「いい龍がいる」と聞いて、いても立ってもいられず
干支に関して、私には毎年恒例としている行事がある。干支の動物遊具にライダー姿でまたがる「十二支ライダー」、そして干支にゆかりのある寺社に初詣に行く「動物初詣」だ。
十二支ライダーは2012年の辰年からスタートして、昨年で一巡した。これを一区切りとして止めるかどうか悩んだが、「綾瀬の下河原公園にいい龍がいる」という情報を知り、いても立ってもいられず、年末に撮りに行ってしまった。これで今後12年、還暦になるまでライダー姿で動物遊具にまたがる将来が約束されたわけだ。
年が明け、今度は動物初詣をするべく龍にゆかりのある寺社を探す。金・黒・白・赤・青の五龍神を祀る田無神社では、五色の龍をかたどった「新五龍神みくじ」が頒布されていると聞き、早速正月3日に訪れた。
ただでさえ初詣で混雑する田無神社は、辰年ということもあってか、神社をぐるり一周するほどの参拝客の大行列、さらに五龍神みくじも品切れであった
私は打ちひしがれて西武線で帰宅した。
もっと龍にまみれたくて、江の島へ
せっかく辰年の年女なのだから、もっと龍にまみれたい。手軽に行ける龍スポットはないか。その時ふと頭に浮かんだのが、江の島である。江の島は、5つの頭を持つ五頭龍と天女の伝説が残る島であり、江島神社をはじめとして島のあちらこちらに龍があしらわれている。これは辰年に訪れるのに最適ではないだろうか。
小田急・片瀬江ノ島駅を降りると、駅舎からして竜宮城のデザインだし、江の島に続く地下道入り口や橋のたもとにも龍がいる。これは期待大だ。
江の島に入り、土産物店を抜けて階段を上ると江島神社の辺津宮に到着する。この辺津宮には龍の吐水口をあしらった手水舎や、白龍の銭洗い池などがある。
辰年の新年だからか、大絵馬の前にも龍が設置されていた。
龍にまつわる授与品も豊富で、色々と買い求めながら先へ進む。
中津宮を経て奥津宮までたどり着くと、その横に龍神信仰に基づく龍宮(わだつみのみや)がある。岩屋洞窟の奥にある岩屋本宮の真上に建立されており、岩の上には巨大な龍が鎮座している。
この近くには、五頭龍と天女との恋物語にちなんだ「龍恋の鐘」もあり、デートスポットにもなっている。
帰りには土産物店で龍グッズを買い求め、
江ノ電・江ノ島駅近くの龍口寺にも寄り、ホクホクで帰路についた。
しかし、実は江の島の奥の岩屋(第二岩屋)には、手を鳴らすと稲光が走る龍神様の像がいたのである。なぜ私は岩屋に行かなかっただろう。もしかすると、他にも気づかなかった龍がいたかもしれない。辰年のうちにもう一度、江の島へ龍探しの旅に行こうと決意するのであった。
イラスト・文・写真=オギリマサホ