北斎茶房
店の真面目さが結実した一品
カウンターの向こうで白玉をくるくると丸める姿が見え、気持ちが高まる。これはもう、白玉ぱふぇを頼まずにはいられない。つまり、ムチっとした食感とみずみずしさ。そこに粒あんのしっかりした甘さが絡み、口の中できれいにまとまるのがいい。一般的なコーンフレークではなく、最中種を手で割って入れているので、その香ばしさも嗅覚をくすぐる。「あんこひとつ取っても原材料に丹波大納言を選んだり。味はもちろん、皮の残し方、粘り具合など日々研究です」とスタッフさん。すべては食べる人(=私たち)の幸せのため!
『北斎茶房』店舗詳細
ニット
優しい味わいに長年のファン多し
「お持ちするのに25分ほどかかります」と言われ、大丈夫です! 名物のホットケーキ、焦らされるのも醍醐味なのだ。弱火でじっくり、銅板で焼き上げたキメの細かい色白肌。極厚でボリューミーだが、表面はサクッ、内側はふわっと口どけがよく、ほのかな甘みも手伝って手が止まらない。満腹感にうっとりし、ママの小澤民枝さんと交わすおしゃべりも楽しい。「50年くらい前に父が喫茶店を始めるまでは、メリヤス工場を経営していたの。だから『ニット』」。ふぅ~、なんだか心まで温まる。
『ニット』店舗詳細
甘味処 白樺
重んじたのは素材の“らしさ”
お汁粉をすすると、ほどよく粒の形を保った小豆が、素朴で澄んだ甘みを運んできてくれる。「ザラメを加えて強火でパッと炊くと、キレのいい甘みに仕上がるんです」と3代目の根本幸治さん。もち米は、ふくよかな味わいと粘りが特長の宮城県産みやこがねを使う。焼き目がパリッとし、かじり付くとじわじわ五感が反応するのだ。このハッピーを家でも楽しみたい人は、自分へおみやげを! 招き猫の寝姿がかわいいたらふくもなかは、白小豆を使った珍しい一品。黒糖が効いた錦どら、あんこが主役のしらかばなど、人気のどらやきは予約も可能だ。
『甘味処 白樺』店舗詳細
構成=株式会社エスティフ 取材・文=信藤舞子 撮影=オカダタカオ