食材や包装は特注!
「元々自販機を集めるのが趣味だった」という齊藤社長。店先でタイヤ交換作業を待つお客さんのために2017年から自販機コーナーを開設したのがきっかけだ。最も古い機械は約40年前のもので、設置されている自販機のほぼすべては、齊藤社長が時間をかけて修理をし、よみがえらせたものばかり。食材や包装は、周辺の業者を頼ってこの自販機のために新しく特注したものだという。
「毎朝5時に起きて商品の補充とメンテナンスを欠かさず行っています」と語る社長は大忙しだが、なんだか楽しそう。10月には新たに設備を拡張し、設置されている自販機は現在なんと80台以上に。同じくレトロ自販機スポットとして有名で、コロナ禍で惜しまれながら今年5月に閉店した埼玉県・行田のオートレストラン「鉄剣タロー」から引き取って修理したものもあるのだとか。
老若男女問わず楽しめるスポットに
お昼時になると、近隣ナンバーの車が続々とやってくる。訪れる人たちは「これ、小さいころによく食べたよね」と思い出話に花を咲かせる人から、「お父さん、どうやって取り出すの?」なんて興味津々で目を輝かせる子供までさまざまな世代が。
「年配世代にとっては懐かしく、若者にとっては新しい。お孫さんと一緒に来て、思い出話をしながら楽しそうに過ごされる方も多くいますね」と齊藤社長。
人気の商品はラーメン、そば、トースト、ハンバーガーなど。一見「ホントに動くの?」と思える機械から、アツアツの商品が飛び出してくるギャップが目にも楽しい。訪れるなら平日が狙い目だ!
注目のレトロ自販機セレクション
社長いわく「ハンバーガーの次に気に入っている」というトーストサンド自販機。「こんがり焼いて40秒 COFFEEといっしょにどうぞ」のキャッチコピーがなんとも優雅。ハムチーズトーストとコンビーフトーストの2種類が選べる。社長が毎朝仕込んでいる自慢の看板メニューのひとつだ。やけどしないようにトングが添えられているのもやさしさ。
こちらも貴重なポテトチップス自販機「ぽてパリくん」。現在中に入っているものはコンビニなどでも買えるごく一般的なお菓子だが、「あなたの街の小さなおやつ工房」なんてうたい文句がイカす。
ひときわ真っ赤なフォルムのチューインガム自販機は、値段表示も当時のまま(購入の際は100円玉を入れよう)。「スペアミント 20円」の機械彫刻文字がかわいい。
「昼も夜も闘う男に!」でおなじみ、アルギンZのド派手な自販機。当たりつきルーレットもあるようだ。
『中古タイヤ市場相模原店』店舗詳細
取材・文・撮影=吉岡百合子 (編集部)