ドイツのシンプルデザインを感じるカフェ目黒『wellk』
目黒駅から恵比寿方向に向かって北上する目黒三田通り沿い。白い外観がパッと目を引くのが2019年にオープンした『Wellk(ウェルク)』だ。
店主の石原寛史(いしはらひろふみ)さんは、インテリアショップでの勤務経験を持つ。そのときドイツが生んだ機能的で削ぎ落とされたデザインに惹きつけられ、そのことが『wellk』に大きく影響している。
「フランスのアンティークでもあえて装飾を削ぎ落としたもの、ドイツのプレーンなデザインのものを店のインテリアに選んでいます。同じようにお菓子も料理も、盛りつけすぎず、必要な要素だけ入れています」と石原さん。
『wellk』店舗詳細
本も写真もコーヒーも楽しめるコミュニケーションギャラリー『ふげん社』
印刷会社「渡辺美術印刷」を母体とするコミュニケーションギャラリー『ふげん社』があるのは目黒通りに面した元は家具屋だった建物。1階をブックカフェ、2階には写真などを印刷できるラボ、3階がギャラリーという複合施設として改装して利用している。
1階のブックカフェには常時5000冊ほどの本が揃う。もちろん販売しているが、飲み物などを注文さえすれば、席に座って本を読むこともできる。
コーヒーは『ふげん社』の自慢のひとつ。かつて表参道にあった伝説の店「大坊珈琲店」の大坊勝次さんに指導された焙煎師が、埼玉の本社で手回しの焙煎機を使って焙煎している。抽出方法も、ネルドリップを使って、細く、細く湯を注ぐ大坊さん譲りのスタイルだ。
『ふげん社』店舗詳細
ボランティアが淹れるコーヒーを。『目黒区美術館 カフェ/ラウンジ』
「目黒区美術館」には休憩スペースを兼ねた場所がある。飲み物は1杯220円からというリーズナブルな価格設定。実はカフェ/ラウンジだけを利用することもできるちょっとした穴場だ。
『目黒区美術館カフェ/ラウンジ』が持つ、最大の特徴はボランティアが運営していること。美術館は地域から支えてもらうことも発足の意義で、ボランティア会員に生涯教育の機会と場を提供することも目的とされている。
営業時間は13時から16時と短く、運営はボランティアによるといった理由からメニューは少ないが、どのメニューも良心的な価格だ。
おすすめは、1杯270円で提供されるハンドドリップコーヒー。一杯一杯、丁寧に抽出される本格的な味だ。目黒区内の福祉施設『しいの実社』が作るクッキーをお供にいただきたい。
『目黒区美術館』カフェ/ラウンジ 店舗詳細
花のある隠れ家で食べるグリーンカレー。『Cachette de meguro』
“Cachette”とはフランス語で隠れ家を意味する。『Cachette de meguro』は人通りが多いとは言えない静かな場所にあり、隠れ家という名前がぴったりだ。新鮮な花を揃えた花屋がカフェを併設した店だ。
店主の佐々木愛(ささきあい)さんは、店舗のない花屋としてもともとイベントや企業向けの花を扱っていた。コロナ禍を機に「別な日だけでなく、日常的に、1輪でも身の回りに花がある生活を広めたい」とカフェを兼ねた店舗をオープン。
ランチメニューはグリーンカレーがおすすめ。辛さは控えめで、ココナッツミルクが入ってクリーミー。つぶつぶ食感が楽しい十六穀米とたっぷりのサラダも添えられて、ボリュームも十分だ。
『Cachette de meguro』店舗詳細
とっておきのコーヒーの小部屋 家具屋×カフェ『SUNAO COFFEE』
ビンテージ家具と照明器具を扱う『POINT№ 39』の奥にわずか2.5 坪の店。「狭くて入りにくいとよく言われます(笑)。家具の仕入れ先のアメリカには飲食店併設の家具屋が多くて、その活気や雰囲気がいいなと思っていたんです」と代表の杉村聡さん。カウンターに立つのはカフェ勤務経験のある妻・真理子さん。ディキシーランドジャズが流れるどこかノスタルジックな空間で、年代物の椅子に腰かけ、挽きたてのドリップコーヒーを。
『SUNAO COFFEE』店舗詳細
お手製マフィンにも幸せ感じる輸入洋品店×カフェ『my little happiness』
「好きなものに囲まれて、人が集まる場所をつくりたい」。大野実央さんの長年の夢がかなって生まれたこのカフェは、ご主人の洋服店『LITTLE HAPPINESS』の一角にある。コーヒー、紅茶にアルコールメニューもあり、お菓子は全て手作り。マフィンは周りが薄いタルト生地なのが独特で、果物がめいっぱい入っているのがうれしい。洋服選びに悩んだら一息、はたまた奥さんの付き添いの待ち時間に一杯、なんてときにもありがたい。
『my little happiness』店舗詳細
こんな洗濯屋さんほしかった! コインランドリー×カフェ『FREDDY LECK sein WASCHSALON TOKYO』
コインランドリーには退屈な待ち時間がつきもの。だが、2017年7月に開店したベルリン発、24時間コインランドリーはなんとカフェ併設。イタリア製のマシンで淹れるオリジナルブレンドのコーヒーは、店内にほのかに漂う洗剤の香りに負けずくっきり濃いめ。マフィンなどの軽食もあり、小腹も満たせる。PCを開く母親の横で子供が宿題をしていたり、ご近所さんが井戸端会議を開いていたりと、地域コミュニティーの場にもなっている。
『FREDDY LECK sein WASCHSALON TOKYO』店舗詳細
グリーンと花の芳香に癒やされ『Tokyo garden』
4年前のリニューアルで生まれたカフェには面白いエピソードがある。店主の直井辰弥さんは旅先の浜松で出合った家具に一目ぼれ。東京でも広めたいと熱望し、"家具通り" にあるこの店にショールームを併設。展示品の有効活用としてカフェスペースができた。「この近辺は意外と喫茶店がないので喜ばれています」。ハーブティーにモヒート、カレーなどグリーンがモリモリのメニューが花屋らしい。隣の『アントワーヌ・カレーム』のケーキも味わえる。
『Tokyo garden』店舗詳細
取材・文=下里康子、野崎さおり 撮影=鈴木奈保子、野崎さおり