千嶋秩父

秘伝の味噌で煮込む深紅の肉

秩父の山地で育った天然の肉を使用した猪鍋3500円(1人前)。
秩父の山地で育った天然の肉を使用した猪鍋3500円(1人前)。

昭和28年創業の、秩父の郷土料理店。「昔は近所に芸妓さんの置屋があって、店にも呼んでいたのよ」と話す女将の千島よし江さん。昭和35年に同店に嫁いで以来、新橋の街とともに生きてきた。店内には馬刺、鹿刺、猪ベーコンなどのメニューがずらり。3種の味噌を合わせた特製スープでつくる猪鍋は、野性味たっぷりで体の芯まで温まる。肉は思いのほかクセがなく、噛むほど旨味がにじむ。秩父の地酒とともに、ゆっくり味わいたい。

女将さんの気遣いもうれしい。夜は着物で接客。
女将さんの気遣いもうれしい。夜は着物で接客。

『千嶋秩父』店舗詳細

住所:東京都港区新橋2-16-1 ニュー新橋ビルB1/営業時間:15:00~23:00/定休日:日/アクセス:JR・地下鉄・ゆりかもめ新橋駅から徒歩2分

炉とマタギ 歌舞伎町店

滋味あふれる“もてなし”鍋

かつお節と醤油ベースのスープに、3種のジビエの滋味が溶け出したマタギ寄せ鍋1人前2138円(2人前~)。
かつお節と醤油ベースのスープに、3種のジビエの滋味が溶け出したマタギ寄せ鍋1人前2138円(2人前~)。

「マタギたちが客人に振る舞う鍋です」と料理人の大滝智さん。鍋の中には、身の締まった土佐鴨、A5ランクの和歌山産天然猪、弾力あるエゾ鹿のスジ肉など、3種のジビエ肉が入る。さらに里芋、ゴボウ、たっぷりのキノコなど、冬の山菜で具だくさんに。それぞれの旨味が鍋の中で行き交い、食べるほどに味わいが深まってゆく。ジビエの栄養と、マタギのもてなしの心がギュッと詰まった寄せ鍋だ。締めは絶品スープを吸わせたきりたんぽで決まり!

囲炉裏場からただよう炭焼きの香りが食欲をそそる。
囲炉裏場からただよう炭焼きの香りが食欲をそそる。
熊の毛皮などが飾られる。
熊の毛皮などが飾られる。

『炉とマタギ 歌舞伎町店』店舗詳細

住所:東京都新宿区歌舞伎町1-6-3 6F/営業時間:平日17:00~23:00(金・祝前日は17:00~23:30、土・日・祝は16:00~23:00)/定休日:無/アクセス:JR・私鉄・地下鉄新宿駅から徒歩2分

月島 まくら木

ヘルシー肉をさっぱりしゃぶしゃぶで

エゾ鹿肉と野菜のしゃぶしゃぶ1人前2160円(要予約。2人前~)。鹿肉は疲労回復にも効果あり。ポン酢タレに、薬味もお好みで。
エゾ鹿肉と野菜のしゃぶしゃぶ1人前2160円(要予約。2人前~)。鹿肉は疲労回復にも効果あり。ポン酢タレに、薬味もお好みで。

映画ポスターの飾られた内装の洋風居酒屋。鹿料理は、2008年ごろから裏メニューとして提供していた。使用するのは、肉質が硬くなる前の、北海道産の若いエゾシカのみ。肉の新鮮さゆえ楽しめる名物の鹿しゃぶは、1人前150gとたっぷり。高タンパクで低カロリー、さっぱりヘルシーな鹿肉は、えぞ鹿のたたき968円などでも味わえる。鹿肉のお供にはワインを。映画監督、コッポラ農場産のカリフォルニアワインは、ボトル4900円~とリーズナブル。

鹿角オブジェが目印。
鹿角オブジェが目印。
原田三枝子さん、大輝さん。家族経営の気取らないお店だ。
原田三枝子さん、大輝さん。家族経営の気取らないお店だ。

『月島 まくら木』店舗詳細

住所:東京都中央区月島4-3-17/営業時間:11:30~14:00・18:00~23:00(土は夜のみ。18:00~22:00)/定休日:日・祝/アクセス:地下鉄有楽町線・大江戸線月島駅から徒歩1分

構成=フラップネクスト 取材・文=稲葉美映子、今田 壮(風来堂)、本田直子 撮影=井上洋平、本野克佳