◆散歩コース◆
スタート
高尾山口駅
高尾山口駅から甲州街道に出て右へ。すぐ左の道に入り坂を上がると四辻・草戸峠方面の標識。
↓ 15分
四辻
標識の先は民家の脇の細道を通り抜けて行く。すぐ山道になり、上がった尾根道が四辻になる。右へ。
↓ 50分
拓大分岐
多少のアップダウンはあるが、快適な尾根歩き。展望はなし。朽ちた鉄塔の先に拓大分岐。草戸峠方面へ。
↓ 30分
草戸山
梅の木平分岐を過ぎ、草戸峠に出ると高尾山が見える。ベンチあり。ここから10分程度で草戸山山頂。
↓ 35分
三沢峠
草戸山の先にふれあい休憩所。城山湖の展望がいい。展望のない榎窪山のすぐ先が三沢峠になる。
↓ 30分
西山峠
三沢峠からは関東ふれあいの道。展望のない尾根歩きが長い。西山峠は山下バス停に通じる分岐。
↓ 50分
中沢峠
展望のない尾根歩きから一転、見晴台からの大展望。中沢山から中沢峠に出て、バス停までは50分。
↓ 50分
ゴール
山下バス停

体力度:★★☆
歩行時間:4時間20分
歩行距離:約11km

アクセス:[行き] 新宿駅から京王線特急で高尾山口駅、約55分。
[帰り] 山下バス停から神奈中バスで高尾山口バス停、約10分。後は行きと同じ。

※山下バス停から駅へは午後は16時台に一便(平日のみ)しかないので、それに合わせて計画を。バス停から高尾山口駅まで徒歩30分。

交通費:990円(往復)

静かな山歩きを楽しむ高尾山周遊コース

いまや高尾山に行くには勇気が必要だ。そもそも山歩きに行くなら、街歩きとは違い、あまり人には会いたくない。せいぜい友人や山仲間くらいで歩きたい。せっかく山まで行って喧騒の中に入るのはちょっと、と思う人も多いはずだ。高尾山にそれを求めることはできない。喧騒の山が好きなら別に問題はない。

ということで勇気が必要になるわけで、勇気のない人は高尾山口駅に背を向けて、目の前にある山に向かおう。高尾山に限りなく近く、喧騒とは無縁な山。それが草戸山と南高尾山稜の尾根歩き。ただし高尾山に何軒もある素敵な茶屋などは一軒もないので、飲み物や食べ物は持参しなければならない。

高尾山へ背を向ける人は、ほんのひと握り。甲州街道を横切って住宅脇の細い道を抜けると、もう山の中。尾根までは10分ほどの急な坂道を上がっていく。尾根は四辻という分岐点で、左に行けば高尾駅、まっすぐ下りれば拓殖大学方面。右手の縦走路が草戸山方面になる。

標高ほぼ300m前後の尾根縦走。縦走というと、きつさがイメージされるが、ここはほどよいアップダウンで、それほどきつい勾配もなく、気持ちのよい山歩きとなる。ただし展望を望んではいけない。

小さなピークをいくつか越えて行くと、拓殖大学に行く道を左に分け、四辻からおよそ1時間半で草戸山手前の草戸峠に。今日初めての展望で、西側に高尾山が見える。ここにはベンチもいくつかあったので、しばし休憩してからスタート。

八王子市街地を一望できる、広々とした山頂へ

草戸峠から約10分。坂を上がりきると広い草戸山山頂だが、キャーキャーと、なにやらにぎやかな声が響いている。山頂が広いので子供たちの格好の遊び場になっているようだ。小学生の遠足かもしれない。元気でいいのだが、ここでひと休みと思ったのに、どうも落ち着かないので早々に退散する。

草戸山山頂の展望台からの眺め。八王子市街と新宿の高層ビルがかすかに見えた。
草戸山山頂の展望台からの眺め。八王子市街と新宿の高層ビルがかすかに見えた。
草戸山山頂には展望台を兼ねた東屋があり、山頂は広場のようになっている。
草戸山山頂には展望台を兼ねた東屋があり、山頂は広場のようになっている。

