旨味もボリュームも◎! ステーキは絶対オーダーすべき一品
自慢はなんといってもステーキ。こだわりの牛肉を1~2時間かけて低温調理し、最後に焼き上げるというからとても手間のかかったメニューだ。とくに、ハラミとタン2種類を味わえる盛り合わせがおトク。ぜひ最初にオーダーしよう。
2種とも表面はこんがり、中はきれいなピンク色だ。ソースもついてくるが、最初は塩のみでいただこう。どちらも少々の塩で十分肉のおいしさが感じられる。
ハラミは程よい脂が甘く、とにかくやわらかい。肉本来のおいしさがぎゅっと詰まっている感じだ。噛んでいくうちにほどけて溶けていく。タンはしっかりとした弾力があり、噛むたびにじわじわと旨味が広がってくる。食べごたえをしっかり感じる味だ。
醤油ベースのソースも試してみよう。ソースの味が加わることにより、さらに肉の旨味が増したように感じる。酒と一緒に楽しむことを考えると、これくらい味にパンチがあるのもいいかもしれない。
スタッフの提案から生まれるアイデア満載のメニュー
ビールにサワー、ハイボール、カクテルとなんでも揃っているが、一番力を入れているのがワインだ。ボトルワインが赤白ともに2800円からというからリーズナブル。酒屋のワインソムリエが選んだワインをスタッフ全員が試飲してセレクトし、毎月銘柄を替えるようにしているという。
「フツーの人がフツーにおいしいと思うものなら、自分たちで選べばいいと思って」
と、スタッフの松澤さん。若いスタッフが、和気あいあいと相談する姿が目に浮かぶ。ドリンクでもフードでも、自分たちがいいと思ったものを客に提案し、修正していくことで変化のあるメニューが出来上がっていく。そして何度も店に足を運んでくれる。なるほど、リピーターが8割というのも納得がいく数字だ。
赤羽LOVEのオーナーとスタッフが作り出す、あたたかな灯火
オーナーは佐渡出身で、キックボクサーを目指し上京したが、怪我で夢を断念。たまたま働きはじめた飲食店が赤羽にあり、フレンドリーで人のつながりが強いこの地に救われたという。
第二の故郷である赤羽に恩返しがしたい。その気持ちがこの店を開くきっかけになり、肉類も地元の肉屋から仕入れ、野菜もできるだけ地元で買うというこだわりようだ。
オーナーの強い赤羽愛は、スタッフをも牽引していく。
店名の「Lit」とは、灯火のほかに、楽しませる、という意味もあるという。
「居酒屋文化のあるこの街で、できるだけ楽しいと思ってもらえる灯火みたいな店にしていきたい」と松澤さん。若いスタッフとオーナーが一丸となって作り上げる店のムードは、ほっこりとあたたかく感じた。
取材・⽂・撮影=ミヤウチマサコ