千嶋秩父
名物女将と秩父の味を都心で楽しむ
創業は1953年、当初は有楽町で店を構え、ニュー新橋ビルの開業とともにここに店を移転したという老舗。「昔は上司に連れて来られてた新人さんが今では社長、なんてこともよくあるわよ」と名物ママの千嶋よし江さん。ママのご主人が秩父出身だったことから、猪や鹿、こんにゃくなど埼玉県秩父産の食材を味わえる店にしたそう。新鮮なジビエは臭みもなく、アットホームな接客とともになんだか明日への活力が湧いてくる、そんな店。
『千嶋秩父』店舗詳細
熟成古酒処
古酒をこの場で飲むも買うもよし
“長期熟成古酒” とは、蔵元で3年以上寝かせた日本酒を言う。店主の伊藤淳さんは「20年ものもあります」と言うので瓶を見せてもらうと、綺麗な褐色。ここまでくるとかなり高価なようだが、大丈夫、手頃な飲み比べセットも用意されている。長期間寝かせた酒は、どれも果物のような香りが長続きし、味も尖ったところがない。戸のない、まさにヤミ市然とした極小空間で、ワイングラスで日本酒の立ち飲みというのがまた、こたえられん。
『熟成古酒処』店舗詳細
そらき
心のこもった手料理でワインを一杯!
周囲の店とはちょっと違う、スタイリッシュな内装がひときわ目をひくこちらのお店は、2012年に開業した比較的ニューカマー。オーナーはアパレル業界から転身してここを開店、手作りにこだわったメニューのおいしさにあっという間に人気店に。今は隣の店舗にも店を広げ、2代目店長の新村さんと女性中心のスタッフたちで店を切り盛りする。なのでニュー新橋ビルの中では女性でも入りやすいお店の1つ。活気あふれる雰囲気からエネルギーをもらおう。
『そらき』店舗詳細
さかな亭
この街で「安くておいしい魚」ならココ
山梨県出身の店主・澤さんは「東京に出てきて、魚のおいしさにびっくりして」以降、この道一筋。そんな澤さんの情熱が込められたこの店は1999年に開店、“新鮮でおいしい魚がリーズナブルに食べられる”と評判に。常連さんは近隣サラリーマンだけでなく、わざわざ遠方からやってくる人も多いとか。「昔はこのビルも全然人通りがなくて。汐留駅ができてからずいぶんと変わったねえ」と澤さん。魚好きにはうれしい、地下街の名店だ。
『さかな亭』店舗詳細
たち飲み 吟
駅そばの”遊園地”で飲む楽しみ
「手作りだからこそ安く出せます」と、店主・後藤裕人さんは言う。夕方ともなれば、すぐに満席になる立ち飲み屋だ。常時数十種類ある作り置きのつまみは80円~で、ほぼ全て手作り。刺し身も日替わりで安くて新鮮なものを数種揃えるし、石巻・木ノ屋の缶詰も複数置く。ここからアテを選ぶのはとても楽しく、まるで乗り物を選ぶ子供のようなわくわくする気持ちになれる。まさにここは、仕事終わりのおじさんたちの遊園地なのだ。
『たち飲み 吟』店舗詳細
構成=フラップネクスト 取材・文=川口有紀、フリート横田 撮影=丸毛 透、山出高士