山頂を後にして城山湖(しろやまこ)が望めるという「ふれあい休憩所」まで進んでから休憩をとることにした。

草戸山の少し先にあるふれあい休憩所の東屋から見た城山湖。
草戸山の少し先にあるふれあい休憩所の東屋から見た城山湖。

城山湖は正式には本沢調整池という相模原市のダム湖。しばし休憩してスタート。展望のない榎窪山(えのくぼやま)を通り、ようやく五差路の三沢峠に到着。ここから梅の木平から来る関東ふれあいの道「湖のみち」に合流する。

大展望の見晴台へ

峠道の先は、ほぼ展望のない山道。泰光寺山(たいこうじさん)から西山峠に出て、その先のベンチでひと休み。手作りのようなベンチは、ほっとする。入沢山を巻いて進んで行くと、突然視界が開けた。

ふれあい休憩所から榎窪山へ行く途中。平らな道でのんびり歩ける。こんな登山道もいい。
ふれあい休憩所から榎窪山へ行く途中。平らな道でのんびり歩ける。こんな登山道もいい。
梅の木バス停から来る道と合流する三沢峠。五差路になっている。
梅の木バス停から来る道と合流する三沢峠。五差路になっている。

今は見晴台という名がついていて「湖のみち」では最高の絶景地。南側が開け、眼下に相模川、その対岸の街並み、丹沢の山々の眺望が素晴らしい。

中沢山手前にある見晴台からの眺望。ここは南高尾山稜コースで一番の展望所。眼下に相模川、奥に向かって支流の道志川、正面奥は丹沢山塊。
中沢山手前にある見晴台からの眺望。ここは南高尾山稜コースで一番の展望所。眼下に相模川、奥に向かって支流の道志川、正面奥は丹沢山塊。

展望を楽しんで、再び縦走開始。ほどなく中沢山へ。中沢峠の先からは金比羅山(こんぴらさん)、大洞山(おおぼらやま)を過ぎて甲州街道の大垂水(おおだるみ)峠へ出て、高尾山方面に出るコースが「湖のみち」になっているが、今回は中沢峠から下山することに。

標高494mの中沢山の山頂には聖観音菩薩像がひっそりと立っている。
標高494mの中沢山の山頂には聖観音菩薩像がひっそりと立っている。

ちょっと荒れた道を下りて行くと中沢川沿いの中沢林道へ出る。林道をのんびり歩いて、山下バス停へと向かうことにした。

喧騒の苦手な人には、この高尾山周遊尾根歩きをおすすめする。

さんぽMEMO
中沢峠から山下バス停に向かわずに大垂水峠方面に進み、さらに高尾山か小仏城山へ登り返すルートもある。山下バス停そばには店が1軒あり、飲みものなど購入可能。もちろんビールもある。
アドバイス
迷いやすい箇所もなく尾根歩きが楽しめるコース。途中にはトイレ、店などはなし。ゴールの山下バス停手前の『うかい鳥山』まで行けばトイレがある。

取材・文=清野編集工房
『散歩の達人 首都圏日帰りさんぽ』より

『散歩の達人 首都圏日帰りさんぽ』より、旅先で気軽に楽しめる散歩コースを紹介。歩行時間や歩行距離も明記しておりますので、週末のお出かけにご活用ください。房総の鋸南町、安房勝山駅近くに低山なれど大展望の大黒山が、東京湾を見張る櫓のようにそびえている。この展望台から海岸線を保田まで歩いてみよう。
『散歩の達人 首都圏日帰りさんぽ』より、旅先で気軽に楽しめる散歩コースを紹介。歩行時間や歩行距離も明記しておりますので、週末のお出かけにご活用ください。利根川は江戸時代、水運の大動脈だった。輸送路として発展した舟運によって、米や醤油や酒が江戸に運ばれた。小野川河岸にある佐原はその恩恵を受け、今もその面影が残る。