西荻燈
手打ちの平打ちちぢれ麺と透きとおったスープがたまらない「西荻ラーメン」
地下スナック街の一角に、ひっそりと営業する『西荻燈』。『ミシュランガイド東京2020』でビブグルマンを獲得した。水分量が多いため機械では作れないという手打ちの平打ちちぢれ麺がとても評判だ。仕上がりが気に入らなければ休業するというこだわりのスープは、鶏ガラと豚骨を大量に使い、5時間かけて仕込む。丁寧な作業で作ったスープは、透き通っていてとてもきれいだ。
一口味わってみると、ふわっと酸味のある鶏ガラの香りを感じる。見た目と同様、雑味がなく、透き通ったきれいな味だ。そして楽しみにしていた手打ち麺は、平打ちで舌触りが独特。弾力も十分の縮れた麺にスープがよく絡んで、食べること自体が本当に楽しい。小麦粉の香りも心地良い。燻製した味わい深いチャーシューや、メンマ、ほうれん草、ネギと、シンプルな具材が麺を引き立てていた。
ベースは白河ラーメンだったが、西荻で手に入るもので作り方と味は変化を続けてきたため、もはや白河ラーメンではない。店名にも入れてしまうほど、「西荻」への愛が深い店主いわく、「西荻ラーメン」だという。毎日売り切れ必至の人気店。ぜひ足を運びたい。
『西荻燈』店舗詳細
中華そば はつね
和食の細やかさが光る極上タンメン。丁寧に仕上げた味を楽しみたい
西荻窪駅からすぐ、飲み屋街の入り口にあるカウンター5席の小さな老舗。昭和36年(1961)の創業以来、変わらずに提供しているタンメンが絶品と名高い。
もともとは和食の料理人だった2代目の店主の手で、丁寧に作り上げる味が自慢だ。はっとさせられたのは、タンメンのキャベツの切り方。芯を取り、外側の青い部分は細く、内側で少し青い部分はちょっと太く、内側はもう少し太く……。数枚ずつ、丁寧に切り、混ぜてばらつきをなくす。そのほうがおいしいから、という店主。手間も時間もかかる作業だが、食感の違いが楽しめて無駄も減る。和食の料理人らしい心遣いだ。
初代よりも野菜のボリュームがアップしたというタンメンは、キャベツの外葉の緑の彩りが美しい、上品な仕上がりだ。少し脂の浮いた透明なスープは、じんわりと旨味が広がるやさしい塩味で、野菜の甘みが感じられる。
体にすうっと染み透るよう。中太のストレート麺と野菜を一緒にいただく。丁寧に刻んだ野菜はさまざまな食感があり、つるつるした麺との相性がいい。さらりとしたスープが野菜とうまく絡み、スープ、麺、野菜のバランスも絶妙だった。心も体もあたたまり、なんだかほっこり。とても幸せな満腹感が得られた。
『中華そば はつね』店舗詳細
麺尊RAGE(めんそん れいじ)
軍鶏出汁の旨味が押し寄せる!
ラーメン屋に見えないオシャレな造りで、女性一人での来店も多いというこの店。2015年2月に開店してすぐに人気店の仲間入りを果たした。穂先メンマや低温調理した鶏チャーシュー、特製ダレに漬け込んだバラ肉チャーシューが評判で、軍鶏ガラや東京しゃもの丸鶏、金華ハムなどでだしを取った清湯スープの軍鶏そばが人気だ。数種の生醤油をブレンドしたかえしを使ったスープは、軍鶏の旨味や醤油の香りを堪能できる。
『麺尊RAGE』店舗詳細
支那そば いしはら
このワンタンを食べたらもう虜!
ワンタンメンミックスは、肉がたっぷりと入った肉ワンタンと、エビのすり身が入ったエビワンタンの2種類が食べられる。スープは動物系と魚介系を合わせたWスープで、豊かな香りや深い味わいを感じる。一品料理も豊富で、夜にはアルコールを楽しみながら過ごす人も多いという。店主はワンタンメンで有名な、浜田山『たんたん亭』の創業者。当時、ワンタンに餡が少ないことが嫌で、たっぷり餡のワンタンを作ったのだという。
『支那そば いしはら』店舗詳細
取材・文=ミヤウチマサコ、速志 淳 撮影=ミヤウチマサコ、金井塚太郎