『高尾稲荷神社』美女の頭蓋骨を祀る神社のご利益は?
神社では、山や巨木や巨石を御神体として祀っていることがあります。さらに、鏡や刀や勾玉を神の宿る御神体として祀る神社も多く存在します。
そんな中、日本橋オフィス街の外れにある『高尾稲荷神社』の御神体はなんと、高尾太夫という名前の「美女の頭蓋骨」!
高尾太夫は遊郭にいた花魁です。江戸1番の美女でした。
何人もの男が彼女に言い寄る中、高尾太夫に惚れ込んだ仙台藩主がいました。
彼は繰り返し何度も高尾太夫のもとへ出かけては、ありったけのお金と愛の言葉をつぎ込みます。
そして、隅田川を進む船の上で高尾太夫に結婚を申し込んだのです。
ところが、高尾太夫には別に意中の男性がいたため断られてしまいます。すると彼は逆上し、高尾太夫を裸で逆さ吊りにして刀で切り、隅田川に捨ててしまいます。
そんな高尾太夫の凄惨な最後を知った地元の人々が、川から彼女の頭蓋骨を見つけ、祠を作って祀ったのが、この神社の始まりです。
ご利益として頭痛やノイローゼ、うつ病や薄毛など、首から上の悩みに効くと言われるようになりました。
悲劇のドラマの主人公に、手を合わせに行ってみてはいかがでしょう。
『榎大六天神』ちょっと怖い? 縁結びならぬ縁切りを願う神社
縁結びのご利益はよく聞きます。しかし、あなたと誰かの縁が結ばれるということは、その人と別の誰かの縁が切れているということ。
つまり、「縁結び」の願いの背後には「縁切り」が隠れていますが、それを表立ってご利益とする神社仏閣は多くありません。
しかし、そんな「縁切り」を願う人のための場所が板橋区の「縁切榎」。
板橋本町商店街の中にある『榎大六天神』という神社があるのですが、縁切りの効験があるとされるのは、この神様ではなく小さな敷地にたつ大きな榎の木です。
かつて、この縁切り榎の前を嫁入り行列で通った女性の結婚が、うまくいかなかったという話は多く、迂回路まで作られたほど縁切りのご利益は強いのです。
実は、こちらにお参りに来る方が切ろうとしている縁は、人間関係だけではありません。
やめられない酒やギャンブルなどとの悪縁を断つ、ひいてはそうした悪縁から距離を置けない「弱い自分との縁を切る」という願掛けをしにくる方も多い場所なのです。
ちょっと怖い感じもするスポットですが、ポジティブな意味で縁を切って、新しいことにチャレンジするのも良いかもしれませんね。
さらに、ギスギスした現代は誰にでも「切りたい縁」もあるのではないでしょうか。
縁切りで自分の環境を整えたい方には、オススメの神社です!
『阿豆佐味天神』家族同然の存在がいなくなったらお参りに
立川駅の北側に広い境内を持つ『阿豆佐味(あずさみ)天神』があります。
ご祭神は、少彦名命(すくなひこなのみこと)と天児屋根命(あめのこやねのみこと)で、それぞれ医薬や健康、文学や芸術の神様として知られています。
ところがこちらにお参りに来る人の中には珍しいお願いをする人も。
大事な飼い猫が行方不明!なんて事になると、心配と寂しさで胸が張り裂けそうになり、神頼みしたくなる方もいるでしょう。
こちらは「猫返し神社」として、祈願すると行方知れずになった猫が戻って来るご利益があると言われているのです。
その発端には有名なジャズピアニスト山下洋輔さんの存在がありました。愛猫家で知られる山下さんですが、ある日、猫がいなくなっていることに気がつきます。
2週間以上、あらゆる場所を探しても見つからない猫。そんな時、こちらの神社を通りかかり、藁にもすがる思いで「どうか無事に帰ってきますように」と祈願。
するとその翌日、愛する猫がひょっこりと山下さんのもとに帰ってきたのです。
現在では境内に、猫の像や猫の絵馬が並んでおり、猫好きの聖地の一つにもなっています!
珍しいご利益の神社仏閣は、ニッチなお願いにもフィットするだけでなく、広く「開運のご利益」と言われるより専門性が高くて、より効果がありそうな感じもしますね!
あなたにぴったりな神社が見つけられたら、お参りに出かけてみましょう!
写真・文=Mr.tsubaking