【和食】

贅沢個室空間、楽しみ方はあなた次第『吉里 柏別邸』

スタッフの高橋さん。客席は、お一人様でも利用できる全個室で、テーブル席と掘りごたつ席がある。
スタッフの高橋さん。客席は、お一人様でも利用できる全個室で、テーブル席と掘りごたつ席がある。

長く営んでいた古い居酒屋を、全個室の料亭にリノベ。風情のある石畳のアプローチを進み、店内に足を踏み入れると、落ち着いた空間が広がる。ランチタイムは、さまざまな料理が愛らしく盛り込まれた弁当や、華やかな御膳、本格的なコース仕立ての「膳」がメインだが、アラカルトでも注文可能。たとえば串焼きや鰻を少量頼みながら、お酒をいただくのも小粋な楽しみ方だ。目にも美味な日本料理は、松花堂弁当1980円、「膳」コースは3300円~と、昼ならリーズナブル。「柏なんだから量もたっぷりでないと」と、料理は上品だが盛りのよさも◎。

松花堂御膳3080円。大きなカニがついており、見た目にも満足感が高い。お酒は地酒をどうぞ。
松花堂御膳3080円。大きなカニがついており、見た目にも満足感が高い。お酒は地酒をどうぞ。
細い間口から、細い石畳の道が続く。
細い間口から、細い石畳の道が続く。
スーツや和服でも座りやすい畳敷きのテーブル個室も人気。
スーツや和服でも座りやすい畳敷きのテーブル個室も人気。

『吉里 柏別邸』店舗詳細

住所:千葉県柏市中央町4-28/営業時間:11:30~21:30LO/定休日:不定/アクセス:JR常磐線・東武アーバンパークライン柏駅から徒歩4分

1、2人なら、店主との会話も楽しいカウンターへ『お料理 なかき』

昼のコースは、先付、お造、酢の物、留物、お食事、香の物、デザートと盛りだくさん。
昼のコースは、先付、お造、酢の物、留物、お食事、香の物、デザートと盛りだくさん。

店主の中山繁人さんは新潟・三条の割烹料理店を営む家に生まれ、銀座の京料理屋で修業した“和食エリート”。縁もゆかりもない柏に店を構えたが、街の人に温かく迎え入れられ、ほのぼのと落ち着く店をつくり上げた。昼は3000円のコース一本のみと潔く、先付から食後のデザートに至るまですべて手作り。食材やお酒は店主の故郷・新潟のものを多めにセレクト。ランチに含まれる新潟郷土料理のわっぱ飯や「鶴齢純米吟醸」など、美酒・美食を、昼からゆっくり召し上がれ。

カウンター越しの店主との会話もご馳走のうち。日の高いうちから贅沢なひとときを過ごしたい。
カウンター越しの店主との会話もご馳走のうち。日の高いうちから贅沢なひとときを過ごしたい。
繁華街の一角に暖簾(のれん)を下げて営業中。
繁華街の一角に暖簾(のれん)を下げて営業中。

『お料理 なかき』店舗詳細

住所:千葉県柏市東上町1-17 K2ビル1F/営業時間:12:00~14:30(水・木・土の予約のみ)・18:00~21:00最終入店21:30LO/定休日:日・第3月(不定あり)/アクセス:JR常磐線・東武アーバンパークライン柏駅から徒歩8分

【中華】

普通盛り500円に200円足すとこうなる『ぎょうざやさん』

チャーハンLL超大盛り700円。重さ1.8kg、米4.5合。
チャーハンLL超大盛り700円。重さ1.8kg、米4.5合。

餃子とチャーハンの持ち帰り専門店が送る、千葉県3大デカ盛りと名高い一品。子供の頃、飲食店をやっていた叔父から教わった味が原点だという。もはや既製の容器には入り切らず、2パックに分けてもフタが閉まり切らないのでラップで包んでなんとか収まっている。これだけギュウギュウなのに、家でパックを開くとパラパラの炒飯がふんわりほぐれるのが不思議だ。破壊的な量とは裏腹に、ほんのり優しい醤油の風味が広がる。

