【散歩コース】
スタート:電車/京都駅からJR奈良線で東福寺駅まで2分、京阪本線に乗り換え出町柳駅まで20分、叡山電鉄鞍馬線に乗り換え鞍馬駅まで30分・計900円
電車・バス/京都駅から地下鉄烏丸線で国際会館駅まで20分、国際会館駅前バス停から京都バス52系統に乗り換え鞍馬バス停まで24分・計620円
叡山電鉄鞍馬線鞍馬駅(7分/0.5km)→由岐神社(10分/0.7km)→鞍馬寺(2分/0.2km)→鞍馬寺 霊宝殿(鞍馬山博物館)(15分/0.7km)→鞍馬寺 奥の院魔王殿(13分/0.8km)→貴船神社(7分/0.5km)→貴船神社 奥宮(12分/0.8km)→京都バス貴船バス停
ゴール:電車・バス/貴船バス停から京都バス33系統で叡電貴船口駅前バス停まで54分、京都バス52系統に乗り換え国際会館駅前バス停まで23分、国際会館駅から地下鉄烏丸線で京都駅まで20分・計740円
今回のコース◆約4.2km/約1時間10分/約8800歩
由岐神社/桃山時代の割拝殿が珍しい
天変地異が続いた都を鎮めるため、天慶3年(940)に御所内に祀られていた祭神を勧請したのが起こり。この故事にちなんだのが「鞍馬の火祭」で、毎年10月22日に行われる。京都三大奇祭の一つ。
鞍馬寺/平安時代は京都北方を守護する寺。牛若丸や天狗伝説が残る
奈良時代末期に鑑真和上(がんじんわじょう)の高弟・鑑禎(がんちょう)上人が、毘沙門天を祀ったのが始まり。正月4日寅の夜に夢告と白馬に導かれて鞍馬山へ入山したという言い伝えから、境内では「あうんの虎」がにらみをきかせる。本殿金堂や多宝塔などの見どころも多い。
鞍馬寺 霊宝殿(鞍馬山博物館)/寺宝や鞍馬山の自然をまるっと展示
1階は鞍馬山の動植物に関して、2階は寺宝とたびたび来訪した与謝野(よさの)鉄幹・晶子のゆかりの遺品など、3階は国宝の毘沙門天立像、重要文化財の聖観音立像などを展示する仏像奉安室となっている。
鞍馬寺 奥の院魔王殿/鞍馬寺最強のパワースポット
650万年前に金星から地球に降り立ったともいわれる護法魔王尊は、鞍馬寺本尊の一つで、大地の力を象徴する神様。鞍馬山で最もパワーが集中する場と伝わる。月の千手観世音菩薩、太陽の毘沙門天王とともに三尊として祀られる。
貴船神社/氣生根(きぶね)とも表記される、氣力の生ずる古社
創建年代は不詳で、1300年前には社殿があったと記録が残る。水の供給を司る神を祀り、農漁業や醸造業者らの信仰が篤い。また、和泉(いずみ)式部が夫との復縁を祈願し成就したことから、縁結びの神として崇敬される。
貴船神社 奥宮/杉木立が美しい、厳かな雰囲気のかつての本宮
本宮から徒歩15分ほどの場所にある、貴船神社創建の地。御鎮座伝説に伝わる玉依姫命(たまよりひめみこと)が乗った黄船が本殿のそばに祀られる。本殿下にある龍穴(りゅうけつ・縦穴)は、誰も見ることが許されておらず、日本三大龍穴(りゅうけつ)の一つに数えられる。
【貴船の夏の風物詩。川を渡る涼風と夏の味覚に暑さも忘れる】
京都 貴船 右源太/貴船の川床
川床は、桃山時代に鴨川に桟敷を設け客をもてなしたのが始まりという。現在でも鴨川、貴船、高雄の3エリアで5月から9月に設置される。
貴船の川床は、真夏の炎天下でも平均気温23度と京都市中心部より10度は低く、床に腰を下ろした途端にひんやりとした感触があり、汗が引いていく。
貴船川沿いに立つ15軒の料理屋で行っており、さわやかな水音をBGMに、頬をやさしく撫でる涼風が心地よく、リラックス効果も絶大だ。
『京都 貴船 右源太(うげんた)』は、昭和37年(1962)に宿として開業。川床は貴船川に約150席の座敷席が設けられ、貴船エリアで最大規模。昼の川床懐石9900円~(要予約)は、貴船の水で泳がせた川魚や湯葉、そうめんなど、目にも涼やかな夏らしい食材を使った料理が並ぶ。豊かな自然に抱かれた開放感ある景色と夏の味わいで、酷暑も乗り切れそうだ。
【京都グルメを堪能】
『貴船倶楽部』料理旅館『右源太』の料理も提供
アンティークのイスや薪(まき)ストーブなどが配され、木の温もりに包まれた喫茶店。窓から望む貴船の自然にも心癒やされる。抹茶ガトーショコラ800円、コーヒー600円。
『雍州路』民芸調の設えの店内もほっこり
鞍馬寺門前に構える精進料理の食事処。一番人気のくらま山精進膳2750円(写真)は、季節のおこわや山菜の白和(あ)え、田楽など、精進物だけで出汁をとった手の込んだ料理が並ぶ。
取材・文=アド・グリーン
『散歩の達人 歩きニストのための京都散歩地図』より