ドイツのシンプルデザインを感じるカフェ目黒『wellk』

Set-A1650円。メインはラザニアの他、リヨン風サラダ、季節のポタージュ、野菜入り惣菜風ケーキのケークサレから選べる。プチパンとコーヒーかルイボスティーが付く。
Set-A1650円。メインはラザニアの他、リヨン風サラダ、季節のポタージュ、野菜入り惣菜風ケーキのケークサレから選べる。プチパンとコーヒーかルイボスティーが付く。

目黒駅から恵比寿方向に向かって北上する目黒三田通り沿い。白い外観がパッと目を引くのが2019年にオープンした『Wellk(ウェルク)』だ。

店主の石原寛史(いしはらひろふみ)さんは、インテリアショップでの勤務経験を持つ。そのときドイツが生んだ機能的で削ぎ落とされたデザインに惹きつけられ、そのことが『wellk』に大きく影響している。

「フランスのアンティークでもあえて装飾を削ぎ落としたもの、ドイツのプレーンなデザインのものを店のインテリアに選んでいます。同じようにお菓子も料理も、盛りつけすぎず、必要な要素だけ入れています」と石原さん。

『wellk』店舗詳細

住所:東京都目黒区三田2-5-11 吉田ビル2F/営業時間:11:30〜19:00LO(日は8:30〜15:00)/定休日:月・火/アクセス:JR・私鉄・地下鉄目黒駅から徒歩10分、JR恵比寿駅から徒歩10分

本も写真もコーヒーも楽しめるコミュニケーションギャラリー『ふげん社』

印刷会社「渡辺美術印刷」を母体とするコミュニケーションギャラリー『ふげん社』があるのは目黒通りに面した元は家具屋だった建物。1階をブックカフェ、2階には写真などを印刷できるラボ、3階がギャラリーという複合施設として改装して利用している。

1階のブックカフェには常時5000冊ほどの本が揃う。もちろん販売しているが、飲み物などを注文さえすれば、席に座って本を読むこともできる。

ふげん珈琲660円とナッツやドライフルーツが入ったアイスデザート、ヌガー・グラッセ770円。
ふげん珈琲660円とナッツやドライフルーツが入ったアイスデザート、ヌガー・グラッセ770円。

コーヒーは『ふげん社』の自慢のひとつ。かつて表参道にあった伝説の店「大坊珈琲店」の大坊勝次さんに指導された焙煎師が、埼玉の本社で手回しの焙煎機を使って焙煎している。抽出方法も、ネルドリップを使って、細く、細く湯を注ぐ大坊さん譲りのスタイルだ。

『ふげん社』店舗詳細

住所:東京都目黒区下目黒5-3-12/営業時間:12:00〜19:00(土・日は〜18:00)/定休日:月・祝/アクセス:JR・私鉄・地下鉄目黒駅から東急バス「元競馬場前」下車徒歩1分

ボランティアが淹れるコーヒーを。『目黒区美術館 カフェ/ラウンジ』

ハンドドリップコーヒーは270円、クッキーは各種1袋180円。クッキーセット(ドリンク付き)のホットコーヒーセットは400円。
ハンドドリップコーヒーは270円、クッキーは各種1袋180円。クッキーセット(ドリンク付き)のホットコーヒーセットは400円。

「目黒区美術館」には休憩スペースを兼ねた場所がある。飲み物は1杯220円からというリーズナブルな価格設定。実はカフェ/ラウンジだけを利用することもできるちょっとした穴場だ。

『目黒区美術館カフェ/ラウンジ』が持つ、最大の特徴はボランティアが運営していること。美術館は地域から支えてもらうことも発足の意義で、ボランティア会員に生涯教育の機会と場を提供することも目的とされている。

オリジナルワンドリップコーヒー2個セット216円は美術館入り口近くのミュージアムショップで販売中!
オリジナルワンドリップコーヒー2個セット216円は美術館入り口近くのミュージアムショップで販売中!

営業時間は13時から16時と短く、運営はボランティアによるといった理由からメニューは少ないが、どのメニューも良心的な価格だ。

おすすめは、1杯270円で提供されるハンドドリップコーヒー。一杯一杯、丁寧に抽出される本格的な味だ。目黒区内の福祉施設『しいの実社』が作るクッキーをお供にいただきたい。

『目黒区美術館』カフェ/ラウンジ 店舗詳細

住所:東京都目黒区目黒2丁目4−36/営業時間:13:00~16:00LO/定休日:月(祝・休日の場合はその翌日)、12月28日~1月4日、本館展示替期間/アクセス:JR・私鉄・地下鉄目黒駅から徒歩10分

花のある隠れ家で食べるグリーンカレー。『Cachette de meguro』

十六穀米グリーンカレーとサラダ、ドリンクがついたグリーンカレーセット1540円。
十六穀米グリーンカレーとサラダ、ドリンクがついたグリーンカレーセット1540円。

“Cachette”とはフランス語で隠れ家を意味する。『Cachette de meguro』は人通りが多いとは言えない静かな場所にあり、隠れ家という名前がぴったりだ。新鮮な花を揃えた花屋がカフェを併設した店だ。

店主の佐々木愛(ささきあい)さんは、店舗のない花屋としてもともとイベントや企業向けの花を扱っていた。コロナ禍を機に「別な日だけでなく、日常的に、1輪でも身の回りに花がある生活を広めたい」とカフェを兼ねた店舗をオープン。

商品の花は、注文に合わせたものをベースに厳選した新鮮なものが揃う。
商品の花は、注文に合わせたものをベースに厳選した新鮮なものが揃う。

ランチメニューはグリーンカレーがおすすめ。辛さは控えめで、ココナッツミルクが入ってクリーミー。つぶつぶ食感が楽しい十六穀米とたっぷりのサラダも添えられて、ボリュームも十分だ。