パックが壊れることもある、と注意書きが付くほどみっしり!
パックが壊れることもある、と注意書きが付くほどみっしり!
お店は黄色の看板が目印。
お店は黄色の看板が目印。
店主 川嶌秀元さん。「学生さんにもっと食べてほしくて」。
店主 川嶌秀元さん。「学生さんにもっと食べてほしくて」。

『ぎょうざやさん』店舗詳細

住所:千葉県柏市大塚町9-1/営業時間:11:00~18:30(売り切れ次第終了)/定休日:月/アクセス:JR常磐線・東武アーバンパークライン柏駅から徒歩20分

ハレの日に出かけたい中華の名店『老中国菜 知味斎』

手前から海老と黄ニラのスティック春巻き2本540円、季節野菜彩々天然塩炒め1700円、特別メニュー:仔羊背肉と四川唐辛子の香菜炒め。
手前から海老と黄ニラのスティック春巻き2本540円、季節野菜彩々天然塩炒め1700円、特別メニュー:仔羊背肉と四川唐辛子の香菜炒め。

先代から店を引き継ぎ、リニューアル。火柱を上げながら鍋を振るう厨房の様子を小窓から垣間見られ、ワクワク感が抑えられない。運ばれてきたのは柏の農家から仕入れるチンゲン菜など、季節野菜が満載の天然塩炒め。歯触りシャキシャキで、 奥深い野菜の香味が複雑に絡み合い、舌の上で広がっていく。上品な香りを放つ海老と黄ニラの春巻きや、四川唐辛子が味を引き立てるやわらかな仔羊背肉など、本格中華がめくるめく。

店主・木村さんは中華の達人。
店主・木村さんは中華の達人。
今の場所に移転して4年半、落ち着いた風情だ。
今の場所に移転して4年半、落ち着いた風情だ。
農家7名の下で栽培を習得したチンゲン菜専門農家の石山英樹さん。利根川水系の近くのハウスで通年栽培する。
農家7名の下で栽培を習得したチンゲン菜専門農家の石山英樹さん。利根川水系の近くのハウスで通年栽培する。

『老中国菜 知味斎』店舗詳細

住所:千葉県柏市柏3-9-20エクセラ・モン・ピエース1F/営業時間:11:30〜14:30・17:00〜21:00/定休日:水/アクセス:JR常磐線・東武アーバンパークライン柏駅から徒歩5分

路地裏に潜む中華バルでくつろぐ『ChineseBar&Restaurant 漸』

手前から、くうしんさいにんにく炒め(夏場のみ)880円、漸名物うに、いくら、きのこの土鍋ごはん1540円。中国酒カクテルのジャスミンモヒート660円。
手前から、くうしんさいにんにく炒め(夏場のみ)880円、漸名物うに、いくら、きのこの土鍋ごはん1540円。中国酒カクテルのジャスミンモヒート660円。

路地裏に隠れる店は、2017年5月に開店。店主の岡崎康則さんは「『知味斎』の総菜工房だった所なんです」と、中華の基礎を学んだ修業先に縁を感じたそう。畑仕事で会得した目利き力で、農産物直売所などで生きのいい野菜を見つけている。さっと油通しして、リズミカルに鍋であおる空芯菜は、小気味よい歯触りと旨味が酒のアテに抜群。また、イクラの紹興酒漬けをのせた土鍋ごはんやカクテルなど、中国酒の使い方も新鮮だ。

「手に入るときは柏産を使います」と、岡崎さん。空芯菜は最近じゃ、通年手に入るそうだ。
「手に入るときは柏産を使います」と、岡崎さん。空芯菜は最近じゃ、通年手に入るそうだ。
路地裏の隠れ家。お酒を飲みながらゆったり過ごせる空間だ。
路地裏の隠れ家。お酒を飲みながらゆったり過ごせる空間だ。

『ChineseBar&Restaurant 漸』店舗詳細

住所:千葉県柏市柏6-7-8オーキスビル1F/営業時間:11:30〜14:00・18:00〜23:00/定休日:火/アクセス:JR常磐線・東武アーバンパークライン柏駅から徒歩13分

