素材の滋味を丸ごといただくそばと酒『蕎麦とみず』
住宅路の小路を抜け、のれんをくぐると静かな空間が広がる。カウンターの中から、ぱちぱちと天ぷらを揚げる音と香ばしい匂い。「そばの野趣を表現したい」とソバの実を丸ごと挽き込んだ挽きぐるみは、噛むほどに香りと甘みが広がる。低精白の純米酒「七本鎗」と合わせれば、穀物のうまみがいっそう引き立つ。粉や卵水、油の管理に徹底的にこだわった天ぷらは、衣がサクッと軽い口当たりで、胃に重くない。季節の魚介や野菜本来の味を存分に楽しめる。「そばと酒という食文化を現代版にブラッシュアップしたい」と、店主・曲渕久剛さんは語る。
『蕎麦とみず』店舗詳細
住所:神奈川県逗子市逗子5-11-13/営業時間:11:30~13:30LO、17:30~20:30LO/定休日:水・木/アクセス:京急電鉄逗子線逗子・葉山駅から徒歩3分
化学調味料を使わない優しい中華『ブラボーキッチン 禅』
「ブラボー」と大きく書かれたのれんが目を引く。店主は、横浜中華街の老舗中華料理店やビジネス街の和食料理店、逗子の海の家などで修業した池田禅さん。化学調味料を使わない繊細な味付けの中華料理は、食後も重さを感じさせない。人気の麻婆豆腐は、葉山牛と麦小町豚のひき肉に、葉山牛の牛すじを入れて食感を出す。「中華料理は足し算するほどおいしい」と言うとおり、さまざまな素材のうまみがギュッと重なる。地元・熊本で震災を経験し、料理人として考えさせられたという池田さん。野菜の皮や魚の骨も、出汁として余すことなく生かす。
『ブラボーキッチン 禅』店舗詳細
住所:神奈川県逗子市逗子7-1-51/営業時間:11:30~14:00LO・17:30~21:30LO(金は22:30LO、土・日・祝は11:30~23:00。祝最終日は~21:00LO)/アクセス:JR横須賀線逗子駅、京急電鉄逗子線逗子・葉山駅から徒歩7分
取材・文=村田あやこ 撮影=逢坂 聡
『散歩の達人』2026年6月号より





