若者が次世代に継ぐ、町中華魂『中華屋 啓ちゃん』

(左から)店主の幸田啓さん、地元の友人でもある竹村皓太さん、藤ヶ森幹樹さんが店を盛り立てる。
(左から)店主の幸田啓さん、地元の友人でもある竹村皓太さん、藤ヶ森幹樹さんが店を盛り立てる。

上の写真を見てアレっと思った人も多いはず。そうこの店、町中華には珍しく「若者の店」なのだ。中野の『尚ちゃんラーメン』で修業した幸田さんは25歳でこの店を開業。その味と盛りのよさですぐ評判になった。2011年創業の若い店だが、手頃な価格でおなかいっぱいという古きよき中華屋魂を受け継ぐ。中華屋を開いた理由を聞くと「普段遣いする人に、毎度違うものを食べてもらいたかったんです」。町中華の未来は、君に任せた!

チャーハン700円はご覧の通りドカ盛り!
チャーハン700円はご覧の通りドカ盛り!
レバニラ定食850円ほか定食も充実。
レバニラ定食850円ほか定食も充実。

『中華屋 啓ちゃん』店舗詳細

駅前で飲んで食べて、至福の時『はなや』

鶏カラ420円が名物。ワンコインセット500円はドリンク+鶏カラ2個or 日替わりおつまみとお得。
鶏カラ420円が名物。ワンコインセット500円はドリンク+鶏カラ2個or 日替わりおつまみとお得。

荻窪の象徴、タウンセブン1階にある『はなや』。勤め人からファミリーまで幅広い客層に愛される駅前中華だが、この店が本領を発揮するのは実は夕方から。何を隠そう”飲み中華”の名店なのだ。常連が鶏カラや自家製の餃子、一品メニューなどを肴に喉を潤す光景はもはや荻窪名物といえる。「締めの一杯」という言葉はここでは、お酒&ラーメンのダブルミーニング! 1人でも大勢でも、ついつい飲みすぎ、そして食べすぎてしまう。

日暮れ前から常連たちは杯を傾け始める。
日暮れ前から常連たちは杯を傾け始める。
タンメン680円など、中華メニューはどれも美味。
タンメン680円など、中華メニューはどれも美味。

『はなや』店舗詳細

住所:東京都杉並区上荻1-9-1 タウンセブン1F/営業時間:11:00~23:45LO/定休日:無/アクセス:JR中央線・地下鉄丸ノ内線荻窪駅から徒歩1 分

「不変」の味は「普遍」でもある『春木家本店』

炙りチャーシュー800円、天丼1100円を肴にます酒600円で一献。
炙りチャーシュー800円、天丼1100円を肴にます酒600円で一献。

昭和6年(1931)の創業以来、中華とそばを提供し続ける『春木家本店』。初代の妹夫婦が独立してできたのが駅前の『春木屋』で、こちらは住宅地の中にある。麺もそばも自家製、手抜きは一切ない。「継いだ以上やるしかない。昔のやり方をシンプルに守るだけだよ」。3代目の古川善啓さんは、3歳から店を手伝っていたという。町中華サラブレッドが作る料理は時代を超えたスタンダード。これぞ昭和の味だが、古くささは微塵もない。

新メニュー「ラーメン」を作りたいと古川さん。
新メニュー「ラーメン」を作りたいと古川さん。
中華そば720円と粗挽十割蕎麦850円は創業当時の味。
中華そば720円と粗挽十割蕎麦850円は創業当時の味。

『春木家本店』店舗詳細

住所:東京都杉並区天沼2-5-24/営業時間:11:00~15:00・17:00~21:00(出前は20:00まで)/定休日:木/アクセス:JR中央線・地下鉄丸ノ内線荻窪駅から徒歩7分

今や希少⁉ パラパラチャーハン『あもん』

中央線沿線に点在する『三ちゃん』兄弟店。1998年に独立。
中央線沿線に点在する『三ちゃん』兄弟店。1998年に独立。

油に卵を入れ、具材を加え、コシヒカリを投入する。粘り気が出そうなものだが、「強い火力と大きな中華鍋だから」と、店主の根岸孝昌さんが作れば、パラパラの昔ながらの味になる。兄が営む『三ちゃん』勤めから数えて約55年。鍋をあおるたびに、ごはんが宙を舞う職人技には、目が釘づけ。チャーハンは五目が基本で、干ししいたけが名脇役。味の根底で深みと香味を醸し「これがないと、この味にはならないですよ」。

チャーハン700円。具は干ししいたけ、チャーシュー、卵、ネギ、ニンジンの五目だ。白髪ネギを入れたスープも、ショウガがよく効いていておすすめだ。
チャーハン700円。具は干ししいたけ、チャーシュー、卵、ネギ、ニンジンの五目だ。白髪ネギを入れたスープも、ショウガがよく効いていておすすめだ。
根岸さんは、奥様の絹子さん、2代目直彦さんと切り盛り。
根岸さんは、奥様の絹子さん、2代目直彦さんと切り盛り。

『あもん』店舗詳細

住所:東京都杉並区荻窪4-21-17溝口ビル1F/営業時間:12:00~15:00・17:00~22:30/定休日:水/アクセス:JR中央線・地下鉄丸ノ内線荻窪駅から徒歩3分

構成=株式会社エスティフ 取材・文=半澤則吉 撮影=山出高士、大西尚明

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