鳥ひで
新橋の老舗焼き鳥店の系譜を継ぐ
新橋を代表する名店『鶏繁 総本店』出身の店主が腕を振るう。鶏繁と同様、基本は焼き鳥10本のコースを提供。お客さんの食べるペースや好みに合わせて、焼きたてを一本づつ皿に置くスタイルだ。熱々を頬張るとジューシーで濃厚な鶏の旨味がほとばしる。鶏は板橋仲宿で100年以上の歴史を持つ老舗『鳥新』から仕入れている。さらに店主の安達英一郎さんは無類の競馬好き。店内を競馬グッズが埋め尽くす、競馬ファンも集う店。
『鳥ひで』店舗詳細
とり市
街のざわめきがBGM。屋台のような風情溢れる焼き鳥店
線路沿いにあるわずか2.8坪の焼き鳥店。1階はカウンター5席で、開け放った扉から電車の音と街を行き交う人の声が聞こえてくる。オープンは平成元年(1989)。店主の矢吹昌一さんが一人で切り盛りしている。鶏は宮崎県産の日向鶏を使用。選んだ理由は脂が少なくヘルシーだったから。それでいて身が引き締まっていておいしい。「店と一緒に、お客さんも歳をとりました」と矢吹さん。中まで味が染みた焼きおにぎり300円や、鶏スープ350円もおすすめ。
『とり市』店舗詳細
二代目 居呂利
囲炉裏を囲んでほっこりくつろぐ
古民家風の建築は初代店主の趣味。アルバイト店員だった二代目店主の高橋さんが、この雰囲気を残したいと、そのまま引き継いだ。のんびりとした民謡が流れる空間はどこか郷愁を誘うよう。田舎家を思わせる古木の梁に、高い天井、テーブルには鉄瓶を吊るした囲炉裏のオブジェもある。焼き鳥も、先代からの手法を受け継ぎ、皮を残したモモ肉を大きめにカットして焼き上げている。食べ応えのある一本だ。タレも先代から継ぎ足しのタレを使っている。
『二代目 居呂利』店舗詳細
日本酒と備長炭串焼き ひらく
しっとりと焼き鳥と日本酒を楽しみたい時に
唎酒師の資格を持つ店主の黒田英徳さんが、好みや料理にあった日本酒を選んでくれる。焼き鳥の鶏も、部位ごとに違う銘柄鶏を使うというこだわりよう。中でも黒田さんの一押しは千葉産の錦爽鶏(きんそうどり)。「ササミも、中までじっくり火を通しても硬くならないんです。モモもジューシーで美味しいですよ」と黒田さん。鮮度抜群の白レバーの炙り焼き748円もぜひ。繁華街にありながら、しっとりと落ち着いた雰囲気があるのも嬉しい。
『日本酒と備長炭串焼き ひらく』店舗詳細
取材・文・撮影=新井鏡子