KAIDO books&coffee
各地の多様さと奥深さに感嘆
「観光地より、生活の土台となったものに興味が湧くんですよね」と語るのは、店主の佐藤亮太さん。旅の起点となった品川宿らしい店をと、地元古書店『街道文庫』と提携し、各地の文化や歴史を伝える本を多角的に揃え、全品販売する。圧巻なのは2階。木製書棚が林立し、さながら本の森に迷い込んだ気分。ここで日がな一日、過ごす人もいるという。また、コーヒーも旅のきっかけにすべく、日本各地のロースターから焙煎豆を取り寄せる。次なるお供は、品川海苔の復活を目論んでおられるとか。木・金・土曜日の18:00~23:00には別業態で「古本喫茶イココチ」をオープンしている。
『KAIDO books&coffee』店舗詳細
BOOK CAFE DINER イココチ
数奇な出合いで生まれた心地よさ
「自宅にある本を店に持ってきて置いたのが始まりです。当初は売るつもりはなかったんですが」と店主の蔵下さんは話す。店内には壁際の本棚を中心に、絵本や小説、デザイン、建築、料理など、幅広いジャンルが揃う。席から手が届く距離にある小さな棚にも、まんべんなく本が詰まっている。このごろはラインナップを見て、お客さんが本を持ってきてくれることもあるとか。地域の憩いの場で、本が巡っていく。
『BOOK CAFE DINER イココチ』店舗詳細
※2020年GW明けからは~18:00/定休日:不定/アクセス:地下鉄丸ノ内線東高円寺駅から徒歩1分
古本カフェ&ギャラリー 点滴堂
乙女心を呼び醒ます古本屋空間
まるで夢の世界だ。書棚では、絵や装丁の美しい本や幻想文学が新たな持ち主を待ち、女性客どころか男性客をも虜にする。「お客さんが棚を作っていったんですよ」と柔和に微笑むのは店主の稲村光男さんだ。手元に置きたい一冊を見つけるためにと、カフェスペースを設け、お茶を喫しながら書棚を見渡す。様々なテーマを設け、約10人の作家が参加する企画展なども常時開催。「心に点滴を受けました」と伝える客人もいるそう。
『古本カフェ&ギャラリー 点滴堂』店舗詳細
構成=フラップネクスト 取材・文=佐藤さゆり(teamまめ) 撮影=鈴木愛子
『散歩の達人』2016年11月号より