駒形軒[本所吾妻橋]
総菜屋さんが作る、ねっとりホットなカレー味
「注文受けてから揚げるのは、親父の時からずっとだよ!」と、威勢よく話す土切正一さん。戦後すぐに開店して以来、看板商品はずっとカレーコロッケだ。ドライと生、2種のパン粉を使うソフトな衣を割ると、スパイシーな香りがふわっ。種は、タマネギとひき肉とカレー粉を炒め、蒸かしてミキサーにかけた男爵芋とよく練る。揚げたてほど甘みが立ち、優しい味だ。経木(きょうぎ)で包んでくれるのもうれしい。
『駒形軒』店舗詳細
ミサキベーカリー[北千住]
パクッサクッしっとり~で半世紀
北海道産男爵芋を使ったなめらかな種を、食パンのミミをひいたパン粉をつけて揚げる。揚がったら、やや辛いソースにドッポン。すぐ引き揚げ、たらりと滴った後、ポタッに変わった瞬間に挟む。このタイミングが味とサクッ感の決め手になる。「切ると味が変わる」と、切らずに挟めるよう生地を折って焼き上げるパンを採用。現在は3代目の三崎成之さんと奥様が営んでいる。
『ミサキベーカリー』店舗詳細
キングステーブル[浅草]
冷めた方がおいしいテイクアウト専門店
肉屋の息子として育った大澤保男さんは、肉が大好き。だから、コロッケにもごろごろ肉が入っている。こんがり揚げたらソースのプールにイン! パンに挟み、互いになじむまで寝かせるのが肝心だという。パンを鉄板で焼くことも重要。濃いめの味とあいまって、食いしん坊魂に火をつける。看板娘の美恵子さんは「冷めても、というか、冷めた方がおいしいの」。食べ切れなかった分も、翌朝になるとグッと味が締まり、これまたナイス。
『キングステーブル』店舗詳細
構成=フラップネクスト 取材・文=teamまめ(佐藤さゆり、信藤舞子、松井一恵) 撮影=井原淳一、オカダタカオ、加藤昌人 イラスト=霜田あゆ美