父に連れられて通った喫茶店が原点

2018年2月20日オープンした『coffee & bake douceur』。分倍河原の駅から歩いて約6分、旧甲州街道沿いにあるカフェで、道路を挟んで向かいのスーパーのいなげやが目印だ。

店主の藤原さんは愛知出身。小さい頃は週末になると、お父様に連れられて、喫茶店に足を運んだ。3人姉妹の長女である藤原さんは、妹たちよりもお父様のお供をすることが多かった。小さい頃はクリームソーダがお気に入りだったが、歳を重ねるにつれてアイスティーに変わった。好きなメニューが変わっても、ずっと喫茶店の紅茶やコーヒーの香りに包まれてきた。

上京して府中に住み、音楽の学校に通ったが、20歳ぐらいのときにやはり食べることやカフェが好きだと気づき、自分の店を持とうと決意する。「都心の有名店のお菓子の学校に通ったり、飲食店で働いたり、資格を取ったり。カフェを開くためにできることはいろいろやってきました」と藤原さん。 物件を探す際、最初は都心の方で探し始めたが、結局は住み慣れた府中の落ち着いた雰囲気を気に入ってここに決めたという。

「店名の“douceur”は甘いものとか柔和、幸せという意味があって、カフェにぴったりだなって決めました」

誰でも歓迎、居心地良い空間に

『coffee & bake douceur』の店内。

訪れる客の年齢層は幅広い。「おじいちゃんやおばあちゃん、地域の方が足を運んでくれます。若い子やママさん世代も。ターゲットを絞らないようにしています。愛知のときも、ふらっと誰でも入れるのが喫茶店なので」。誰でも歓迎する姿勢は内装でも表現。木や自然が感じられつつも、甘くなりすぎないようにしたという。

「物件を探していた時期にたまたま見た本の表紙に載っていた豪徳寺の『IRON COFFEE(アイアンコーヒー)』さんを見て、今までにない斬新な内装だなと思って、手掛けている『無相創』さんに依頼しました」。

ベビーカーも通れる席幅。

居心地の良さは椅子へのこだわりにも繋がる。「背もたれがあって、ゆったり座れるように。あと席幅を広くして、ベビーカーも楽に通れるスペースになっています」。

自家製あんこのあんバタートースト

あんバタートースト530円。

軽食はバタートーストと、愛知といえばのあんバタートースト。トーストの上に自家製のあんこと無塩の四つ葉バターを載せ、沖縄の粗塩をふって味にアクセントをつけている。愛知の定番の味は府中でも愛されている。

スプレッソベイクドチーズケーキ482円。コーヒー各種460円。

お菓子は常時6種類ほどが並ぶ。本日いただいたのはエスプレッソベイクドチーズケーキ482円。エスプレッソの酸味とベースに敷いて焼いたくるみの香ばしさが大人の味わい。 コーヒーは師匠の店から仕入れたブレンドのほか、シングルオリジンも含めて常時6、7種類を用意している。

コーヒーが苦手な方にも飲めるようにと、他のドリンクの種類も豊富だ。ほうじ茶や、愛知の西尾の抹茶を使った抹茶ラテも人気だという。 ここを訪れた子どもたちは、たとえコーヒーが飲めなくても、小さい頃の藤原さんのように、コーヒーを淹れる香りや居心地のよい空間に慣れ親しむうちに、カフェを愛する大人になるのだろう。

住所:東京都府中市美好町3-12-58 K151Aビル 1F/営業時間:12:00〜19:00/定休日:火/アクセス:JR南武線・京王電鉄京王線分倍河原駅から徒歩6分

構成=フリート 取材・文・撮影=藤村恭子