新竹(シンチュウ)はこんな街
台北駅から台湾鉄道の特急で約70 分の新竹は、往来しやすい街でありながらIT産業の中心地、ビーフンの名産地ぐらいしか一般に知られていない。かつては台湾北部の文化的中心であり、茶の名産地で、山岳には客家の里。市内には史跡で現役の駅舎を筆頭に、古い街並みが残り、100 年続く老舗も少なくない。最近は味なカフェも誕生、ビーフン以外の美食も数多く楽しめる。ライトアップされる夜景も美しい。
市場での朝食から夕飯まで、絶品グルメ6選
海之味蒸氣養生料理
貪欲な発想がすごい
卓上の鍋に米を投入、細かい穴の開いた蓋を閉めると周囲から蒸気が噴き出す。蓋に魚、肉、野菜など食材を順にのせ蒸し焼きにしてまず賞味。最後に穴から滴したたる食材の旨味エキスをたっぷり吸い込み、粥状になった鍋底の米を頂くという料理。コース2人前990 元〜。
Bar Reviver
締めは1階のラーメンで
1階は夕方6時開店のラーメン店。脇の壁を開けると秘密の上り階段が現れ、アメリカンな雰囲気のバーに通じている。2〜3階を占める広々した空間でカクテルは本格的。グラスがいまいちあかぬけなかったりするのも味。地元の若者で賑わっている。カクテル約250 元〜。
紅葉餐飲
オーソドックスなほっこり料理
1969 年開店。川沿いの護城河親水公園の向かい、好ロケーションにある品のいい老舗料理店。オーソドックスな台湾料理全般を提供。鶏とネギの料理酒煮220 元や卵焼きなど、素朴な味わいにほっこり。
新竹都城隍廟の屋台市場
神様に挨拶がてら本場のビーフンを試す
道教の城隍神を祀る歴史ある廟の周囲にある屋台市場。市場は軽食がメイン。レベルの高い店がひしめき、目に付くのは何軒もが扱う新竹名物の米粉=ビーフンの店。腰が強い本場のビーフンのプリプリにはびっくりする。約35元〜。
漁香甜不辣/ 丸子
3 代続く老舗テンプラは流石の味
甜不辣(ティェンブーラー)は日本の天ぷらが現地化した食べ物。天ぷらといっても西日本風に練り物を指す。新竹では地元名物に数えられ、入りやすい老舗がこちら。明るい店内で、新鮮もちもちな美味にありつける。55元。
新美乃斯食品行
ホテルに持ち帰って宴会だ
街角の“ザ・パン屋”然とした渋い店構え。年配者には懐かしいテイストのパンやケーキ類、さらにローストチキンに燻製モツなど肉料理コーナーまで揃えるボーダーレスぶり。しかも本格派で美味。軽く試すなら小粒で素朴な甘みの傳統蛋塔=エッグタルト28元。
長居したくなる新竹のおしゃれカフェ4選
暗室微光
街角の風景が魅力の人気カフェ
倉庫のようなざっくりした空間が心地よいリノベカフェ。店内はシンプル&シックで落ち着く。2階の隠れ家風スペースにこもることもできる。大通りが見通せるガラス窓沿いの長いカウンターも魅力的。自家焙煎のコーヒーとスイーツもいける。ドリップコーヒー160 元。
風徐徐 homebibi
料理も居心地もこだわり満点
天井高の白を基調としたヌケのいい空間に漂うセンスよいBGM。コーヒーを頼めば淹れ方から尋ねられ、軽食もご当地名物の貢丸(魚のミートボール)を使ったホットドッグ220 元を出したりと、こだわりの美味を楽しめる。食後は付属ギャラリーもご覧あれ。
台灣水鹿咖啡館 SAMBAR CAFÉ
水鹿は台湾高山に原生する鹿のこと
台湾は「原住民(イェンジュウミン)」と呼ばれるオーストロネシア系の先住民も暮らしている。彼らを愛する店主が台湾原住民をテーマに開いたのがここ。山林ムードの店内でゆかりのある飲食類を提供。トーテム柄のケーキ60元〜。
透光棉花
甘さ絶妙の素朴な味わい
地元で人気の和風テイストのスイーツ店。甘く煮込んだ薏仁=ハトムギに、花生=ピーナツやあんこをトッピングした、素朴な甘みにほっこりするひと品が人気。雑貨屋風の店構えもかわいい。
取材・撮影・文=奥谷道草/撮影(新竹駅)=Unya Chang
MOOK『散歩の達人 台湾』より