手打ち蕎麦 心蕎人さくら

そばとの相性抜群の和風マーボー

店主の土屋貴広さんのテンポよい仕事で美しいそばが打ちあがる。

店内にガラス張りの打ち場。ここで3代目の主人が営業開始直前にそばを打つ。北海道をはじめとした各地のソバの実から季節などによって状態の良いものを仕入れ、甘皮ごと石臼で挽いて細めに切る。サッと茹でられたそばは新鮮そのもの。二八のせいろは、しなやかで素晴らしい喉越し。一方、休日10食限定の田舎蕎麦は野趣に富んでさらに香ばしい。濃厚なそば湯はそのままでもイケるので最後まで楽しめる。しっかりうまいそばがあるから、様々にある変わりそばもうまい。材料と仕事の確かな一品料理と各地の地酒が豊富なのも、そば屋飲みにはたまらないのだ。

和モダンのおしゃれな店内。
明石産子持ちイイダコと大根の桜煮1200円、花わさびのおひたし580円、福井は淡麗辛口の常山1合820円。
冷やしナスのそぼろあんかけ1050円はつゆをかけて。

『手打ち蕎麦 心蕎人さくら』店舗詳細

住所:東京都府中市天神町4-30-17/営業時間:11:30~14:30LO・17:30~20:30LO(売り切れ次第終了)/定休日:月(祝の場合は翌)/アクセス:京王線東府中駅から徒歩30分

吟醸そば たか志

透明感のある繊細なひと筋

食べ比べができる大吟醸(手前)ともりそば1390円。

“吟醸”とは、白米を削る割合で吟醸酒や大吟醸酒が造られるように、ソバの実の中心部分を使ったそばのこと。主人の熊谷さんが挽き方やふるい方、打ち方などを研究しながら行き着いた末の、究極のそばだった。石臼でたっぷり時間をかけて手挽きし、そばとつなぎが10対1の“外一”にこだわる。1日でできるのはせいぜい20~30食ばかりだ。繊細な細切りに、ツルンとした喉越しがたまらない。絶品の胡桃(くるみ)汁でたぐる常連さんも多い。

純米吟醸の真澄600円のアテは玉子焼500円、鴨ロース600円、味付山菜450円など。
店主の熊谷隆志さんは脱サラ組。
自宅の1階をリノベーションしている。

『吟醸そば たか志』店舗詳細

住所:東京都府中市若松町4-34-10
/営業時間:11:30~14:45LO(売り切れ次第終了)/定休日:木(祝の場合は営業)/アクセス:西武多摩川線多磨駅から徒歩15分

手打ちそば 吉見家

でっかい車エビの天ぷらが圧巻

大きな海老の天せいろ1600円。

創業明治17年(1884)という府中では指折りの老舗。5代目にあたる店主は何事にもこだわる。石臼の材料として最高とされる蟻巣石(放熱効果が高い)で挽き、二八で打つそばはコシがあって喉越しよく、香り高い。出汁は旨味とコクの出る枕崎の本枯れ節、天ぷらの油は純度の高い綿実油にごま油とするなど、先代からの味を守り続けている。だからそばだけでなく、一品料理もうまい。釣り好きの店主による、鮮度抜群の魚料理も楽しめることも。

和風の喫茶店のよう。2階にあって明るい。
かつ煮950円は大ぶりだ。磯とろろ600円を鳥取の稲田姫750円でグビリ。
気軽に食べ物の話などをしてくれる店主の関一(はじめ)さん。

『手打ちそば 吉見家』店舗詳細

住所:東京都府中市宮西町4-16-1/営業時間:11:30~ 20:00/定休日:不定休/アクセス:京王線府中駅から徒歩10分

そば処 よし木

生粉打ちと外一の競演

細切りの外一と生粉打ちの二色せいろは950円。

使用するのは茨城の常陸秋そば。これを石臼で玄ソバから挽きぐるみにして、外一と十割で打つ。初めてなら二色せいろがおすすめ。外一は繊細かつしっかりとした穀物感があり、太い生粉打ち十割は欠片がびっしりでもちもち。まさに食べ比べの妙である。まろやかな出汁のもり汁につけるのもいいし、抹茶塩でもうまい。柔らかく風味豊かな鴨はつの塩焼きや三陸産の塩うになど、飲んべえの店主がそろえる酒のアテもかなりイケる。もちろん厳選された各地の銘酒も。ここだけの話、アテの塩うにをほんの少し、生粉打ちのそばにのせて食べると、それはもう唸るほど絶品。お昼につい一杯やりたくなってしまう名店だ。

そば打ちは力任せではよくないという店主の阿部由樹さん。
毎日、蟻巣石の石臼で愛情を込めてそばを挽く。
鴨はつの塩焼き600円、塩うに600円。生もと純米カネナカ(山口)800円は円熟の味わい。
シンプルでモダンな店内。

『そば処 よし木』店舗詳細

住所:東京都府中市分梅町3-2-2/営業時間:11:30~14:00LO(売り切れ次第終了)/定休日:月・金/アクセス:JR南武線・京王線分倍河原駅から徒歩8分

構成=株式会社エスティフ 取材・文=工藤博康 撮影=小野広幸

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