開放感がハンパない!広い間口が入りやすさを加速する
人通りの激しい駅近の路地にある『文禄堂 荻窪店』。もともと人が多いとはいえ、街の本屋でこんなに出入りが多いのは珍しい。よーく見るとお店の横幅すべてが間口であり、実質上、すべてが出入り口となっている。道を歩いていたのに、するっとお店に入っている感じだ。
「間口が広いことで、多くの人に入っていただけるとうれしいです」と店長の前田さんはいう。
『あゆみブックス荻窪店』が2015年に新ブランドとしてリニューアルしたのが『文禄堂 荻窪店』だ。すでに街の本屋さんとしての地位は獲得していたはず。だけど「さらに」多くの人が入りやすい店を求めた結果、大きな開口部を持つ本屋となった。
しゃれた雑貨で道行く人の目線をキャッチ
店頭のワゴンには月ごとの企画で雑貨が並ぶ。本屋ではなかなか見ない、ぬいぐるみやしゃれた雑貨、バッグなどが置いてある。
「なにかな?」とワゴンに近づくと、すでに本屋に入っているという寸法だ。この日はちょっと変わったぬいぐるみがあり、気になって見に来る人も多かった。
そこから奥を見渡すと、今度は奥の雑貨コーナーが目に入る。ワゴンのついでに雑貨コーナーもちょっと見ていこうか……という気持ちから店内散策が始まる。よくできてるなあ。
心強すぎる、24時までの営業時間
荻窪駅付近には大型の書店がいくつかあるが、営業時間は21時までがほとんど。その中で24時までの営業とは本好きにはありがたい限りだ。本の上巻を読み終えてしまい、「この続きはどうなる……」と悶々とする夜。こんなときに朝まで待たずに下巻が買えるなんて!荻窪在住の人は本当にラッキーです。
話題の本から長く愛される良書までをセレクト
レジの脇、すぐ目に入る場所に「AYUMI BOOKS SELECT」コーナーがある。話題で売れ筋の本だけでなく、長く愛される本を多く紹介しているのが特徴だ。ジャンルも文芸から実用書、子供向けの本までさまざま。
ここには専門に特化した本はあまりないかもしれない。しかし「限られたスペースの中、大人にも子どもにも本の楽しさに出会ってほしい」。このコーナーを見ていると、そんな気持ちがはっきりと感じられる。
身近にあってこそ“街の本屋さん”。これからも、荻窪で長く愛されるお店でいてほしい。
取材・⽂・撮影=ミヤウチマサコ