森の中にたたずむ隠れ家『max and son's coffee roaster』

森の中に広いスペースが。
森の中に広いスペースが。

広大なスペースに立つカフェ。テラスや窓辺の席に座ると、四季折々の花や紅葉を見ることも。居心地のよい店の評判は口コミで広がり、毎日足を運ぶ人が絶えない癒やしの空間だ。「うちは昔ながらの喫茶店」と店主の松本義一さんは話す。自家焙煎をしたり、コーヒーの自家栽培をしながら、松本さんは30年近く世界中を回った。その経験から、コーヒー豆にはとことんこだわり、独自の澄んだコーヒーをサーブする。

本日のサンドイッチセット1100円(サラダ・ドリンク付き)は自家栽培の野菜が入ることも(手前左)。本日のケーキセット850円(ドリンク付き)。*金額はいずれも税別
本日のサンドイッチセット1100円(サラダ・ドリンク付き)は自家栽培の野菜が入ることも(手前左)。本日のケーキセット850円(ドリンク付き)。*金額はいずれも税別
奥行を感じる眺め。
奥行を感じる眺め。
焙煎機と店主の松本さん。
焙煎機と店主の松本さん。

『max and son's coffee roaster』店舗詳細

住所:千葉県船橋市金堀町578-1/営業時間:10:00~19:00/定休日:水/アクセス:新京成電鉄三咲駅から京成バス「セ02系統」9分の「豊富農協前」下車2分

人と人の縁をつないでいくスペース『Cafe 279』

グルメマフィン1100円、フレーバーティー660円。食事もすべて原口さんの手作り。なかでもマフィンはおいしいと評判。
グルメマフィン1100円、フレーバーティー660円。食事もすべて原口さんの手作り。なかでもマフィンはおいしいと評判。

店名の「279」は「ツナグ」という意味。訪れる人との“縁”を大事にしている店主の原口康子さん。「近隣にカフェがなく、くつろげる場所をつくりたい」という思いで自宅をリノベーションして、2017年に開業した。高校生の娘を持つ母親でもある原口さんならではの経験を生かして、赤ちゃん連れから大人まで居心地のいい空間つくりを心がけている。ワークショップのイベントスペースとしても開放し、お茶を飲みながらハンドメイドを楽しむこともできる。

時間を気にせずくつろげる店内。
時間を気にせずくつろげる店内。
ご近所の方の手伝いがあって完成したガーデニングスペース。
ご近所の方の手伝いがあって完成したガーデニングスペース。

『Cafe 279』店舗詳細

住所:千葉県船橋市前原西4-29-1/営業時間:11:00~16:00/定休日:土・日・月・祝/アクセス:JR総武線津田沼駅から徒歩15 分

アメリカントレーラーが目印『トレーラーcafe 銀色』

ディスプレイされた小物もアンティークテイスト。
ディスプレイされた小物もアンティークテイスト。

レトロなトレーラーはオーナーが船で輸送してきたもので、現役で使用していたときのまま残された部分が多く、アンティークや乗り物ファンにはたまらない空間。トレーラーの横はオープンデッキ、それを囲む庭にテーブルと椅子が置かれ、好きな場所をセレクトできる。「子供や犬連れのお客様が多い」という店長の岡さん。7~8割は地元で採れる野菜中心のメニューとなっている。

ランチプレートドリンクセット1100円~。コーヒーのみならず、ハーブティーの種類も豊富。
ランチプレートドリンクセット1100円~。コーヒーのみならず、ハーブティーの種類も豊富。
敷地内にフォトスタジオを併設。スタジオとコラボしたイベントも。
敷地内にフォトスタジオを併設。スタジオとコラボしたイベントも。

『トレーラーcafe 銀色』店舗詳細

住所:千葉県船橋市坪井町744-8/営業時間:11:00~16:00 /定休日:月・火/アクセス:東葉高速鉄道船橋日大前駅から徒歩8分

世界チャンピオンのトップバリスタが営む『PHILOCOFFEA 201』

粕谷プロセスで精製されたスペシャルティコーヒー 003 友達 TOMODACHI 1000円。毎日店内で焼き上げるバスクチーズケーキ550円。
粕谷プロセスで精製されたスペシャルティコーヒー 003 友達 TOMODACHI 1000円。毎日店内で焼き上げるバスクチーズケーキ550円。

