建物の掃除や改装は地元の人が手伝ってくれたそう。

わくわくしながら引き戸を開けると、今どきでおしゃれだけど、どこかほっとする。

戎谷美野里さん、西村拓也さん、田中明裕さんの3人が、“川越でゲストハウスをやりたい!”という思いから、川越のまちづくりキャンプへの参加を経て立ち上げた宿だ。

地元の協力でようやくみつかった建物は、築100年を超える2階建て長屋。川越まつりでは町内会所として使われていたもので、既存の建築をできるだけ活かして作られたと聞いて納得。土間やちゃぶだいが置かれた和室があり、奥には中庭が広がっていて、昔の情景が思い浮かぶよう。

中庭にはテラスのほか、手づくり眼鏡の工房兼ショップがある。

ROOM TYPE

二段ベッドの部屋は女性専用ドミトリーだったが、現在は1組での使用
古い梁が見える畳敷きの個室。※現在、男女混合ドミトリーは休止中

14:00 ひと休みしながら最新の情報収集

スコーン300円は地粉を使用。サンドイッチやお酒もあり。
狭山和紅茶のオリジナルスパイスチャイ450円と一緒にいただきます。
お気に入りのメニューがあって、よく訪れているというご近所さん。

たわいもない日常がとっておきの時間に

古民家からこぼれる光がノスタルジック。楽しく夜は更けていく。

日が暮れてくると、日〜火曜に開く「コータbar goen」 がスタート。軽くつまんで飲んでいると、近所の人たちが近況を報告し合っていたり、川越話で盛り上がっていたり……。
我が家のようにくつろいでいて、自然と心がゆるんでいく。夜は外のお店に食べにいくつもりだったけど、楽しすぎてついラストまで居座ってしまった。酔い覚ましの散歩で、蔵造りの町並みへ。通りには人影がなく、外灯に照らされた建物はリアルさが増して、タイムスリップしたような気分に包まれた。

ちゃぶだいを囲むようにつながっていく

19:00 内も外も入り交って和気あいあい

普段はナッツ類のみだが、「コータbar goen」の日は、6、7品のつまみが揃う。
イチオシは、塩麹唐揚げ600円とコータばぁばの梅干しサワー 600円。

22:00 名残惜しいけど消灯まであと少し

バーのお客さんがいなくなり、宿泊ゲストだけのまったり時間に。本は部屋にもっていってもOK

07:30 朝ご飯は外に行く? ここで食べてもOK

台所や冷蔵庫などを自由に使える宿泊ゲスト専用ラウンジ。朝ご飯の提供もある。
レトロなタイルがかわいい2階の洗面所。
金庫や昔の川越まつりのポスターなど、民家に残されていたものが飾られている。

翌朝は、早起きして向かった川越氷川神社で、女子に大人気という縁結び玉をゲット。これ目当てで泊まりにくる人もいるそう。ぶらぶらした後は、戎谷さんに教えてもらった喫茶店へ。知る人ぞ知るモーニングのおいしいお店で、地元民っぽい時間の過ごし方に自画自賛。宿を出るときは、 「また来ます!」 と宣言。 社交辞令のときもあるが、今回はかなり本気だ。おばあちゃん家のような感覚で、毎年泊まりに来るのもいいな。

住所:埼玉県川越市三久保町1-14/営業時間:IN16:30・OUT10:00、カフェ月・木・金11:00~16:00(土・日・祝は~17:00)バーは曜日で異なる/アクセス:西武新宿線本川越駅から徒歩13分

取材・文=井島加恵 撮影=高野尚人
『散歩の達人』2020年10月号より