日本人に愛される優しい味わいの中華料理
1967年に銀座で創業し、2016年に神田に移転してきた。先代の父は山東省出身で、本場の味と日本式中華料理のちょうど中間の優しくてシンプルな料理。地元神田の人たちはもちろん、銀座時代からのファンも足繁く通っているという。
激辛の見た目に反して、ピリ辛なチャンポンは、魚介と野菜の旨味が満点
この店の名物は、辛口 北京チャンポン麺。辛口というメニュー名と、真っ赤なスープで、激辛を予感させる。店主の謝茂根(しゃもんこん)さんに訪ねると「香りと旨みと赤い色がよく出る厳選した唐辛子を使っているので、見た目とは異なりじんわりとした辛さを感じられます」。実際にスープを一口飲んでみると、エビやイカ、タコなどの魚介だしとじっくりと煮込んだ野菜の旨みがたっぷり。その後にピリ辛が広がってくる。小麦粉と塩と水だけで作った自家製麺がスープとよく絡み、旨さが倍増するようだ。
モッチリ皮に包まれた水餃子は、肉汁があふれ出してくる
山東省の本場の味を再現した水餃子も是非味わいたい一品。餡は豚肉と白菜など、シンプルな食材だが、よく練ることによってジューシーなものができあがるという。モッチリとした皮で包み、一口食べると肉汁が溢れ出してくる。何もつけなくてもおいしく食べられる。
この味わいの餃子がこんな値段で食べられるとはどうしてだろう。謝さんは「父の時代に水餃子をアピールしようとしてキャンペーン価格だったのがそのまま定着してしまいました。手間暇がかかる上に手早く包まなければいけないのですが、お客様に喜んでいただければうれしいです」と、話してくれた。
一品料理をつまみながらちょっと一杯
夜には小皿料理418円~の小皿料理でアルコールを楽しむ人も多いそうだ。豚肉のサクサク香り辛子炒め1078円は、カリッと揚げた豚肉に、数種類の唐辛子をあわせている。豚肉の旨みと心地よい唐辛子の風味がたまらない。キュウリの唐辛子漬物528円は、ピリッとした風味の中にキュウリの食感や旨さを感じられる。
取材・文・撮影=速志 淳