ワールドブリュワーズカップのアジア人初の世界チャンピオン・粕谷哲氏がオーナーのカフェ。日本が世界に誇るトップバリスタで、世界中のバリスタを指導するトップコーチでもある粕谷氏のコーヒーと美味しいスイーツが味わえる。

古い雑居ビル2階にある店内は、白と黒を基調にしたインテリア、木のカウンターにビンテージ感のあるアイアンのテーブルが5卓。美味しいコーヒーを淹れるために計算しつくされたメソッドで、最高に美味しい状態に丁寧に淹れられたコーヒーを楽しむための空間だ。

スペシャルティコーヒーを提供する『PHILOCOFFEA 201』では、豆によって淹れる温度も淹れ方も変え、イートインではカップにもこだわる。また、同店ではイートインのほか、テイクアウトや自家焙煎コーヒーの販売も行う。お湯とカップさえあれば淹れられるディップスタイルコーヒーもあり、世界チャンピオンのコーヒーを家でもアウトドアでも手軽に楽しむことができる。

静かにコーヒーが楽しめる、ゆったりと余白をとった落ち着いた雰囲気のスタイリッシュな店内。
静かにコーヒーが楽しめる、ゆったりと余白をとった落ち着いた雰囲気のスタイリッシュな店内。
粕谷氏考案のハンドドリップの方法「4:6メソッド」で、注文ごとに丁寧に淹れる。
粕谷氏考案のハンドドリップの方法「4:6メソッド」で、注文ごとに丁寧に淹れる。

『PHILOCOFFEA 201』店舗詳細

住所:千葉県船橋市本町2-2-13 滝口ビル2F/営業時間:10:00~18:00/定休日:無/アクセス:京成電鉄本線船橋駅から徒歩5分、JR総武線・東武鉄道野田線船橋駅から徒歩8分

愛煙家のためのコーヒー『Café&Salt Bar TJ』

ブレンドコーヒー500円。メイプルシュガーがさらに香りを引き立てる。
ブレンドコーヒー500円。メイプルシュガーがさらに香りを引き立てる。

船橋駅南口を出て仲通り商店街を抜けた御殿通りにあるカフェバー。喫煙可能店で、周りに気を遣うことなくタバコ片手に美味しいコーヒーが飲める愛煙家のオアシスだ。コーヒーの種類は、柑橘系の独特な香りのエチオピアイルガチェフェ、甘い香りのバリアラビカ神山、さわやかな甘みのブラジルパッセイオ農園の3種類のストレートコーヒーとブレンドコーヒーの全4種類。

なかでも愛煙家におすすめなのが、「タバコを吸う人のための、タバコに合うコーヒー」にこだわって豆を厳選したブレンドコーヒー。タバコのフレーバーに負けることなくコーヒーの香りが感じられるように選び抜かれた、ブラジル種とケニア種のブレンドだ。ちょっぴり苦めでありながら、甘い香りがして後味がすっきりしている。

エスプレッソ用の豆で落としたコーヒーで作る自家製のコーヒーゼリーも人気の一品だ。夜のバータイムには、約20種類の国内外産の塩をお料理に合わせて選び、お酒とともに楽しむことができる。

コーヒーは一杯ずつハンドドリップで。ストレートコーヒーは各550円。
コーヒーは一杯ずつハンドドリップで。ストレートコーヒーは各550円。
上品な甘さで喉ごしのいい自家製コーヒーゼリー バニラアイスクリーム添え660円。
上品な甘さで喉ごしのいい自家製コーヒーゼリー バニラアイスクリーム添え660円。

『Café&Salt Bar TJ』店舗詳細

住所:千葉県船橋市本町4-35-21 カナーズ1F/営業時間:11:30~15:00・18:00~23:00/定休日:月/アクセス:JR・京成電鉄本線京成船橋駅から徒歩7分

