鮮度抜群の鶏が自慢。オーブン焼きをいろんなソースで召し上がれ!
小さな店だからと侮るなかれ。鳥取県産の銘柄鶏である大山どりを丸鶏で仕入れて、自家解体して調理する。だから鮮度は抜群、値段もリーズナブルだ。
鶏料理のメニューの中でも、大山どりのオーブン焼きは店主・安藤さんの自信作。
パセリジェノベーゼやオーロラソース、にんにく醤油など、ソースは数種類から選べるが、「もも肉ならコレ!」とオススメされた自家製ケチャップをセレクト。焼き上がるのを楽しみに待った。オーブンが開けられると、焼き上がった鶏の香ばしい匂いが漂う。思った以上に大きいもも肉に、ワクワクしながらかぶりついた。じゅわっと肉汁があふれ、プリプリの食感がたまらない。これで880円ならずいぶんリーズナブルで大満足なボリュームだ。
料理人修業は、会員制ゴルフクラブのレストラン
安藤さんは、祖父も父も料理人という料理人のサラブレッド。中学3年生の終わり頃には、当時父が働いていた会員制ゴルフクラブのレストランを手伝っていたという。
名門クラブのレストランで提供するメニューは、吟味した素材を使った本格的なものばかり。客一人ひとりに対し、細かな対応が求められるという会員制ならではの接客で、サービス面がかなり鍛えられ、レストランを運営することを実質的に学ぶ場にもなった。
レストランという規模の大きな店で得た経験から、自分の店は自分の手の届く範囲の大きさで、そして、できる限り既製品を使わずに自分の手で作った料理を出したい。その強い想いから、カウンターのみの小さな店を始めるに至ったと話す。
ワインに合うつまみは豊富で日替わり
前菜三種盛のメニューを見ると、チーズやナッツ以外はほとんどが手作りで、ドライトマトやらっきょうなど自家製としては珍しいものもある。「食材を吟味して、できるだけ手作りする」という安藤さんの考えが伝わってくるようだ。
しかし、メニューが多くて選ぶのに迷ってしまう……。そんなときは安藤さんに聞いてみるのもいい。適温に管理されたこだわりのワインと相性のいい前菜を紹介してくれるはずだ。
多趣味すぎる店主と語らう楽しみ
毎日遅くまでお店を開けている上、子どもは3人いるという安藤さん。忙しくて、遊ぶ暇なんてないだろうと思いきや、子供と一緒のキャンプやツーリング、バンドの練習など、本当に予定でいっぱい。驚くほどパワフルだ。
たくさんの趣味も料理も力いっぱい、人なつっこく客との距離もほどよく近い。そんな安藤さんと、時間が許す限り、いろんなおしゃべりを楽しみたい店だ。
取材・⽂・撮影=ミヤウチマサコ