-8 B1/営業時間:18:00~ 23:00/定休日:木/アクセス:JR中央線三鷹駅から徒歩4分

構成=アクトデザインラボ 取材・文=佐藤さゆり、松井一恵(teamまめ)、鈴木健太、山内聖子 撮影=オカダタカオ、小野広幸、金井塚太郎、高野尚人、丸毛 透、本野克佳