三世代が集まる純喫茶『珈琲モナリザ』

チョコバナナホットケーキ(コーヒー付き)850円。昔ながらの硬めの生地。
チョコバナナホットケーキ(コーヒー付き)850円。昔ながらの硬めの生地。

船橋駅南口からまっすぐ、徒歩5分ほどのところにある、昭和55年のオープン当時からそのままの姿で地元の人々に愛され続ける喫茶店。常連さんはもちろん、昭和レトロブームに魅せられた若い人たちも多数訪れる。

オープン以来40年以上まったく改装はしておらず、イスやテーブルも、手入れをしながら大切に使っている。お食事メニューもドリンクも甘味も、品数豊富だ。メニューのこだわりは、冷凍食品を一切使わないこと。すべて素材から仕込んでいる。厨房をあずかるチーフは開店当時からのスタッフ。ほかも長く勤めているスタッフばかり。

地元の常連さんのなかにはママさんとのおしゃべりが楽しみで来るお客さんも多く、子供の頃に来ていた子が親になり、3世代で来店する家族も。周りがどんどん変わってしまってもここがあれば昔の町の面影が思い出せる、いつまでも残っていてほしいお店である。

細い路地からちょっと広めの道路に出ると目の前にレンガ造りのモダンな建物が現れる。
細い路地からちょっと広めの道路に出ると目の前にレンガ造りのモダンな建物が現れる。
調度品は刳物(くりもの)と呼ばれる木工の技法で作られている。
調度品は刳物(くりもの)と呼ばれる木工の技法で作られている。

『珈琲モナリザ』店舗詳細

住所:千葉県船橋市本町2-11-32/営業時間:8:00~18:00/定休日:日/アクセス:JR船橋駅・京成本線京成船橋駅から徒歩5分

異国にテレポートできる不思議なカフェ『SUNNY DROP』

アフォガート650円。エスプレッソに溶かされたとろとろのバニラアイスの濃厚さが絶品。
アフォガート650円。エスプレッソに溶かされたとろとろのバニラアイスの濃厚さが絶品。

ターコイズブルーとコーラルピンクのビビットな壁紙、使い込まれた風合いの木のカウンター、ポップなアメリカン・トイ、天井の星屑のような照明と心地よいボリュームで流れる音楽。さらに濃厚なコーヒーとスイーツの甘い香りに包まれる。

細い路地裏にあるカフェの扉を開けて足を踏み入れた途端、アメリカ映画に登場するようなポップな空間にテレポート(瞬間移動)した感覚になる。『SUNNY DROP』はそんな楽しいカフェだ。

「若いときからいつかは自分でお店がやってみたかった」というリツコさんが、自身の地元・船橋に『SUNNY DROP』を開いたのは2021年3月。まだオープンして間もないが、「あそこのコーヒー飲みたい!って、毎日思ってもらえるようなお店にしたい。ここで人と人が繋がれるような場所にしたいです」とも。コーヒーへのかなり熱い想いとやさしいまなざしを持った店主が待っているカフェだ。

楽しげな店内がうかがえる『SUNNY DROP』の扉。手書きのスマイルマークがキュート。
楽しげな店内がうかがえる『SUNNY DROP』の扉。手書きのスマイルマークがキュート。
「人が好き、コーヒーが好き、お酒も好き」という店主のリツコさん。
「人が好き、コーヒーが好き、お酒も好き」という店主のリツコさん。

『SUNNY DROP』店舗詳細

住所:千葉県船橋市本町1-13-4 デボネア船橋1F/営業時間:8:30~22:00(土・日・祝は10:00~22:00)/定休日:不定/アクセス:京成電鉄本線京成船橋駅から徒歩2分、JR・東武野田線各船橋駅から徒歩4分

絶品葛きりは賞味期限10分! 甘味処『茶房つむぎ』

葛きりつむぎ1100円(提供時間13:00~17:30)。北海道産の大納言小豆、丹波の黒豆のきな粉を使用。材料にこだわった自慢の品がすべて詰まっている。
葛きりつむぎ1100円(提供時間13:00~17:30)。北海道産の大納言小豆、丹波の黒豆のきな粉を使用。材料にこだわった自慢の品がすべて詰まっている。