【イタリアン】

余韻の長~い郷土料理とワインを『Trattoria Chicco』

ピエモンテコース5500円より、カボチャとチーズのグラタンティンバロ仕立て。
ピエモンテコース5500円より、カボチャとチーズのグラタンティンバロ仕立て。

扉を開くまで張っていた肩肘が、着席してメニューを読むうちに、ほどけていく。食材の宝庫、ピエモンテ州の1つ星レストランで活躍したシェフの渡邉秀和さんいわく、「普段も気軽に通って」。派手さはないが、上品で洗練された州の料理を披露している。素揚げしたカボチャとチーズ、トマトを重ねて焼く前菜は、秋の十八番。縦に切り頬張れば、ほくっ、とろっ~の後に、砕き散らしたアマレットが弾ける。じわっと記憶に残るお皿が続く。

牛ホホ肉の赤ワイン煮込み。赤ワインボトル6000円。
牛ホホ肉の赤ワイン煮込み。赤ワインボトル6000円。
トレネッテのキノコクリーム。
トレネッテのキノコクリーム。
渡邉シェフ(左)とスタッフの水野晋瑛さん。
渡邉シェフ(左)とスタッフの水野晋瑛さん。

『Trattoria Chicco』店舗詳細

住所:千葉県柏市柏3-3-18 AK BLD.VII 1F /営業時間:11:30~13:30LO・18:00~21:00LO/定休日:日・第2月/アクセス:JR常磐線・東武アーバンパークライン柏駅から徒歩5分

味わうほどに痛感するナポリへの心意気『Pizzeria Tintarella』

揚げピッツァティンタレッラ、ノーマル3520円、スモール2640円。
揚げピッツァティンタレッラ、ノーマル3520円、スモール2640円。

どんと薪窯を構えるピッツェリアは真のナポリピッツァ協会認定店。マルゲリータが評判だが、ラードで揚げたピッツァが珍しい。「ナポリはラードもよく使うんです」と店主の遠藤秀雄さん。中から燻製モッツァレラとリコッタチーズがとろけだし、直前に切ったパルマ産生ハムとルッコラが旨味を増幅。デカさにたじろぐが、生地は軽やかだ。柏野菜も使うタパス、現地で惚れたドルチェも揃え、腹がいくつあっても足りない!

遠藤夫妻。
遠藤夫妻。
タパス各880円、伊製ビール825円~。
タパス各880円、伊製ビール825円~。
ドルチェ3種盛り1500円。郷土菓子ババ、自家製ジェラートのピスタチオ(+100円)を選んで。
ドルチェ3種盛り1500円。郷土菓子ババ、自家製ジェラートのピスタチオ(+100円)を選んで。

『Pizzeria Tintarella』店舗詳細

住所:千葉県柏市柏6-8-40 小溝ビル1F/営業時間:平日は17:30~21:30LO、土は11:30~14:30LO・17:30~21:30LO、日は11:30~14:30LO・17:30~20:30LO/定休日:月/アクセス:JR常磐線・東武アーバンパークライン柏駅から徒歩9分

【フレンチ】

皿に凝縮された手仕事の結晶『BISTRO GAVROCHE』

豚ロースのローストタプナードソース添え1700円。
豚ロースのローストタプナードソース添え1700円。

「食材そのものより、いかに仕込みで工夫するかが面白くて。それでフレンチにハマったんです」と語るのは、店主の降田優(ふりたまさる)さん。白レバーを使い、優しい味わいに仕上げたパテ、マリネし、コンフィにした砂肝がプリッとするリヨネーズサラダなど、一つひとつの手間が半端ない。なかでも豚のローストは、香草とともに低温で焼き上げ、柔らか。オリーブとアンチョビの酸味の効いたソースと味わえば旨味が爆発。ボリュームにも圧倒される。

木造りの内装。
木造りの内装。
降田さん。
降田さん。
パテ・ド・カンパーニュ680円とリヨネーズサラダ1200円。自然派ワインはグラス680円~。
パテ・ド・カンパーニュ680円とリヨネーズサラダ1200円。自然派ワインはグラス680円~。

『BISTRO GAVROCHE』店舗詳細

住所:千葉県柏市明原3−1−20/営業時間:11:30~14:00・18:00~22:00/定休日:月/アクセス:JR常磐線・東武アーバンパークライン柏駅から徒歩8分

取材・文=木村悦子、佐藤さゆり(teamまめ)、松井一恵、高橋健太(teamまめ)、増山かおり 撮影=山出高士、井上洋平、高野尚人、井原淳一、オカダタカオ