改めて感じたドムドムのブランド力
ハンバーガーひとすじ 50年。されどラインナップは独自路線のガラパゴス。我が国が誇るハンバーガーチェーンの始祖『ドムドム』は一時400店近くを展開したが、その後店舗数は激減。マスコットのどむぞうは、絶滅レッドアニマル化が危惧されていたが、2020年にどむぞうは生きて故郷の地・町田へ帰ってきた。
「1号店があったダイエー町田店の隣に本当に偶然、支援元のグループ会社『レンブラントホテル東京町田』があったのも幸運でした。ホテルの常連さんから『昔は隣にドムドムがあったんだよ』という話をたびたび耳にするくらい、ドムドムと町田は切り離せない街です。先人への敬意も込め、50周年の節目に町田でドムドムを販売することに大きな意味がありました」というのはドムドムフードサービスの藤﨑忍社長。2017年に経営を引き継いで以来「ドムドムのブランド力」を見極め、その意義を改めて感じてきたそうだ。
「やはり日本で最も古いバーガーチェーンですね。40代ぐらいの方に会えば『大好きでした』と言ってもらえます。イベントをやればSNSで熱い応援メッセージが届く。お客様の愛が強いです。企業としてはもちろん成長する必要がありますが、それだけに着目せず、ドムドムへの愛や希望を、もっと深掘りして強化していくべきだと感じます」
何でも挟む? ドムドムバーガーのこれから
この3年間、人気声優のイベントや『浅草花やしき』への出店、アパレルとのコラボ、そして新型コロナで思わぬ大反響を呼んだ「ドムドムマスク」のヒットなど、ブランド力を活かした試みは数多くあったが、町田での復活販売こそ、ブランドへの最大のリスペクトに感じられる。
「10月には開店当初の味を再現した『復刻バーガー』を町田で無料配布しましたが、バンズにパティとケチャップだけ。さすがに失礼かなと不安でしたが、好評を得て安心しました。皆さん、ドムドムといえば『バーガーに何でも挟む』というイメージがあるようですが、今は“おいしい”ことが絶対です。ドムドムが持つ“ユニーク”という付加価値の武器は“面白い”よりも、“特別”という意味でなければ認めてもらえない。町田で販売している『丸ごと!!カニバーガー』も、ものすごくおいしいですし、他のメニューもホテルの高級バンズを使用し、特別仕様です。50周年から先も、おいしくて“ドムドムらしい”バーガーを作っていきますよ」
ドムドムハンバーガー×レンブラントホテル東京町田コラボメニュー
丸ごと!!カニバーガー
手作り厚焼きたまごバーガー
甘辛チキンバーガー
五重塔バーガー
『レンブラントホテル東京町田』詳細
取材・文=村瀬秀信 写真提供=ドムドムフードサービス