JR船橋駅北口・東武野田線船橋駅改札を出てすぐ、東武百貨店船橋店5階にある『茶房つむぎ』は、1977年の東武百貨店船橋店と同時オープン以来、祖母・母・娘の3代に渡り続く甘味処だ。

南九州産の本葛100%のくず粉を使い注文後に一から丁寧に作る葛きりは、できあがりまでに10分ほどの時間がかかるが、その賞味期限は作るのとほぼ同じ10分。「葛切りは性質的に、時間が経つと伸びてきてしまって弾力がなくなってしまうんです」と、店長の橋本有記さん。しかも、本葛100%のくず粉を使って作ると時間がたつほどに固くなり、透明さが失われ白っぽくなってボソボソな食感になってしまうのだとか。

『茶房つむぎ』の葛きりには、全5種類のメニューがある。自慢の大納言小豆を使ったぜんざいや白玉、きな粉とセットになった甘味好きにはたまらない葛きりも。そんな葛きりを食べにちょっと船橋まで、というのもいい。

メニューサンプルが置かれたちょっと懐かしい感じのする店構え。
メニューサンプルが置かれたちょっと懐かしい感じのする店構え。
祖母・母から受け継いだ伝統を大切に新たなことにもチャレンジする3代目店主の橋本有記さん。
祖母・母から受け継いだ伝統を大切に新たなことにもチャレンジする3代目店主の橋本有記さん。

『茶房つむぎ』店舗詳細

住所:千葉県船橋市本町7-1-1東武百貨店船橋店5階/営業時間:10:30~17:30LO/定休日:東武百貨店船橋店に準ずる/アクセス:JR・東武野田線船橋駅から徒歩1分、京成電鉄本線船橋駅から徒歩3分

秘密の花園の奥にある『Cue's cafe』

森のコーヒー412円と、チーズケーキ(NYとベイクドの2種セット)491円。ドリンクとスイーツをセットで注文すれば100円引きになる「スウィーツセット」がおすすめ。
森のコーヒー412円と、チーズケーキ(NYとベイクドの2種セット)491円。ドリンクとスイーツをセットで注文すれば100円引きになる「スウィーツセット」がおすすめ。

西船橋駅南口を出て右方向に歩くこと約2分、お花屋さんの奥にそのカフェはある。扉を開けて中に入ると、元気な女性スタッフの声が迎えてくれる。店の奥の大きな窓から差し込む明るい光と、ゆったりとしたスペースで「あ、居心地よさそう!」というのがここ『Cue’s cafe』の第一印象だ。

店主の広瀬泰子さんがこのカフェをはじめて12年。毎朝8時には店に入って仕込みをする広瀬さんは「毎日が楽しい」と明るく笑う。仲の良さそうな老夫婦や年配の女性の2人連れ、1人でふらりと入ってきた老紳士。お客さんの年齢層はちょっと高めだが、お店の雰囲気はのんびりとして和やかで心地よい。

また豊富なメニューもこのお店の魅力。アレンジ・デザートコーヒーだけでも13種類もあり、昔ながらの喫茶店の定番、ホットケーキやレモンスカッシュも。さらに、あんみつやみつまめまでそろう。地元民が集う町中華ならぬ“町カフェ”。まさにそんな愛されカフェだ。

通りに面したお花屋さんの奥にあるシックな扉。どことなく隠れ家的な雰囲気が漂う。
通りに面したお花屋さんの奥にあるシックな扉。どことなく隠れ家的な雰囲気が漂う。
『Cue's cafe』のスタッフの皆さん(中央が店主の広瀬さん)。
『Cue's cafe』のスタッフの皆さん(中央が店主の広瀬さん)。

『Cue's cafe』店舗詳細

住所:千葉県船橋市葛飾町2-336-1/営業時間:9:00~17:30LO/定休日:月(月1回不定休)/アクセス:JR・地下鉄・東葉高速鉄道西船橋駅から徒歩2分

取材・文=深山晴代、京澤洋子・丸山美紀(アート・サプライ) 撮影=猪俣慎吾、京澤洋子・丸山美紀(アート・サプライ)