【散歩コース】
スタート:京都駅からJR山陰本線(嵯峨野線)で嵯峨嵐山駅まで18分・240円
JR山陰本線(嵯峨野線)嵯峨嵐山駅(2分/0.1km)→ジオラマ京都JAPAN(15分/1.0km)→宝厳院(4分/0.3km)→天龍寺(8分/0.6km)→野宮神社(6分/0.4km)→大河内山荘庭園(23分/1.5km)→法輪寺(18分/1.3km)→鹿王院(8分/0.6km)→車折神社(4分/0.3km)→市バス車折神社前バス停
ゴール:車折神社前バス停から市バス72・73・76系統で京都駅前バス停まで38分・230円
今回のコース◆約6.1km/約1時間30分/約8100歩
ジオラマ京都JAPAN/西日本最大級の鉄道ジオラマ
精巧な京都の街の中をさまざまな列車が走る。1日3回行われる天体ショーは、星座と列車の室内照明がきらめく幻想的なジオラマを楽しめて人気。
宝厳院/春と秋の特別拝観期間でのみ出合える絶景
天龍寺の塔頭。獅子岩と呼ばれる大きな石を配した「獅子吼(ししく)の庭」は嵐山を借景とした回遊式庭園で、江戸時代の京都の名所名園案内に掲載されたほどの名庭。
天龍寺/広大な敷地を誇る天龍寺派の大本山
後醍醐天皇の霊を慰めるため足利尊氏が創建。日本初の史跡・特別名勝に指定された曹源池庭園は、亀山や嵐山を借景にした池泉回遊式で、作庭家としても有名な禅僧・夢窓疎石の傑作。
野宮神社/黒木鳥居と小柴垣に囲まれた厳かな聖地
平安時代、天皇に代わり伊勢神宮に仕える皇女・斎王(さいおう)が伊勢へ行く前の1年間、籠(こ)もり身を清めた場所で、『源氏物語』にも登場する。縁結びや子宝安産の神として信仰を集める。珍しい黒木鳥居は日本最古の様式だ。
大河内山荘庭園/時代劇俳優がコツコツと造り上げた雄大な庭
丹下左膳役で人気だった昭和の時代劇スター・大河内傳次郎が自ら設計し、30年の歳月を費やして造った山荘庭園で、小倉山の南斜面に2万㎡の広大な敷地をもつ。保津川や京都市内の眺望も見どころ。
法輪寺/『枕草子』にも登場する古寺
嵐山の中腹にあり、通称「嵯峨の虚空蔵(こくぞう)さん」。数えで13歳の男女が智恵と福徳を得るために参詣する「十三まいり」が多い。参詣後は渡月橋を渡り切るまでは振り返ってはいけないと伝わる。
鹿王院/数々の貴重な仏像を安置
足利義満が建立。山門からまっすぐに延びた参道は石畳が美しく、その先の本堂には本尊の釈迦如来や運慶作と伝わる十大弟子が安置される。客殿は女性限定の宿坊として利用できる。
車折神社/芸能祈願のパワースポット
芸能の神・天宇受売命(あめのうずめのみこと)を祀った芸能神社が有名。奉納された約4000枚の朱塗りの玉垣は、社殿の周りや参道にずらりと並んでいる。俳優やアーティストの名前を見つけるのも楽しみ。
【琴が奏でる夫への愛。美しい平安の悲恋物語】
渡月橋/琴きき橋跡
渡月橋のほとりに立つ琴きき橋跡の碑には、高倉天皇と恋に落ちた美貌の琴の名手・小督(こごう)の命をかけた悲しい物語が残る。
平安時代末期、権力の中心にあった平清盛は、娘の夫である天皇の寵愛が小督に向かっていることに怒り、小督を宮中から追い出す。悲しみにくれる天皇は、源仲国(みなもとのなかくに)に小督を探すよう命じる。嵯峨野を訪ね歩く仲国が、琴きき橋で耳にしたのは美しい琴の音。小督が愛する天皇を思って奏でる『想夫恋(そうふれん)』の曲だった。仲国の助力により隠密に宮中に戻り、天皇と再会した小督は皇女を成す。だが、清盛のさらなる怒りにより出家し、東山の清閑寺で尼として亡くなる。
小督が身を隠した場所は福田美術館の敷地内にある小督塚付近、仲国が琴の音を聴いた橋が琴きき橋跡の碑の付近だといわれている。そして、天皇が眠る東山の高倉天皇陵と小督の供養塔が立つ清閑寺は隣同士に位置し、今でも仲睦まじい姿を見せている。
【京都グルメを堪能】
『西山艸堂』嵯峨野で最も歴史ある湯豆腐店
湯豆腐は、豆腐の名店「森嘉(もりか)」のつるりとした口あたりの嵯峨豆腐を使い、たっぷりと土鍋に張った昆布出汁でいただく。写真は湯どうふ定食3850円。メニューはコースのみ。
『嵐山うどん おづる』京の味覚を感じる湯葉うどん
つるりとした細めの自家製うどんが喉ごし抜群。京都らしい一品の湯葉たまうどんセット1690円は、もちっとした湯葉と上品な出汁を含んで豊かな味わい。かやくご飯とおぼろ豆腐、香の物が付く。
取材・文=アド・グリーン
『散歩の達人 歩きニストのための京都散歩地図』より