Cafe Hütte(ヒュッテ) [辻堂]
掘り進めるごとに香りが深まる一杯
ネルドリップで淹れた珈琲ゼリーパフェ715円の主役は、やはりコーヒーゼリー。ちゅるん、と舌を滑り、口の中に涼しい風を吹かせる。使っているのは、店主の望月深雪さんが「きれいな味わい」とほれ込む鵠沼の『珈琲豆専門店イースト』の豆で、加糖はせず、甘みはアイスクリームとハチミツカステラに任せているとか。ハチミツは市内の『中野養蜂園』のもので、豊かな香りに胸が高まる。
『Cafe Hütte』店舗詳細
八百屋コウタのフルーツパーラー [平塚]
旬の果実とあんこの滋味深く芳しい共演
市民御用達『八百屋コウタ』の向かいには、直営のフルーツパーラーが。色とりどりの果実きらめくフルーツあんみつ580円は、その都度目利きのスタッフが旬を見極め、トッピングを選抜する。あんこは市内にある『鈴木製餡所』から仕入れた小豆の風味満点のつぶあん。あふれる滋味が果実の甘み、酸味と引き立て合い、さらに寒天、朝ゆでの白玉が食感をプラスし、芳しいメリハリを生む。
『八百屋コウタのフルーツパーラー』店舗詳細
黒糖茶房 [茅ケ崎]
黒糖で作るあんこが氷山から顔を出す
眼前にそびえる黒みつきなこぜんざい950円。てっぺんから垂らした黒蜜が光を反射し、食欲をそそる。黒糖と水だけで作る黒蜜は、コクのある甘さと喉越しのよさが特長。氷山に潜むあんこも黒糖で炊き、白砂糖を使う場合の半量に抑えているため甘さ控えめだ。「沖縄には8つの島があって、採れる黒糖も味が異なります」と店主の大森健司さん。店では、その8種類を週ごとに入れ替えて使う。
『黒糖茶房』店舗詳細
三秀堂 [平塚]
老若男女が愛する新食感の葛菓子
歯に当たってひんやり、しゃりっ! 食べ進めるごとに溶けて、もちっ。創業70年になる和菓子屋で3代目が手作りするくずバーは、ふるさと納税の返礼品にも選ばれ、今や平塚を代表するおやつだ。宇治抹茶240円をひと口かじれば、抹茶の香りが鼻腔を舞い、ぎっしり並んだ自家製の小豆甘煮がほくっとした食感で心身を癒やす。カラフルで目にも楽しい湘南ブルー220円は、ふわっと広がるサイダーの爽やかさに、すっきり気分爽快。
『三秀堂』店舗詳細
Hilo Homemade Ice Cream [鵠沼海岸]
ハワイ島で生まれた、素材を活かすアイス
とある日系アメリカ人夫妻が、1970年代にハワイ島のヒロ地区で自家製アイスクリームの店をスタート。5代目を継いだ永江夫妻は、帰国後、空気が似ている鵠沼で工房を始めた。卵は使わず生クリームでコクを出し、素材を活かすのが代々のこだわり。ミント&チョコチップには藤沢市『農園たそりあ』の無農薬ミントが使われ、軽やかな甘さと柔らかい清涼感が癖になる。夏限定ながら、毎年これを目当てに訪れるファンも。
『Hilo Homemade Ice Cream』店舗詳細
取材・文=信藤舞子 撮影=高野尚人
『散歩の達人』2021年8月号より