出来たての和菓子とお茶を堪能できる隠れ家
国立新美術館のそばにあるビルの2階。知らないとたどり着けない隠れ家のような『九九九(くくく)』。
2024年11月にオープンした、出来たての和菓子と淹れたてのお茶を堪能することができるお店です。
店内は、カウンター席のみの落ち着いた大人の空間。
このカウンター越しに、温度と質感を大切にした和菓子が作られていきます。
目の前の障子が開かれると、そこは茶室をイメージした空間。
奥には、千利休の時代より茶碗作りを継承する樂家代々の作品が並びます。
実は、カウンター席は茶室の外としてレイアウトされており、こちらは屋外で抹茶を点てて楽しむ“野点(のだて)”をイメージ。
お店としては、茶室のような厳格な作法ではなく“野点”のように茶の湯を気軽に楽しんでほしいとの思いがあるとのこと。
店名の『九九九』には、茶の湯文化を大成して“茶聖”とも称された千利休への深い敬意が込められています。そこで、千利休の1000よりひとつ少ない999と名付けたそうです。
“野点”の始まりは、戦国時代に千利休が豊臣秀吉に野外茶会を開いたことが由来とも言われています。
ペアリングを楽しむ小菓席
8種類の和菓子とお茶のペアリングを楽しめるフルコースもありますが、初めての方におすすめが“小菓席”。
3種類の和菓子と、3種類のお茶をペアリングで楽しむことができます。
和菓子職人が目の前で一品一品作りあげ、茶士が一杯一杯淹れる贅沢なコースです(内容はその時々で変わります)。
黒猫が伺った時(2026年5月)の一品目は、“あくまき”。
鹿児島で端午の節句に食べられる伝統的な菓子です。
竹の皮で包まれたものを目の前でカットして提供されます。
鹿児島では食べ方がいろいろあるそうですが、今回はきな粉とあんわさびが添えられます。
あくまきは、もち米で粽(ちまき)に近い食感。
あんわさびは、しっかりとわさびが効いていて、あと味爽やかで大満足のおいしさにゃー♪
二品目は、お店のスペシャリテでもある“利休望”。
千利休が好んだ食材のひとつでもある胡麻。そこから発想して作り上げた黒胡麻を使ったクリーム大福です。
「和菓子は一般的に日持ちがするように砂糖が多く使われています。しかしお店の提供しているコースの和菓子には、日持ちさせるための甘さはいらないので、和菓子として必要な最低限の甘さで作っています。甘さだけではない出来たての温度と質感を楽しんでほしい」と、和菓子職人の藤田凱斗さん(写真)が話してくれました。
驚くほどにやわらかい黒胡麻生地の中には、生クリームと季節のジャム(この時はルバーブといちご)。
やわらか過ぎるので、出来たてを手渡しされます。
よく飲める◯◯◯と言いながらも飲めないものが多いですが、これは本当に飲めます。
出来たてを手渡しされて、慌てて写真を撮って食べ終わるまで、わずか10秒。
儚い……。
でもおいしい……。
もっと食べたい(笑)。
締めの上生菓子と抹茶も極上
最後の三品目は、“上生菓子”。
藤田さんが2種類の練り切りであんこを包んでいく、まさに職人技を目の前で見ることができます。
上生菓子の仕上がりに合わせて、横では抹茶が立てられています。
ブラジル、コロンビア、ブルーマウンテンなど豆の違いを楽しむコーヒーのように、日本の宇治抹茶にもブランドがあります。
この“あさひ”は、中でもプレミア級のブランドで希少な抹茶。
黒猫も過去に一度だけ味わったことがありますが、抹茶の概念が変わります。
今回思いがけず味わえて、テンションMAXひゃっほー!
今回の上生菓子は、藤の花。
こうして日本の季節を感じることができるのも和菓子の醍醐味ですね。
必殺!黒猫カッターで、ぱっかーん!
出来たてならではの、ほのかな甘みとしっとりとした食感とビジュアルの美しさに感動です。
職人技の和菓子を堪能できて、今回も大満足の“黒猫スイーツ散歩”だったにゃー♪
取材・文・撮影=ミスター黒猫







