店主のパン美学に脱帽せよ!『にじわぱん』[大宮]
季節の野菜や果物、玄米などを培養して自家製酵母を育てること早10年。「世界にひとつしかないパンを作りたい」と店主の照井正敏さんが話す通り、噛むほどに豊かな風味が広がっていく。こだわりの有機食材や調味料を使用し、自分の納得のいくパンを追求し続けている。焼く前にステンシルで粉を付ければほれぼれするような美しい模様が。そんなひと手間にもパンへの愛情が感じられる。
『にじわぱん』店舗詳細
酵母が織りなす四季折々の香り『タロー屋』[北浦和]
店主・星野太郎さんが好奇心でびわ酵母を起こしたのが原点。以来、庭に生える果物や花を収穫しては酵母作りに励んでいる。色とりどりの酵母液が並ぶ様子は実験室のよう。蓋を開ける時に飛び散る酵母もあるという自然のエネルギーを纏(まと)ったパンは、口の中で香りをぶわっと広げる。季節によって酵母が変わるため同じパンでも風味も変わっていく、繊細な日本の四季を閉じ込めたような一品だ。
『タロー屋』店舗詳細
おやつに食べたいスイーツ系が充実『ブーランジェリーリーフ』[大宮]
「特別なことなんて何もないんですよ」と控えめに笑う店主の野口貴史さんと奥様の綾子さん。いやはや、ご謙遜を。デニッシュなどのデザート系からサンドイッチなどのお食事系、ハード系に湯種食パンまで、毎日約60種類を焼き上げる。派手さはないが、どれも丁寧に、誠実に作られていて、パン職人歴26年という確かな腕がなせる業を感じさせる。お手頃な値段に心もおなかも満足だ。
『ブーランジェリーリーフ』店舗詳細
工夫を利かせた食感で心をわしづかみ『Boulangerie La Rue』[北浦和]
「住宅地の中で店を開きたかったんです」とにこやかに話す岩田さん夫妻が、駅から離れた地で2011年にオープン。製造チーム6人が息ぴったりのチームワークでパンを焼き上げ、毎日約120種類が次々と店頭に並ぶ。あんまんをイメージしたとろりんあんぱんや、皮はパリッ、中はフワッとハード系を食パンに取り入れた道祖土(さいど)トーストなど、ありそうでなかった食感との出合いが記憶に刻まれる。
『Boulangerie La Rue』店舗詳細
取材・文=香取麻衣子 撮影=原幹和