『Cachette de meguro』店舗詳細

とっておきのコーヒーの小部屋 家具屋×カフェ『SUNAO COFFEE』

ブレンド350円、アイスクリーム370円はご近所のイタリア料理店に頼んでいる特注品。
ブレンド350円、アイスクリーム370円はご近所のイタリア料理店に頼んでいる特注品。

ビンテージ家具と照明器具を扱う『POINT№ 39』の奥にわずか2.5 坪の店。「狭くて入りにくいとよく言われます(笑)。家具の仕入れ先のアメリカには飲食店併設の家具屋が多くて、その活気や雰囲気がいいなと思っていたんです」と代表の杉村聡さん。カウンターに立つのはカフェ勤務経験のある妻・真理子さん。ディキシーランドジャズが流れるどこかノスタルジックな空間で、年代物の椅子に腰かけ、挽きたてのドリップコーヒーを。

「仕事中にいつでもコーヒーが飲める」と笑う杉村聡さんと真理子さん。
「仕事中にいつでもコーヒーが飲める」と笑う杉村聡さんと真理子さん。

『SUNAO COFFEE』店舗詳細

住所:目黒区下目黒6-1-28/営業時間:11:00~17:00/定休日:水/アクセス:JR・私鉄・地下鉄目黒駅から東急バス「大岡山小学校前」行きなど8分の「目黒消防署」下車2分

お手製マフィンにも幸せ感じる輸入洋品店×カフェ『my little happiness』

白衣姿で店に立つ大野さん。洋服店との間仕切りは窓の高さにこだわったという。
白衣姿で店に立つ大野さん。洋服店との間仕切りは窓の高さにこだわったという。

「好きなものに囲まれて、人が集まる場所をつくりたい」。大野実央さんの長年の夢がかなって生まれたこのカフェは、ご主人の洋服店『LITTLE HAPPINESS』の一角にある。コーヒー、紅茶にアルコールメニューもあり、お菓子は全て手作り。マフィンは周りが薄いタルト生地なのが独特で、果物がめいっぱい入っているのがうれしい。洋服選びに悩んだら一息、はたまた奥さんの付き添いの待ち時間に一杯、なんてときにもありがたい。

ハンドドリップコーヒー500円、果物の旬ごとに常時3種類あるタルトマフィン1個400円~。
ハンドドリップコーヒー500円、果物の旬ごとに常時3種類あるタルトマフィン1個400円~。

『my little happiness』店舗詳細

住所:品川区上大崎4-4-9 グリーンパーム目黒1F/営業時間:12:00 ~18:00(ブティックは11:00~ 20:00)/定休日:不定休/アクセス:JR・私鉄・地下鉄目黒駅から徒歩3分

こんな洗濯屋さんほしかった! コインランドリー×カフェ『FREDDY LECK sein WASCHSALON TOKYO』

シャンデリアが下がるしゃれた店内。カウンターとテーブルで座席は約20 席。
シャンデリアが下がるしゃれた店内。カウンターとテーブルで座席は約20 席。

コインランドリーには退屈な待ち時間がつきもの。だが、2017年7月に開店したベルリン発、24時間コインランドリーはなんとカフェ併設。イタリア製のマシンで淹れるオリジナルブレンドのコーヒーは、店内にほのかに漂う洗剤の香りに負けずくっきり濃いめ。マフィンなどの軽食もあり、小腹も満たせる。PCを開く母親の横で子供が宿題をしていたり、ご近所さんが井戸端会議を開いていたりと、地域コミュニティーの場にもなっている。

マフィンなどの軽食が嬉しい。FREE Wi-Fi も便利。
マフィンなどの軽食が嬉しい。FREE Wi-Fi も便利。
アイスカフェラテ350円、シナモンロールクッキー280円。青いシールにはドイツ語で「洗濯中に幸福がありますように」の言葉が。
アイスカフェラテ350円、シナモンロールクッキー280円。青いシールにはドイツ語で「洗濯中に幸福がありますように」の言葉が。

『FREDDY LECK sein WASCHSALON TOKYO』店舗詳細

住所:目黒区中央町1-3-13/営業時間:カウンターサービス(カフェ)9:00~21:00/定休日:無/アクセス:JR・私鉄・地下鉄目黒駅から東急バス「大岡山小学校前」行きなど9分の「清水」下車すぐ

グリーンと花の芳香に癒やされ『Tokyo garden』

グリーンそぼろカレー1000円、フレッシュハーブティー700円。
グリーンそぼろカレー1000円、フレッシュハーブティー700円。

4年前のリニューアルで生まれたカフェには面白いエピソードがある。店主の直井辰弥さんは旅先の浜松で出合った家具に一目ぼれ。東京でも広めたいと熱望し、"家具通り" にあるこの店にショールームを併設。展示品の有効活用としてカフェスペースができた。「この近辺は意外と喫茶店がないので喜ばれています」。ハーブティーにモヒート、カレーなどグリーンがモリモリのメニューが花屋らしい。隣の『アントワーヌ・カレーム』のケーキも味わえる。

天井の高い店内にはキッチンが小部屋のように配される。
天井の高い店内にはキッチンが小部屋のように配される。
カフェスペースには直井さんが心引かれた「hirofurniture」の大きなテーブルが2つ。
カフェスペースには直井さんが心引かれた「hirofurniture」の大きなテーブルが2つ。

『Tokyo garden』店舗詳細

住所:目黒区下目黒6-1-27/営業時間:10:00~19:00/定休日:水/アクセス:JR・私鉄・地下鉄目黒駅から東急バス「大岡山小学校前」行きなど8分の「目黒消防署」下車2分

取材・文=下里康子、野崎さおり 撮影=鈴木奈保子、野崎さおり