全国の日本酒が楽しめる
本八幡の南口にある『和多屋』は2007年オープンの居酒屋。全国から常時20種類以上の日本酒を揃えている。
「焼酎にも力を入れていたんですけれど、常連のお客様からのいろいろなお酒を楽しみたいというニーズに応えるうちに自然とこうなりました」と、店主の塩田和多留さん。
定番で人気の銘柄からレアなものまで、春夏秋冬旬の地酒を仕入れるために4、5社の酒屋と取引しているそう。いろいろ楽しみたい人のための利き酒セットも好評だ。
利き酒セットに付く一品には、いかの塩辛やたたみいわしなどのほか仕込み水も。これは日本酒を作るときに使う水で、チェイサーとして飲むと翌日にお酒が残らないため、選ぶ人が多いそう。
料理は地魚、煮込み、串揚げの三本柱
料理は地魚、煮込み、串揚げに特に力を入れている。
魚の仕入れは船橋市場から。「千葉の魚に限らず、自分の目で見ていいと思った旬のものを選んでいます」と塩田さん。その日のネタは日替わりで、お店のおまかせ刺身盛のほか、客が自分で食べたいネタを選べる、あなたが選べる三種盛もあるのがうれしい。
その日仕入れた魚や地酒は、店のTwitterアカウントで随時更新している。
煮込みはもつ煮込みや角煮、銀鱈の煮付けなど。冬場はおでんも楽しめる。
串揚げはシイタケや長芋、玉ねぎといった野菜から、まぐろやししゃも、ホタテなどの海鮮、ウインナー、牛肉など。ちょっとだけ食べたいときは単品で、いろいろ味わいたいときはおまかせを選ぼう。
ひとりを楽しめる人がなじめる店
「うちの店のウリって自分ではわからないけど、ひとり飲みができる人が来てくれていますね。自分がそうだから類は友を呼んでいるんでしょうか。でも自分のためにお金を使える人の方がかっこいいじゃないですか。ご飯ものもあるから飲めない人も歓迎です。だからあまり居酒屋って言いたくないんですよね。お酒もつまみも飯もある食事処というか。食堂っていう感じの方がいいですね、これからは」と、塩田さん。
自分のためにお金を使って好きなお酒と料理を銘々が楽しむ。気が向いたら近くの席の人と話しをしたり、もちろん無理に混ざったりしなくてもいい。
「別に大層なもの出してないけど、それでいいんです。身の丈にあった商売で。ランチもやらないの?って聞かれるんですが、リズムが狂うのが嫌なので。今のままできるうちは、スタイルを変えずにやりたいですね」。
構成=フリート 取材・文・撮影=藤村恭子