東京穆斯林飯店

日本ではまだまだ希少なハラール料理を味わえる

肉付羊骨のマーラ鍋1980円。骨から極上のエキスがスープに滲み出ている。締めは麺734円で。
肉付羊骨のマーラ鍋1980円。骨から極上のエキスがスープに滲み出ている。締めは麺734円で。

アルコールや豚肉など、イスラム教の教義で禁止されている食材を除いたハラール料理を提供するレストラン。オーナーがカイ族(漢民族のイスラム教徒)で、ハラール中華料理をベースに、ラム肉を用いたメニューが豊富。サイコロ状にカットしたラム肉を炊き込んだ釜めしなどオリジナルメニューもある。羊肉やハラールは初めてという人でも、気軽に味わえるメニューがそろっている。

店内にはメッカの方角を向いた礼拝スペースもある。
店内にはメッカの方角を向いた礼拝スペースもある。
ラム肉串162円、ラム肉入り釜めし1058円。
ラム肉串162円、ラム肉入り釜めし1058円。

『東京穆斯林飯店』店舗詳細

住所:東京都墨田区江東橋2-18-6/営業時間:11:00~23:00/定休日:無/アクセス:JR総武線・地下鉄半蔵門線錦糸町駅から徒歩3分

イタリア料理 フィオッキ

長い歴史に育まれた郷土料理のスペシャリテ

付け合わせはジャガイモの灰埋めロースト。ケシの実を加えた自家製バターで。
付け合わせはジャガイモの灰埋めロースト。ケシの実を加えた自家製バターで。

ふんわり盛られた藁(わら)の間から、こんがり焼けた肉の塊が見える。これが、仔羊を藁と干したハーブで包みじっくり焼き上げた、この店の名物だ。味付けは羊の骨からとった出汁であるフォンドアニョーと塩のみ。「修業先で覚えた北イタリアの郷土料理です」とシェフの堀川亮さん。一口噛めば、その滋味深い味わいに脱帽する。ディナーコース9900円で提供。ランチコース5500円〜(要予約)。

紙包みを開けると、食欲を誘う香ばしい香りと野原を思わせる藁の匂い。
紙包みを開けると、食欲を誘う香ばしい香りと野原を思わせる藁の匂い。
家庭以上、レストラン未満がコンセプト。
家庭以上、レストラン未満がコンセプト。

『イタリア料理 フィオッキ』店舗詳細

住所:東京都世田谷区祖師谷3-4-9/営業時間:12:00~15:30LO、18:00もしくは19:00~23:00LO/定休日:水/アクセス:小田急線祖師ヶ谷大蔵駅から徒歩4分

シルクロードタリム

1人前1本!? 世界最古の麺で羊を食す

タリムラグメン(大)1320円。麺1本の長さは人間の腸ほど!
タリムラグメン(大)1320円。麺1本の長さは人間の腸ほど!

「ウイグル人はもともと、羊とともに生きた遊牧民族なんです」と話すのは、新疆ウイグル地区出身の店主、スラジディン・ケリムさん。世界最古の手打ち麺といわれるラグメンは、万人が愛する国民食だ。小麦の生地を、長〜く1本に伸ばしてさっと茹でた麺は、ツルシコで喉越し抜群。トマトベースにウイグルから仕入れたスパイス3、4種で調味した、野菜とラム肉の炒め物をかければ、決して辛くない、まろやかな味わいにうっとりする。

羊の舌サラダのコイティリハミセイ(中)880円。コリコリの食感が美味。
羊の舌サラダのコイティリハミセイ(中)880円。コリコリの食感が美味。
店主のスラジディン・ケリムさん(右)親子。
店主のスラジディン・ケリムさん(右)親子。

『シルクロードタリム』店舗詳細

住所:東京都新宿区西新宿3丁目15-8-103/営業時間:17:00~24:00(土・日・祝は12:00~15:00、17:00~24:00)/定休日:月(祝は営業)/アクセス:京王新線初台駅から徒歩5分

パオ キャラヴァン・サライ

味付けは塩だけなのに奥深い味

「カラヒィ」とは丸底形の鉄鍋のこと。2、3人分で3600円。ナン1枚350円はモッチモチ。
「カラヒィ」とは丸底形の鉄鍋のこと。2、3人分で3600円。ナン1枚350円はモッチモチ。

アフガン絨毯(じゅうたん)が敷き詰められたエキゾチックな空間で、アフガニスタン・パキスタンの遊牧民料理を堪能。中でも人気なのが、パシュトゥン族の間で食べられているカラヒィだ。ヨーグルトに漬け込んだブツ切りの骨付きラム肉を、トマトとシシトウと一緒に強火で一気に炒め蒸す。凝縮された肉の旨味と、トマトのほどよい酸味が合わさって、塩のみの味付けとは思えないほどの味わい深さ。全粒粉配合の香ばしく焼き上げたナンとともに。

天井中央に見えるのは、遊牧民の伝統的な移動式住居・パオの屋根。
天井中央に見えるのは、遊牧民の伝統的な移動式住居・パオの屋根。
併設された屋台の雰囲気も◎。
併設された屋台の雰囲気も◎。

『パオ キャラヴァン・サライ』店舗詳細

住所:東京都中野区東中野2-25-6/営業時間:17:00~24:00 (日祝12:00~22:00)/定休日:火/アクセス:JR中央線東中野駅から徒歩2分、地下鉄大江戸線東中野駅から徒歩1分

構成=フラップネクスト 取材・文=稲葉美映子、今田壮(風来堂)、本田直子 撮影=井原淳一、本野克佳