滋味深い旬の味覚と純米酒『サケフク』【市川】
県外からも燗酒好きが吸い寄せられる、カウンターだけの酒場。「自然派が絶対ではないけれど、お酒も食材も身体がおいしいと思えるものを選ぶとそうなる」と店主の高橋慎一さん。米にこだわる蔵の純米酒は、燗にすると旨味がしみじみ染み渡る。料理には信頼する農家や猟師から仕入れた食材を使用。常時12〜13品と潔く、何を頼んでも間違いない。季節が育む食材と米の酒。杯が進まないわけがない。
店主・高橋慎一さんが愛する一本
日置桜 醸は農なり【鳥取】
農を第一に考える「日置桜」の精神を表す、「身体に入ってくる酒」。単一農家が作る酒米・強力の、力強い旨味を感じる。ラベルには酒米の生産者の名前も。
『サケフク』店舗詳細
熟成酒×燻製の出合い『日本酒と小鉢 はやし』【本八幡】
「熟成酒を飲んでみたい方、大歓迎です」と店主の林卓史さん。30年勤めた銀行を卒業し、大好きだった日本酒のお店を開いた。熱めに燗つけした熟成酒に合わせるのは、ウイスキーオークと桜のチップで仕上げた燻製つまみ。燻製たまごはほぼレアで、とろける食感が熟成酒の香りと絡み合う。一人客も気軽に来られるようにと、料理はすべて小鉢サイズなのもうれしい。ペアリングしてくれるので、熟成酒の扉が開くはず。
店主・林卓史さんが愛する一本
十旭日 生酛純米原酒【島根】
「個性的なお酒が好き」という店主の偏愛の的は熟成酒。9年熟成の「十旭日」はキャラメルのようにまろやかで、燻製のアテと合わせればどこまでも風味が伸びる。
『日本酒と小鉢 はやし』店舗詳細
フレンチの手法を散りばめた和食に燗!『蕎(きょう ) michi』【京成八幡】
元フレンチ料理人の店主・大關(おおぜき)花世さんはもともとワイン畑の人。「日本酒は食材を選ばないし、燗にするとさらに料理に合うと思って」と魅力に開眼した。焼きナスと煮穴子をテリーヌ風に、鮮魚の煮付けをアクアパッツァに変身させるなど、和洋が入り混じる料理は出汁と素材の旨味を生かした優しい味わい。いちおし銘柄の「花垣」の酒質とも、笑顔が絶えない大關さんの雰囲気ともぴったり合う。
店主・大關花世さんが愛する一本
花垣 生酛純米【福井】
蔵に訪れるほど推す「花垣」は「お酒も造り手も優しいんです」と大關さん。生酛純米は果実のような香りと味わいの骨格の両方があるバランス型。50℃弱のぬる燗で!
『蕎 michi』店舗詳細
取材・文=井上麻子 撮影=オカダタカオ
『散歩の達人』2026年1月号より






