常連さん御用達の曜日限定ランチ『ビストロ コンカ』
ランチは火曜と水曜のみ。しかも品書きは日替わり一本で勝負。この日はデミグラスソースのハンバーグだ。「決め手は、牛ひき肉と合わせてこねた豚ネックの濃厚な脂です」と、シェフの望月雄一郎さん。口中に含むと、閉じ込められた熱々の肉汁がじゅわり染み出て、デミグラスソースと混ざり合う。洋食屋を思わせるナポリタンやポテトサラダ、爽やかな酸味のニンジンとキャベツのラぺなど、付け合わせも抜かりなし。次のひと口に誘われる。
『ビストロ コンカ』店舗詳細
腹ペコ大食漢はこの店に集まれ!『ふとっちょ母さんの店 ママス』
3種の総菜から選ぶランチは、ライスとサラダがお代わり自由。「たらふく食べたい人、大歓迎よ」と、カウンター越しにママがにっこり微笑む。人気のミックスフライは、ドでかいエビフライとアジのシソ巻きフライが皿に横たわり気分高揚。タルタルをたっぷりつけてザクっとかじれば、衣に包まれた具がホクホクで、至福。さらに、お代わりライスには、なんとカレーをかけてくれるとな!
『ふとっちょ母さんの店 ママス』店舗詳細
和牛ホルモンの甘みが染みる『うさぎおうどん』
木造2階建てのバー『ボノボ』を間借り。さば節、かつお節、小魚でとった出汁に加えるのは、和牛のテッチャンを素揚げした、大阪一部でお馴染みの“かす”だ。京都出身の店主・岸本さんは「表現の幅が広い」と、かすうどんの虜に。かすの他、うどんも大阪仕入れなのは「水が違うんでしょう。関東の麺ではこの味にならなくて」。滑らかな舌触り、甘みある出汁に、気付けば無心の境地だ。
『うさぎおうどん』店舗詳細
ほっと人心地のハンガリーの味『アズ フィノム』
「ハンガリー料理には、パプリカが欠かせません」と、店主の東孝江さん。ズラリ並んだ皿は、パプリカパウダーの橙色が映える。伝統的なスープのグヤーシュには、ホロホロの牛肉とジャガイモ、ニンジンがごろり。ずっしりコク深い味わいに心安らぐ。また、メインのロールキャベツにナイフを入れれば、中には豚肉とライスが。一緒に煮込んだザワークラウトの酸味も心地よく、後を引く。
『アズ フィノム』店舗詳細
本場アメリカ仕込みのバーガーにやみつき『E.A.T GRILL&BAR』
店主の高橋路和さんは、アメリカ在住時に現地のハンバーガーに一目惚れ。「毎日食べられる一品を!」と、肉と野菜が同量で、ヘルシーなバーガーを考案した。焼き目をつけたふんわりバンズに挟まれたパティは、オーストラリア産放牧牛の赤身。あんぐと豪快にかぶりつけば、プリッとした肉感とシャキシャキ野菜のみずみずしさ、甘いBBQソース、黒胡椒のパンチが一体となり、口中で躍る。
『E.A.T GRILL&BAR』店舗詳細
皿いっぱいのパエリアを平らげろ『エル プエンテ』
「スペインで陽気な雰囲気にハマっちゃって」とは、バックパッカーで世界中を巡った店主の古賀靖人さん。帰国後に修業を積み、開店した。看板のパエリアは、白身魚のアラとエビの頭でとった出汁で炊く。サフランの芳香と、魚介の塩味がガツンと効き、中毒性高し。また、セットのピンチョスには、スペイン産バゲットに白レバームースが。まったり風味で、昼からワインが欲しくなるではないか。
『エル プエンテ』店舗詳細
がんばるあなたに体喜ぶ一汁三菜を『まかでき食堂』
もとはIT企業の社員食堂だったが、2014年に一般開放。代表の織田裕睦さんは、「健康的な食事をとってほしくて、有機野菜をたくさん使うことにしました」と語る。この日の主菜は大根の揚げ出し。薄い衣に包まれた徳島産のぶっとい大根は、ほっくり甘くて優しさ満点。また、さといも団子の澄まし汁は、いりことかつおの出汁が染み渡り、シャキッと目が覚める気分。ああ、ごはんが進む。
『まかでき食堂』店舗詳細
価格と味わいに驚く昼の本格中華『鉄板中華 青山シャンウェイ』
昼は開店と同時に満席が常。ランチのサラダバーはビーフン、ポテサラ、フルーツなどが満載で「遊園地みたいな楽しさを作りたくて」と、店主の佐々木孝昌さん。数々の名中華料理店で料理長を務め、2003年に独立した。定食の主菜は約5種から選ぶ。なかでも、蒸し鶏葱ねぎ醤油がスゴい。10時間かけて蒸し、ほろほろしっとりの鶏に真っ黒い葱醤油が、まろやかに絡まる。そして、骨がサックサク!
『鉄板中華 青山シャンウェイ』店舗詳細
取材・文=高橋健太・佐藤さゆり(teamまめ) 撮影=原幹和、オカダタカオ
『散歩の達人』2020年1月号より