【上野・稲荷町】
ネギ油香る弾力たっぷりの特注麺の拌麺(ばんめん)が旨い『麺食堂 一真亭』
下谷神社の真裏という、ちょっと穴場感がある立地。一番人気の醤油ばんめん750円は、麺に濃いめのタレを絡めて食べる中国の大衆食をアレンジしたもの。醤油ベースの濃いめのタレ、ネギ油、そして酢が入った丼は、混ぜることで麺がツヤツヤと輝き出す。麺を食べるとパンチのあるネギ油の風味を感じ、油をまとった低加水の麺は、跳ね返るようなもちっとした弾力で表面はつるりとなめらか。提供直前に炙る豚バラ肉のチャーシューもいいアクセント。レモンを搾れば、フレッシュな風味が加わって食べやすさがアップする。
『麺食堂 一真亭』店舗詳細
【御徒町】
鴨の旨味満載でネギがいいアクセントになる『鴨to葱』の無化調ラーメン
開店前から行列ができる人気店。鴨コンフィ麺1260円は、合鴨のコンフィが麺を覆うほどたっぷりとのっている。スープは鴨とネギ、水のみで作っていて、鴨とネギの旨みと芳醇な香りが広がる。見た目にもきれいな鴨のコンフィは食べごたえがあり、ジワッと鴨の脂が口の中に広がる。特徴的なトッピングは今月の葱。月替わりで産地や食感、味わいの異なるネギを3種の中から2種選べる。食べ進めていくとスッキリとしてさらに上品な味に変化していく。鴨つけそば1050円もおすすめ。
『鴨to葱』店舗詳細
『福徳』は、昔ながらの醬油風味のラーメンとヘルシー餃子が旨い
炒飯や各種定食など、数あるメニューの中でも一番こだわっているのは、下町醬油ラーメン850円。スープをひと口飲んでみると、煮干しの風味が真っ先に広がり、後からトッピングのユズの爽やかさが追いかけてくる。スープ、麺、豚バラ肉のチャーシューといったトッピングのまとまりもよい。大根おろしで食べる餃子(5個)480円は、豚挽き肉、キャベツやニラなどで案を作る。野菜を多めに入っているので軽い味わいだ。ラー油や酢、マスタードなどで好みの味に仕上げよう。
『福徳』店舗詳細
鶏の旨さを堪能できる『鶏そば かぐら屋 上野御徒町店』。清湯、白湯、トマト風味がそろう
アメ横の外れ、飲食店が立ち並ぶ路地にある。スープは、大山(だいせん)鶏の丸鶏と鶏ガラ、さらに野菜や昆布などをじっくりと煮込んだ清湯がベース。清湯を使う「あっさり鶏そば」900円は、透明感のある黄金色のスープで鶏の旨味も十分に引き出されて香りもよい。鶏チャーシューのもっちり感、薄味に煮たメンマ、水菜のシャキシャキ感、ユズの香り、九条ネギの風味などが一体となって上品な1杯だ。清湯に手を加えて濃熟白湯にした濃熟鶏そば950円や、完熟トマト、生クリ-ムとチーズを入れた完熟トマトの塩鶏そば1050円も好評。
『鶏そば かぐら屋 上野御徒町店』店舗詳細
『ラーメン 熊ぼっこ』で、どこか懐かしさを感じる味噌ラーメンを堪能。
春日通りと清洲橋通りの交差点近くにある昭和レトロの佇まいが目を引く。看板料理でもある味噌ラーメン800円は、濃厚でコクがありながらやさしさも感じられるスープが絶品。スープと合わせる麺はやや縮れのある中太麺でツルツルとしてモッチリとした食感だ。スープの旨みが絡んだシャッキリとした野菜やコーンなど、今ではなかなか食べられない、これぞ王道の味噌ラーメンという風格さえ感じさせる。韓国産のトウガラシやハバネロなどを使った辛味噌ラーメン850円や、チャーシューの煮汁と多めに入れた酢がアクセントのつけ麺780円もおすすめ。
『ラーメン 熊ぼっこ』店舗詳細
取材・文・撮影=速志 淳、千葉香苗、塙 広明、ミヤウチマサコ 構成=アド・グリーン